ミライト、2027年3月期第1四半期決算、増収で営業利益2.7倍に拡大

ミライトの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比7.1%増、営業利益が172.9%増となり、親会社株主に帰属する純利益も前年の赤字から黒字に転じました。データセンター関連工事や通信工事が売上を押し上げ、採算も改善しました。受注高は前年同期比1.3%減で、通期予想は据え置きです。増収と大幅な利益回復が進む一方、受注の伸びは一服しました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,300億円 | +7.1% | 6,600億円 | 20% |
| 営業利益 | 28億円 | +172.9% | 400億円 | 7% |
| 純利益 | 19億円 | — | 255億円 | 7% |
| 営業利益率 | 2.2% | |||
この決算のポイント
- 1売上高は1,300億円で前年同期比7.1%増、営業利益は28億円に拡大
- 2親会社株主に帰属する純利益は18億円となり、前年同期の13億円の赤字から黒字転換
- 3受注高は1,624億円で前年同期比1.3%減、売上高の伸びとは対照的な動き
- 4自己株式を29億円取得し、年間配当予想は前期比10円増の95円
- 5通期予想は売上高6,600億円、営業利益400億円で、5月公表値から変更なし
業績のポイント
ミライト(ミライト・ワン)の2027年3月期第1四半期は、売上高が1,300億3,300万円(前年同期比7.1%増)、営業利益が28億400万円(同172.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が18億5,700万円となりました。前年同期は同利益が13億1,100万円の赤字で、黒字転換です。経常利益も33億4,400万円(同156.6%増)に増えました。
主な事業の動きは次の通りです。
- データセンター関連: 環境・社会イノベーション事業で受注・売上が増加し、ICTソリューション事業でも受注・売上が伸びました。生成AIの利用拡大や通信トラフィックの増加を背景に、データセンター需要が急速に広がっています。
- 通信工事: NTT事業ではアクセス工事・モバイル工事の受注と売上が増加しました。マルチキャリア事業も受注は減った一方、繰越工事の完成を進めたことで売上高は増加しました。
- 建築・リノベーション: 前年度に獲得した大型受注や大型完成工事の反動で、環境・社会イノベーション事業の受注・売上は減少しました。
- 受注動向: 受注高は1,624億5,000万円(同1.3%減)でした。売上高は増えたものの、受注は大型案件の反動減などを受けて前年を下回っています。
営業利益は前年同期から17億7,700万円増え、売上高の増加を上回る伸びとなりました。前年同期は営業利益が10億2,700万円にとどまっており、当期はデータセンター関連工事や通信工事の売上拡大に加え、前年の低い利益水準からの回復が大幅増益率につながっています。会社は、データセンター需要の取り込みや、グループ各社の連携による利益成長を今後の重点に掲げています。
セグメント別動向
連結ベースでは増収となりましたが、各報告セグメントの売上・利益の動きには差がありました。以下は、短信に記載された各社の外部顧客向け売上高の前年同期比と、セグメント利益の前年同期からの増減額です。
| 報告セグメント | 売上高前年比 | 利益前年差(百万円) |
|---|---|---|
| ミライト・ワン | +7.7% | +1,371 |
| ラントロビジョン | +39.7% | +552 |
| TTK | +13.4% | -137 |
| ソルコム | +8.3% | +299 |
| 四国通建 | +1.8% | -82 |
| 西武建設 | -7.8% | +56 |
| ミライト・ワン・システムズ | -6.4% | -95 |
| 国際航業 | +0.9% | -269 |
ミライト・ワンは売上高が679億円、セグメント利益が19億8,200万円となり、利益は前年同期から大きく増えました。ラントロビジョンは売上高が115億円で、8社の中で最も高い増収率でした。西武建設は大型工事の反動などを受けて減収でしたが、セグメント損失は前年同期より縮小しました。
事業分野別では、データセンター関連が環境・社会イノベーション事業とICTソリューション事業の双方を支え、NTT事業も通信工事の増加が追い風となりました。一方、建築・リノベーション工事の反動減や、セグメントごとの利益のばらつきも残ります。会社が掲げるグループ連携の強化が、各事業の成長を利益に結び付けられるかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ミライト・ワン | 679億円 | 52% | 20億円 | 2.9% |
| ラントロビジョン | 115億円 | 9% | 9億円 | 7.8% |
| TTK | 97億円 | 8% | 2億円 | 2.0% |
| ソルコム | 81億円 | 6% | -11百万円 | -0.1% |
| 四国通建 | 41億円 | 3% | -26百万円 | -0.6% |
| 西武建設 | 119億円 | 9% | -283百万円 | -2.4% |
| ミライト・ワン・システムズ | 62億円 | 5% | 2億円 | 3.6% |
| 国際航業 | 106億円 | 8% | -208百万円 | -2.0% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は5,077億6,800万円で、2026年3月末から656億2,500万円減少しました。自己資本比率は54.3%と、前期末の48.7%から上昇しています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの数値は開示されていません。
