マニー、2026年8月期通期決算、円安と中国回復で過去最高業績

マニーの2026年8月期決算を分析すると、売上高は前期比10.2%増の330億18百万円、営業利益は21.4%増の99億43百万円、純利益は55.9%増の72億37百万円となり、連結業績は過去最高を更新しました。円安に加え、中国で歯科用ダイヤバーの販売を再開したことや、アジアでの販売増が業績を押し上げました。2027年8月期も増収増益を見込み、年間配当は1円増の42円を予定しています。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 330億円 | +10.2% | 365億円 |
| 営業利益 | 99億円 | +21.4% | 108億円 |
| 純利益 | 72億円 | +55.9% | 76億円 |
| 営業利益率 | 30.1% | ||
この決算のポイント
- 1連結売上高は前期比10.2%増の330億18百万円、営業利益は21.4%増の99億43百万円
- 2純利益は前期比55.9%増の72億37百万円、1株利益は47.14円から73.47円に上昇
- 3中国で歯科用ダイヤバーの販売を再開し、回収前売上高の約9割まで回復
- 42027年8月期は売上高365億円、営業利益108億円を予想し、年間配当42円を計画
- 5営業キャッシュフローは118億44百万円、期末の現金・現金同等物は256億77百万円
業績のポイント
マニー(マニー株式会社)は2026年8月期に増収増益となり、連結業績は過去最高を更新しました。売上高は前期比10.2%増、営業利益は21.4%増、親会社株主に帰属する純利益は55.9%増でした。営業利益率も前期の約27.3%から30.1%に上昇しています。
- 海外販売: 円安が海外売上高を押し上げ、歯科関連製品の増収に寄与しました。
- 中国販売: 販売を再開した歯科用ダイヤバーが想定以上に回復し、回収前売上高の約9割まで戻りました。
- アジア市場: 中国、タイ、インドなどで眼科針関連製品の出荷が増えました。
- 利益面: 売上高と売上総利益の増加に加え、前期に計上した決算賞与の影響がなくなり、営業利益が大きく伸びました。
- 純利益: 円安による為替差益も経常利益を押し上げました。高根沢工場の閉鎖などに伴う減損損失は特別損失として計上しています。
円安と中国回復が最高業績を後押しした決算です。売上拡大が販管費の増加を吸収し、営業利益率も改善しました。中国での販売回復が計画より早く進んだ一方、為替や地域ごとの販売環境が業績を左右する構造は続いています。
セグメント別動向
3つの報告セグメントはいずれも増収となり、歯科関連製品を中心に利益が伸びました。特に中国での歯科用ダイヤバー販売再開と、アジア地域の眼科針出荷増が全体の成長を支えています。
サージカル関連製品は、白内障手術で使う眼科ナイフなどが欧州と北米で好調でした。一方、中国では医療政策に伴う市場環境の変化や販売代理店の在庫調整が続き、売上は弱含みでした。値上げなどで売上総利益率が改善し、セグメント利益は増加しました。
眼科針関連製品は、中国、タイ、インドなどアジアで出荷が増え、増収増益となりました。中国では複数の省で政府調達契約を獲得し、2026年8月期下期から出荷が増加しています。タイやインドでも新規採用が進み、高品質製品への評価が販売につながりました。
デンタル関連製品は、中国で歯科用ダイヤバーの販売を再開したことや、インドでの販売好調を受けて増収となりました。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY(MMG)では、北米の大口顧客向けOEM製品が堅調だった一方、欧州の大口顧客向け販売は低調でした。MMGは自社ブランド品の拡販や欧州の販売拠点強化を進め、収益改善を目指しています。
通期見通し
2027年8月期も増収増益を見込みます。売上高は前期比10.5%増の365億円、営業利益は8.6%増の108億円、親会社株主に帰属する純利益は5.0%増の76億円を計画しています。
| 項目 | 2026年8月期実績 | 2027年8月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 33,018 | 36,500 | +10.5% |
| 営業利益(百万円) | 9,943 | 10,800 | +8.6% |
| 経常利益(百万円) | 10,554 | 10,900 | +3.3% |
| 純利益(百万円) | 7,237 | 7,600 | +5.0% |
| 1株利益(円) | 73.47 | 77.17 | +5.0% |
会社は眼科ナイフの日本・欧州でのシェア拡大、中国での流通在庫正常化やアジアでの販売増を見込みます。眼科針では中国の調達契約や東南アジア向け出荷、デンタルでは新製品や中国での販売再開が成長材料です。一方、花岡工場の本格稼働に伴う減価償却費の増加や、米国・インドの販売体制強化などの費用を見込み、原価低減活動で利益率を維持する方針です。
