木曽路、2027年3月期第1四半期決算、赤字拡大で通期予想は据え置き

木曽路の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比0.4%減の119億46百万円となり、営業損失は2億38百万円と前年同期の74百万円から拡大しました。食材価格や人件費などの上昇で費用がかさむ一方、会社は通期予想を据え置きました。売上微減のなか費用負担が拡大し、冬場に利益が偏る季節性を踏まえ、今後の需要回復と収益改善が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 119億円 | -0.4% | 550億円 | 22% |
| 営業利益 | -238百万円 | — | 32億円 | -7% |
| 純利益 | -131百万円 | — | 21億円 | -6% |
| 営業利益率 | -2.0% | |||
この決算のポイント
- 1売上高は前年同期比0.4%減の119億46百万円、主力の木曽路部門も0.2%減
- 2営業損失は2億38百万円と前年同期の74百万円から拡大、販管費増が利益を圧迫
- 3焼肉部門の売上高は5.1%減、大穴などを含むその他部門は21.3%増
- 4通期営業利益予想は32億円で変更なし、通期売上高予想は550億円
- 5年間配当予想は前期と同じ1株30円、自己資本比率は65.9%に上昇
業績のポイント
木曽路(株式会社木曽路)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比0.4%減の119億46百万円、営業損失が2億38百万円、経常損失が2億22百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が1億31百万円でした。前年同期はいずれも損失でしたが、営業損失は74百万円、純損失は51百万円で、赤字幅が広がっています。
営業損益の前年同期からの変化を、損益計算書の内訳から整理すると次の通りです。
売上総利益は前年同期を上回ったものの、販売費及び一般管理費の増加が上回り、営業損失が拡大しました。会社は食材・エネルギー価格の高止まりや人件費の増加に対応し、仕入れや在庫、廃棄ロスの見直し、シフトや店舗運営の効率化を進めています。
外食需要は行楽需要やサービス消費の回復を背景に底堅く推移しましたが、消費者の節約志向も強まっています。主力のしゃぶしゃぶ需要は冬季に高まる傾向があり、第1四半期の赤字だけで通期の達成度を判断しにくい一方、費用増を吸収できる売上回復が必要です。
- 前年同期-0.7億円
- 売上総利益+0.3億円
- 販管費-1.9億円
- 端数差-0億円
- 当期-2.4億円
セグメント別動向
木曽路は飲食店事業を実質的に単一セグメントとして開示しているため、以下では決算短信の部門別売上高を紹介します。主力の木曽路部門は小幅減、焼肉部門は減収となる一方、居酒屋「大穴」などのその他部門は伸びました。
| 部門 | 売上高の前年同期比 | 増減額(百万円) |
|---|---|---|
| 木曽路 | -0.2% | -21 |
| 焼肉 | -5.1% | -97 |
| 大穴・とりかく | +21.3% | +64 |
| 鈴のれん | +4.6% | +8 |
| その他業態 | -2.3% | -7 |
木曽路部門は売上高が前年同期比0.2%減となりました。業態60周年の特別企画や、しゃぶしゃぶを中心とした販売促進、慶事・法事や家族会食の需要獲得に取り組みましたが、前年同期の水準には届きませんでした。「お食い初め」などの祝い事に向け、社内マイスター制度を生かした接客で、単価だけでなく利用機会の拡大を目指しています。
焼肉部門は売上高が5.1%減少しました。「大将軍」は黒毛和牛などの品質や個室利用を訴求し、「くいどん」はコースを拡充しましたが、部門全体では前年を下回りました。その他部門では、前期に出店した大穴の寄与もあり、同業態の売上高が21.3%増えました。部門ごとの明暗が分かれており、主力業態の回復と焼肉業態の立て直しが課題です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 木曽路部門 | 93億円 | 78% | - | - |
| 焼肉部門 | 18億円 | 15% | - | - |
| その他部門 | 9億円 | 7% | - | - |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から12億68百万円減の472億30百万円、自己資本比率は65.9%と前期末の65.1%から上昇しました。年間配当予想は前期と同額の1株30円で、自社株買いの発表はありません。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・予想 | 比較対象 | 増減・内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 472億30百万円 | 前期末比 | -12億68百万円 |
| 自己資本比率 | 65.9% | 前期末65.1% | +0.8ポイント |
| 1株当たり配当 | 年間30円 | 前期年間30円 | 予想変更なし |
| 中間配当 | 15円 | 期末配当予想15円 | 年間合計30円 |
| 営業キャッシュ・フロー | 開示なし | 四半期CF計算書 | 作成していない |
総資産の減少には、流動資産が前期末から15億71百万円減ったことが影響しました。純資産は四半期純損失の計上と前期末配当の支払いで4億54百万円減少しましたが、自己資本比率は上昇しています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金の増減を営業・投資・財務活動別に評価できる資料はありません。会社は年間配当を維持する一方、当四半期に新たな株主還元策は示していません。
通期見通し
木曽路は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期売上高は前期比0.8%増の550億円、営業利益は同9.8%増の32億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同21.5%増の21億円を見込みます。
| 指標 | 2027年3月期予想 | 前期比 | 第1四半期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 550億円 | +0.8% | 119億46百万円 |
| 営業利益 | 32億円 | +9.8% | 2億38百万円の損失 |
| 経常利益 | 32億50百万円 | +11.0% | 2億22百万円の損失 |
| 純利益 | 21億円 | +21.5% | 1億31百万円の損失 |
会社は第1四半期の結果を受けた予想修正を行っていません。主力のしゃぶしゃぶは冬季に需要が高まり、営業利益も第3、第4四半期に偏る傾向があるため、下期に利益を積み上げる計画です。通期予想の達成には、季節需要を取り込むだけでなく、食材費や人件費などの上昇を吸収し、売上増を利益につなげられるかが重要になります。
リスクと課題
外食需要には持ち直しの動きがある一方、コスト上昇と消費者の節約志向が続いています。通期予想の達成に向け、需要の獲得と店舗運営の効率化を両立できるかが焦点です。
- 食材・物流・エネルギー価格: 価格の高止まりが続けば、原価や店舗運営費が膨らみ、利益を押し下げる可能性があります。
- 人材確保と人件費: 採用や人件費の負担が増えるなか、接客品質を保ちながら適切な人員配置を実現できるかが課題です。
- 節約志向と競争: 消費者の選別消費が強まると、来店頻度や客単価に影響する恐れがあります。商品・サービスの付加価値を高め、選ばれる理由をつくる必要があります。
- 季節性と通期予想: 利益が冬季を含む第3、第4四半期に偏る事業構造です。下期の需要が想定を下回れば、据え置いた通期予想の達成が難しくなる可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表直前の終値(2026/8/10)
2,414円
最新終値(2026/10/23)
2,485円+2.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#木曽路#決算#決算分析#四半期決算#外食産業#赤字拡大#しゃぶしゃぶ#焼肉#配当予想
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コメント
第1四半期は売上高の落ち込み自体は小さいものの、販管費の増加が利益を押し下げ、前年より赤字幅が広がりました。売上総利益が前年同期を上回ったことから、売上規模だけでなく、店舗運営費や人件費をどこまで抑えられるかが改善のカギです。
木曽路の強みは、しゃぶしゃぶに加えて慶事・法事や家族の祝い事など、価格だけでは選ばれにくい利用目的を持つことです。冬季に利益が偏るため通期予想の評価には下期を待つ必要がありますが、次の四半期では主力店の需要回復と、焼肉部門の減収に歯止めがかかるかに注目したいところです。
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