| 項目 | 2027年3月期1Q・予想 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 5,077億6,800万円 | 前期末比656億2,500万円減 |
| 自己資本比率 | 54.3% | 前期末48.7% |
| 年間配当予想 | 95円 | 前期実績85円 |
| 中間・期末配当予想 | 45円・50円 | 前期実績40円・45円 |
| 自己株式取得 | 29億1,700万円 | 749,700株を取得 |
総資産の減少は、完成工事未収入金などの減少が主因です。負債も短期借入金の返済や工事未払金の減少などにより、前期末から619億5,600万円減少しました。純資産は利益計上があった一方、配当支払いと自己株式取得により36億6,800万円減少しており、財務の引き締めと株主還元を並行して進めた形です。
年間配当予想は前期実績より10円増の95円で、配当予想の修正はありません。自己株式の取得は5月12日の取締役会決議に基づくもので、株主還元の強化につながります。
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。売上高6,600億円、営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益255億円を見込み、いずれも前期比で増加する計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(前年比から概算) | 今回予想の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 660,000 | 660,000 | 約602,190 | +9.6% |
| 営業利益(百万円) | 40,000 | 40,000 | 約34,277 | +16.7% |
| 純利益(百万円) | 25,500 | 25,500 | 約23,288 | +9.5% |
前回予想と今回予想は、5月12日の公表値から変更ありません。前期実績は短信記載の前年比から計算した概算で、前年比が小数点以下1桁に丸められているため、実際の実績額と差が生じる場合があります。
第1四半期は営業利益が前年同期を大きく上回りましたが、受注高は前年割れで、通期計画の達成には今後の受注と工事の進捗が重要です。会社はデータセンター関連事業の強化に加え、次期中期経営計画への橋渡し期間として、グループ資源の効率活用や利益成長を進める方針です。
戦略トピック
ミライトは、2030年に向けた事業ビジョン「MIRAIT ONE Group Vision 2030」と、2026年度を最終年度とする第5次中期経営計画を推進しています。2026年度を次期中期経営計画への「ブリッジ・イヤー」と位置付け、グループの連携を通じて付加価値と利益の拡大を目指します。
- 成長分野の拡大: 「みらいドメイン」として、街づくり・里づくり、企業DX・GX、グリーンエネルギー、ソフトウェア、グローバル事業を挙げています。
- データセンター関連の強化: 生成AIと通信量の増加で高まる需要を取り込み、データセンター工事の受注・売上拡大を図ります。
- グループ連携の深化: 西武建設、国際航業との事業シナジー拡大や、顧客・技術・人材を軸にした連携を進めます。
- 運用・保守の事業拡大: デジタル技術を活用したO&M事業や、先端技術の社会実装にも取り組みます。
今回の決算では、データセンター関連工事の受注・売上増が成長戦略の具体的な成果として表れました。今後は成長領域の売上を積み上げるだけでなく、グループ内の人材や技術を組み合わせ、利益率の改善につなげられるかがポイントです。
リスクと課題
第1四半期は利益が大きく回復しましたが、受注高は前年を下回り、事業分野や報告セグメントによって売上・利益の方向も異なります。会社が挙げる外部環境や、工事案件の動向を注視する必要があります。
- 地政学・金融市場の変動: 不安定な中東情勢や金融資本市場の変動が続いており、経済環境の変化が事業活動に影響する可能性があります。
- 大型工事の反動: 前年度に獲得した大型受注や大型完成工事の反動で、建築・リノベーション工事は受注・売上が減少しました。大型案件の有無によって、四半期ごとの業績が振れやすい点に注意が必要です。
- 受注の確保と工事進捗: 受注高は前年同期比1.3%減でした。通期計画の達成には、新たな案件の獲得と繰越工事の着実な完成が求められます。
- 利益のセグメント差: 一部セグメントでは減益や損失が続いています。データセンターなどの成長分野を取り込みながら、事業間の利益格差を縮められるかが課題です。
通期予想は据え置かれていますが、会社自身も、将来の業績はさまざまな要因によって予想と大きく異なる可能性があると説明しています。受注の回復と利益成長が続くかを、次の四半期以降に確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
3,500円
最新終値(2026/10/23)
3,319円-5.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ミライト#決算#決算分析#四半期決算#データセンター#通信工事#増収増益#自己株式取得#配当増額
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コメント
前年同期の営業利益が低かったこともあり、利益の伸び率だけで業績の勢いを判断するのは早計です。それでも、データセンター関連工事や通信工事が売上を押し上げ、純利益も黒字に戻った点は前向きな材料です。
注目したいのは、増収の一方で受注高が前年を下回ったことです。成長分野の需要を、継続的な受注と利益に変えられるかが通期計画の実現度を左右します。自己株式取得や増配による還元と、将来の成長投資をどう両立するかも見どころです。
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