財務状況と資本政策
利益の積み上がりなどを背景に純資産が増え、自己資本比率は高水準を保っています。営業活動で得た資金は前年を上回り、期末の現金・現金同等物も増加しました。
| 項目 | 2025年8月期末 | 2026年8月期末 | 前年比・増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 57,987 | 65,087 | +7,100 |
| 純資産(百万円) | 53,561 | 58,986 | +5,425 |
| 自己資本比率 | 92.4% | 90.6% | -1.8ポイント |
| 営業キャッシュフロー(百万円) | 7,017 | 11,844 | +68.8% |
| 現金・現金同等物(百万円) | 17,401 | 25,677 | +8,276 |
- 投資キャッシュフロー: 8億55百万円の支出となり、前期の71億54百万円の支出から縮小しました。花岡工場の建設完了で有形固定資産の取得支出が減ったことなどが背景です。
- 配当: 2026年8月期は中間17円、期末24円の年間41円で、前期の年間39円から2円増配しました。2027年8月期は中間18円、期末24円の年間42円を予定しています。
自己資本比率は前期末から低下したものの、90%を超える水準です。会社は中期経営計画に基づく財務運営と安定的な増配を掲げ、利益成長と株主還元を両立させる方針です。
戦略トピック
中国での歯科用ダイヤバー販売再開は、2026年8月期の業績回復を支えた重要な動きです。自主回収を経て規制当局の承認を得た後、中国の販売子会社や代理店が営業活動を強め、当初の回復目標を前倒しで達成しました。
- 中国販売の再開: 注文が複数の顧客から戻り、対象製品の売上高は回収前の約9割まで回復しました。
- 新製品開発: 新たな開発プロジェクトを立ち上げ、次世代の主力製品づくりを進めています。根管追従性を特徴とするファイル製品「JIZAI」などの海外展開も計画しています。
- MMGの立て直し: OEM取引先を選別し、自社ブランド製品への転換を進めるほか、歯科関連製品の欧州販売拠点としての機能を強めます。
- 外部連携: スイスの歯科医療機器会社Odneと資本業務提携を結び、根管治療の製品領域拡大や日本での独占販売を目指します。
中国での販売回復が進む一方、同社は成長の軸を既存製品の回復だけに置かず、研究開発や自社ブランドの拡大にも広げています。中期的には、新製品の販売立ち上がりと欧州での販売網強化が、成長の持続性を見極める材料になります。
リスクと課題
海外売上高の比率が高く、為替や各国の販売環境の変化が業績に影響します。中国の販売回復やドイツ子会社の再建を、継続的な利益成長につなげられるかが焦点です。
- 為替変動: 海外売上高の比率が高く、円高は業績の押し下げ要因となります。会社は為替変動を見込んで計画を立てる一方、製造コストの一部が米ドル連動であることなどで影響を和らげています。
- 中国市場: 医療政策や販売代理店の在庫調整が眼科ナイフの販売に影響しました。ダイヤバーの再開後も、販売回復の持続性や規制・市場環境の変化を見守る必要があります。
- MMGの収益改善: 欧州の大口顧客向けOEM販売が低調です。顧客構成の見直しや自社ブランド製品の拡販が計画どおり進まなければ、立て直しに時間がかかる可能性があります。
- 成長投資と費用増: 花岡工場の稼働に伴う減価償却費や、海外販売・薬事体制の強化費用が増える見通しです。売上成長や原価低減が遅れれば、利益率を圧迫するおそれがあります。
会社は需要の増加とコスト管理で利益成長を目指していますが、地域別の販売状況や投資負担の進捗が計画達成の鍵となります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/28)
1,468円
最新終値(2026/10/23)
1,534円+4.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#マニー#決算#決算分析#通期決算#医療機器#歯科用ダイヤバー#中国市場#増配#海外展開
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コメント
最高業績の背景には、円安だけでなく中国での販売再開やアジアの出荷増があり、複数の成長要因が重なっています。営業利益率も上がっており、売上の拡大が利益に結びついた点は評価できます。
一方で、次期の利益成長率は売上成長率を下回る計画です。工場稼働や海外販売体制の強化に伴う費用が増えるため、投資を将来の売上と利益に結びつけられるかを確認したいところです。中国の回復が続くか、MMGの改革が欧州で成果を出すかが、今後の注目点です。
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マニー株式会社
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