阿波銀行、2027年3月期第1四半期決算、経常利益56%増で純利益も伸長

阿波銀行の2027年3月期第1四半期決算は、経常収益が前年同期比73.6%増、経常利益が56.5%増、純利益が53.7%増となりました。貸出金・有価証券の利息収入が伸びたほか、アセットスワップ解約益や株式売却益も収益を押し上げました。一方、国債などの売却損や預金利息も増加しており、利息収入の改善と有価証券取引が増益をけん引した決算です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 379億円 | +73.6% | 1,176億円 | 32% |
| 営業利益 | 83億円 | +56.5% | 260億円 | 32% |
| 純利益 | 58億円 | +53.7% | 176億円 | 33% |
この決算のポイント
- 1銀行業の経常収益は前年同期比92.9%増、経常利益は55.2%増。解約益や株式売却益が寄与
- 2リース業は経常収益が前年同期比0.1%増にとどまる一方、与信関連費用の減少で経常利益は114.2%増
- 3通期予想は経常収益1,176億円、経常利益260億円、純利益176億円で据え置き
- 4年間配当予想は190円と前期の142.5円から増加。第2四半期末には記念配当10円を含む
- 5貸出金の増加で国内基準の連結自己資本比率は前年同期比0.13ポイント低下の10.69%
業績のポイント
株式会社阿波銀行(阿波銀行)は2026年4~6月期、経常収益が379億37百万円と前年同期比73.6%増、経常利益は83億26百万円と56.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は58億9百万円と53.7%増でした。経常収益は160億88百万円増え、経常利益は30億9百万円増加しています。
- 収益を押し上げた要因: 貸出金利息は90億73百万円、有価証券利息配当金は63億80百万円となり、いずれも前年同期を上回りました。国内債券の一部入れ替えに伴うアセットスワップ解約益もその他業務収益を押し上げました。
- 株式売却益の寄与: 株式等売却益を中心にその他経常収益が増加しました。単体のコア業務純益は118億61百万円と前年同期比68億58百万円増でした。
- 費用の増加: 預金利息の増加に加え、国債等債券売却損を中心にその他業務費用が膨らみました。経常費用は前年同期比130億79百万円増の296億11百万円です。
利息収入の改善に有価証券取引益が重なった増益です。ただし、増収額にはアセットスワップ解約益や株式売却益が含まれる一方、国債等の売却損も出ており、利益の伸びをそのまま継続的な本業の成長とみなすのは慎重さが必要です。銀行の基礎的な収益力を示すコア業務純益の伸びと、金利上昇に伴う調達費用の増加を合わせて見る必要があります。
セグメント別動向
銀行業は経常収益が334億76百万円、前年同期比92.9%増となり、経常利益は80億56百万円と55.2%増でした。貸出金利息や有価証券利息配当金の増加に加え、アセットスワップ解約益や株式等売却益が収益に寄与しました。
リース業は経常収益が45億80百万円と前年同期比0.1%増、経常利益は2億72百万円と114.2%増でした。リース売上高などの増収は小幅でしたが、与信関連費用の減少などで経常費用が減り、利益が伸びています。
銀行業が連結収益と利益の大半を占め、今回の増益を主導しました。一方、リース業は売上規模がほぼ横ばいでも費用の改善が利益に結び付いています。銀行業の利益には市場取引に関わる収益も含まれるため、今後は貸出金利息などの継続的な収入と、有価証券関係損益の変動を分けて追うことが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 335億円 | 88% | 81億円 | 24.1% |
| リース業 | 46億円 | 12% | 3億円 | 5.9% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は4兆2,148億91百万円で、2026年3月末から429億1百万円増加しました。預金の増加や貸出金の伸びを背景に資産規模が拡大し、純資産も4,143億90百万円へ増えています。
| 項目 | 2026年6月末 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 4兆2,148億91百万円 | 3月末比429億1百万円増 |
| 純資産 | 4,143億90百万円 | 3月末比147億73百万円増 |
| 自己資本比率(短信記載) | 9.8% | 3月末の9.5%から上昇 |
| 国内基準の連結自己資本比率 | 10.69% | 前年同期比0.13ポイント低下 |
| 年間配当予想 | 190円 | 前期実績142.5円から47.5円増 |
預金と譲渡性預金の合計は3兆4,734億円で、3月末比546億円増。貸出金は2兆5,406億円と192億円増でした。配当は第2四半期末100円、期末90円の予想で、第2四半期末には創業130周年の記念配当10円を含みます。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金収支の詳細はこの短信から確認できません。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は、経常収益1,176億円、経常利益260億円、親会社株主に帰属する当期純利益176億円で、会社は前回公表値を据え置きました。前期比では経常収益23.3%増、経常利益19.1%増、純利益13.3%増を見込んでいます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 経常収益(億円) | 1,176 | 1,176 | +23.3% |
| 経常利益(億円) | 260 | 260 | +19.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 176 | 176 | +13.3% |
第2四半期累計の予想は、経常収益657億円、経常利益152億円、純利益101億円です。短信では、通期予想を据え置いた理由として経済・金融情勢の不透明さを挙げています。第1四半期は通期計画に対して利益面で一定の進捗を示しましたが、株式売却益など市場要因の変動もあるため、会社予想の達成には下期の利息収入と有価証券損益の推移が焦点です。
リスクと課題
第1四半期は増益となりましたが、金利環境の変化や有価証券の売買損益によって、銀行の収益は振れやすい状況です。会社も経済・金融情勢の不透明さを理由に通期予想を据え置いています。
- 預金金利の上昇: 預金利息は前年同期比で増加しました。調達費用の増加が貸出金利息などの運用収益の伸びを上回れば、利ざやや利益を圧迫する可能性があります。
- 債券価格の変動: 国債等債券売却損を計上しており、金利変動は保有債券の評価や売却損益に影響します。安全性・流動性を確保しながら運用する必要があります。
- 株式売却益への依存: 株式等売却益は当期の収益を押し上げましたが、株価や売却時期に左右されます。売却益が縮小すれば、経常収益や利益の伸びが弱まるおそれがあります。
- 貸出先の信用リスク: 貸出金が増える一方、景気や取引先の業況悪化は貸倒引当金や与信費用の増加につながります。地域企業への資金供給を続けながら、融資先の信用状況を見極めることが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
1,642円
最新終値(2026/10/23)
1,860円+13.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#阿波銀行#決算#決算分析#四半期決算#2027年3月期#銀行業#経常利益#株式売却益#配当
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コメント
今回の増益は、貸出金利息などの基礎収益の改善に、アセットスワップ解約益や株式売却益が加わった構図です。銀行の収益環境が金利上昇で変わりつつあることを示す一方、一時的な市場取引の寄与も大きく、増益の持続性は次の四半期で見極めたいところです。
注目したいのは貸出の広がりと調達コストの綱引きです。一般貸出が伸びる一方で預金利息も増えており、今後は貸出金利の上昇が預金金利の上昇をどの程度上回るかが、利益成長を測るポイントになります。
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