株式会社ライフコーポレーション の会社詳細
株式会社ライフコーポレーション
ライフコーポレーション
2026年2月期 通期

ライフコーポレーション・2026年2月期、営業収益8,813億円で過去最高を更新――「ビオラル」好調、増配と次期増益を継続

ライフコーポレーション
増収増益
過去最高益
食品スーパー
ビオラル
ネットスーパー
増配
生産性向上
PB戦略
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

8,813億円

+3.6%

通期予想

9,225億円

進捗率96%

営業利益

260億円

+2.9%

通期予想

270億円

進捗率96%

純利益

188億円

+4.9%

通期予想

190億円

進捗率99%

営業利益率

3.0%

ライフコーポレーションの2026年2月期連結決算は、営業収益が前期比 3.6%増8,813億25百万円 となり、過去最高を更新した。物価高に伴う販売価格の上昇に加え、高付加価値なプライベートブランド「BIO-RAL(ビオラル)」の全国展開やネットスーパー事業の拡充が寄与した。営業利益も 2.9%増260億6百万円 と堅調に推移し、人件費等のコスト増を生産性向上で吸収。同社は株主還元の強化として実質増配を決定し、「同質化競争からの脱却」に向けた戦略的投資を加速させる方針だ。

業績のポイント

2026年2月期の業績は、主要なすべての指標で前期を上回る結果となった。売上高は 8,485億70百万円(前期比 +3.6%)、営業利益は 260億6百万円(同 +2.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は 188億22百万円(同 +4.9%)を記録した。継続的な物価上昇が消費マインドに影響を与える中、既存店の改装による惣菜・冷凍食品コーナーの拡充や、健康志向に応える商品施策が実を結んだ(前年比売上増)。

利益面では、賃上げを含む「人への投資」やキャッシュレス決済手数料、システム関連費用といった物件費が増加した(販管費増)。しかし、全社で推進する「カイゼンの輪をつなぐ活動」により、現場の作業効率化と生産性向上が進展。コスト上昇分を増収効果とオペレーションの改善で補い、営業利益率は 3.0% を維持した。激化するスーパー業界の競争下で、「価格以外の価値」を提供し続ける経営姿勢が安定した収益力に繋がっている。

指標2025年2月期(前期)2026年2月期(当期)前期比
営業収益8,504億円8,813億円+3.6%
営業利益252億円260億円+2.9%
経常利益262億円270億円+3.3%
当期純利益179億円188億円+4.9%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

主力の小売事業は、営業収益 8,809億44百万円(前期比 +3.6%)、セグメント利益 266億25百万円(同 +3.1%)と好調を維持した。部門別の動きを見ると、特に生鮮食品部門が 3.7%増、一般食品部門が 4.6%増 と全体の伸びを牽引。一方で、生活関連用品は 0.7%減、衣料品は 0.3%減 と微減となったが、食品を中心とした「食のライフ」への集中戦略が明確に表れる結果となった。

戦略の柱であるナチュラルスーパー「BIO-RAL(ビオラル)」事業は、当期に3店舗を新設したほか、Amazon上での全国販売を開始するなど、店舗網と販売チャネルの両面で拡大した。また、ネットスーパー事業も拠点スペース不足を解消すべく、2027年秋の「センター出荷型ネットスーパー」の稼働に向けた準備を推進。従来の店舗出荷型ではカバーしきれなかったエリアへの展開を可能にし、さらなる顧客層の獲得を目指している。

部門名(小売事業)売上高前期比
生鮮食品部門3,732億円+3.7%
一般食品部門3,836億円+4.6%
生活関連用品部門688億円△0.7%
衣料品部門227億円△0.3%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
小売事業8,809億円100%266億円3.0%
その他(クレジットカード等)29億円0%4億円15.1%

財務状況と資本政策

当連結会計年度末の総資産は、前期末比292億円増の 3,352億46百万円 となった。新規出店や既存店改装に加え、キャッシュレス決済の拡大に伴う売掛金の増加や、有価証券の取得が資産を押し上げた。自己資本比率は 46.4%(前期は 45.2%)と、健全な財務基盤を維持している。

キャッシュフロー(CF)面では、営業活動によるCFが 744億77百万円 と前期(223億円)から大幅に増加した。これは税引前利益の計上に加え、仕入債務の増加などが寄与したためだ。投資活動では店舗投資等に 112億円 を投じ、財務活動では借入金の返済や 56億円 の配当支払いにより 450億円 の支出となった。

株主還元については、2025年3月付の株式分割(1株→2株)を考慮した実質ベースでの増配を継続している。当期の年間配当は1株当たり 65.5円 とし、次期(2027年2月期)はさらなる増配となる年間 70円 を予想。配当性向 30% を目安としつつ、DOE(株主資本配当率)3% 水準での「安定的かつ継続的な還元」を経営方針として明文化している。

リスクと課題

同社は今後のリスク要因として、以下の項目を挙げている。

  • 深刻な人手不足と人件費の高騰: 継続的な賃上げや採用競争の激化により、営業費用の増加圧力が強まっている。これに対し、DX投資や自動化による生産性向上が不可欠となっている。
  • 競争環境の変化: 従来のスーパー同士の競争に加え、食品を強化するドラッグストアや、ネット通販大手との垣根を越えた「業態を超えたシェア争い」が激化している。
  • 物流2024年問題への対応: 2027年秋稼働予定の物流センターなど、物流網の再構築と効率化が持続的な成長の鍵となる。
  • 消費行動の変化: 物価高による節約志向の高まりに対し、いかにPB商品の魅力向上と「買いやすさ」を両立させるかが課題となっている。

通期見通し

2027年2月期の連結業績予想は、営業収益 9,225億円(前期比 4.7%増)、営業利益 270億円(同 3.8%増)と、引き続き増収増益を見込む。第七次中期経営計画の最終年度として、「人財・生産性」「稼ぐ力」「新ライフ」の3つの社内プロジェクトを始動。既存のスーパーの枠に収まらない新エリア・新業態の検討を進め、持続的な成長の基盤を固める方針だ。

項目2026年2月期(当期実績)2027年2月期(次期予想)変化率
営業収益8,813億円9,225億円+4.7%
営業利益260億円270億円+3.8%
当期純利益188億円190億円+0.9%
AIアナリストの視点

ライフコーポレーションの決算で特筆すべきは、単なる物価高による「インフレ増収」に留まらず、PB(ビオラル)やネットスーパーといった「次世代の収益柱」を着実に育て上げている点です。

特にAmazonとの提携を通じた「ビオラル」の全国展開は、店舗網に縛られない成長可能性を示唆しており、地方在住者へのブランド浸透も期待できます。また、2027年秋に予定されているセンター出荷型ネットスーパーへのシフトは、これまで店舗側の負荷となっていたピックアップ作業を効率化し、収益性を一段高める「攻め」の投資と言えます。

一方で、就活生や投資家が注目すべきは、大幅な賃上げを断行しながらも、「カイゼンの輪」と称する現場主導の効率化で利益率を維持している企業文化です。小売業の中でも、戦略と現場の実行力が非常に高い次元で噛み合っている印象を受けます。今後は、ドラッグストアとの競争がさらに激化する中で、高付加価値戦略をどこまで一般顧客層に広げられるかが焦点となるでしょう。