いよぎん、2027年3月期第1四半期決算、減益も金利収益伸長と愛媛銀行統合へ

いよぎんの2027年3月期第1四半期決算は、国内金利の上昇で資金利益が伸びた一方、債券売却損などが響き減益となりました。経常収益は前年同期比1.4%増の808億円、経常利益と純利益はいずれも21.0%減。一方、通期予想は据え置き、愛媛銀行との経営統合に向けた基本合意と、上限150億円の自社株買いも発表しました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 808億円 | +1.4% | 2,700億円 | 30% |
| 営業利益 | 344億円 | -21.0% | 1,110億円 | 31% |
| 純利益 | 244億円 | -21.0% | 770億円 | 32% |
| 営業利益率 | 42.6% | |||
この決算のポイント
- 1銀行業のセグメント利益は前年同期比21.6%減、金利上昇に伴う債券売却損などが重荷
- 2リース業の経常収益は前年同期比14.5%増の58億円、利益は22.8%減の2億円
- 3年間配当予想は前期の60円から80円へ増額し、自社株を上限150億円取得
- 4愛媛銀行と2027年4月をめどに株式交換を協議、交換比率は今後決定
- 5通期経常利益予想は1,110億円で前期比11.9%増、純利益予想は770億円で3.7%増
業績のポイント
いよぎん(いよぎんホールディングス)の第1四半期は、経常収益が前年同期比1.4%増の808億32百万円となる一方、経常利益は21.0%減の344億16百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益も21.0%減の243億50百万円でした。経常利益の前年差を下のグラフに示します。
金利収益の伸びを債券損失が相殺。国内金利上昇や貸出金残高の増加を受け、資金運用収益は前年同期比33億7百万円増えました。一方、経常費用は102億93百万円増。その他業務費用の増加が特に大きく、説明資料では金利上昇を踏まえた債券売却損の計上が減益要因として挙げられています。
利益の落ち込みは大きいものの、貸出金利息の増加など本業の資金利益は堅調です。株式売却益などを含むその他経常収益は前年より減少しており、金利上昇の恩恵が利益全体に反映されるまでには、債券運用や預金金利の動きも見極める必要があります。
- 前年同期436億円
- 経常収益増+11.2億円
- 経常費用増-103億円
- 当期344億円
セグメント別動向
銀行業は経常収益が742億55百万円と前年同期比0.3%増でしたが、セグメント利益は338億41百万円で21.6%減となりました。国内金利上昇などを背景に資金利益は増加したものの、債券売却損などでその他業務利益が悪化し、利益を押し下げました。
リース業は経常収益が58億53百万円と14.5%増えた一方、セグメント利益は2億27百万円で22.8%減。その他の区分は、情報処理受託・ソフトウェア開発業や証券業などを含み、経常収益は7億22百万円で36.5%増、セグメント利益は87億71百万円で28.1%減でした。
セグメント利益の減少率は各区分で異なるものの、利益規模の大きい銀行業の減益が連結全体に強く影響しました。金利上昇による貸出収益の増加が続く一方、債券運用の損益や調達コストが利益を左右する局面です。
- 銀行業-21.6%
- リース業-22.8%
- その他-28.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 743億円 | 92% | 338億円 | 45.6% |
| リース業 | 59億円 | 7% | 2億円 | 3.9% |
| その他 | 7億円 | 1% | 88億円 | - |
通期見通し
会社は2027年3月期の通期予想として、経常収益2,700億円、経常利益1,110億円、親会社株主に帰属する当期純利益770億円を掲げています。前年実績に対して、それぞれ1.5%増、11.9%増、3.7%増の計画です。
| 期間・指標 | 経常収益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する利益 |
|---|---|---|---|
| 第2四半期累計予想 | 1,475億円、前年比+6.9% | 620億円、前年比+12.2% | 430億円、前年比-0.6% |
| 通期予想 | 2,700億円、前年比+1.5% | 1,110億円、前年比+11.9% | 770億円、前年比+3.7% |
第1四半期の中間期予想に対する進捗率は、経常利益が55.5%、純利益が56.6%です。会社は2026年5月公表の第2四半期累計予想を修正したと説明していますが、この短信本文には修正前の金額や修正理由の詳細は掲載されていません。通期計画の達成には、資金利益の伸びを維持しつつ、債券売却損や貸倒関連費用の影響を抑えられるかが焦点です。
リスクと課題
第1四半期は金利上昇が資金利益を押し上げる一方、債券売却損などを通じて利益を圧迫しました。今後は金利環境の変化に加え、信用コストや経営統合の実行状況にも注意が必要です。
- 金利・債券運用: 金利上昇は貸出金利息の増加につながる一方、保有債券の評価や売却損益を悪化させる可能性があります。預金金利の上昇が貸出金利の改定を上回れば、利ざやにも影響します。
- 信用リスク: 貸倒償却引当費用は前年同期より増加しました。景気や取引先の業況が悪化した場合、貸倒引当金の積み増しなどで利益が下振れするおそれがあります。
- 株式・市場変動: 株式売却益などを含むその他経常収益は前年同期を下回りました。株価や市場環境の変化は、有価証券損益を通じて収益の振れにつながります。
- 経営統合の実行: 愛媛銀行との統合は株式交換比率や許認可などが今後の協議事項です。準備やシステム統合が計画どおり進まない場合、統合時期や期待する効果に影響する可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
3,679円
最新終値(2026/10/23)
3,168円-13.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#いよぎん#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#金利上昇#愛媛銀行#自社株買い#増配
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
金利上昇による貸出収益の伸びは、いよぎんの収益力を支える追い風です。ただし、今回は債券売却損などがその効果を上回り、減益となりました。金利上昇が銀行に一方向の恩恵をもたらすわけではないことが表れた決算です。
愛媛銀行との統合は、四国の地域金融にとって注目度の高い動きです。顧客基盤や人材、サービスをどう組み合わせるかに加え、株式交換比率や統合後の運営体制が企業価値向上につながるかを見極めたいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/iyo-financial-group/report/2027-Q1
関連記事
四国の地方銀行の最新記事
- 決算解説百十四銀行2027年3月期 第1四半期百十四銀行、2027年3月期第1四半期決算、経常利益29%増も債券損失が拡大

- 決算解説阿波銀行2027年3月期 第1四半期阿波銀行、2027年3月期第1四半期決算、経常利益56%増で純利益も伸長

- 決算解説千葉銀行2027年3月期 第1四半期千葉銀行、2027年3月期第1四半期決算、経常利益34.5%増、純利益37.2%増

- 決算解説しずおかFG2027年3月期 第1四半期しずおかFG、2027年3月期第1四半期決算、経常利益51%増で通期予想上方修正

- 社内制度・報酬に関する開示千葉銀行9月30日千葉銀行、ちばフィナンシャルG設立へ役員報酬改定 統合後インセンティブ維持で2026年臨時株主総会に付議

掲載企業

株式会社いよぎんホールディングス
東証 5830
これが最新の決算解説です





