
関電工、2027年3月期第1四半期決算、営業利益13%増も売上4.5%減
売上高
1,580億円
-4.5%
通期予想
7,800億円
営業利益
197億円
+12.8%
通期予想
900億円
純利益
132億円
+4.2%
通期予想
650億円
営業利益率
12.5%
関電工が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比4.5%減の1,580億4,300万円と減収だったが、営業利益は12.8%増の197億1,900万円と増益を確保した。新規受注高は11.2%増と好調で、通期では増収増益を見込む。利益率改善で営業増益を達成し、株主還元では配当の増額予想を発表した。
業績のポイント
関電工(株式会社関電工)の2027年3月期第1四半期連結決算は、完成工事高が前年同期比4.5%減の1,580億4,300万円となった。一方、営業利益は12.8%増の197億1,900万円、経常利益は12.5%増の205億3,700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.2%増の131億8,500万円と、いずれも増益を達成した。
売上高が減少した主因は、大型工事の完成時期がずれ込んだことによるものとみられるが、原価率の改善により完成工事総利益率は前年同期の15.2%から18.1%に上昇し、増益につながった。販管費はやや増加したものの、利益率の改善が上回った。
新規受注高は2,462億4,900万円(前年同期比11.2%増)と堅調で、将来の工事高回復への期待が持てる内容だった。通期業績予想は据え置かれ、売上高7,800億円(前期比5.1%増)、営業利益900億円(同8.3%増)、純利益650億円(同2.3%増)とした。
業績推移(通期)
セグメント別動向
関電工の事業は、設備工事業が売上高の大半を占め、その他に電気機器販売や不動産事業などが含まれる。
設備工事業の外部顧客への売上高は1,558億3,400万円(前年同期比4.5%減)だったが、セグメント利益は189億5,200万円(同11.9%増)と好調。工事採算の改善が顕著で、セグメント利益率は前年同期の10.4%から12.2%に向上した。大型案件の進捗により粗利率が改善したことが背景とみられる。
その他事業の外部売上高は22億900万円(前年同期比9.5%減)と減少したが、セグメント利益は7億3,100万円(同18.2%増)と伸びた。不動産賃貸など安定収益事業の利益寄与が大きかった。
セグメント別売上高・利益の比較は以下の通り。
| セグメント | 売上高(百万円) | 前年同期比 | セグメント利益(百万円) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 設備工事業 | 155,834 | △4.5% | 18,952 | 12.2% |
| その他 | 2,209 | △9.5% | 731 | 33.1% |
| 合計(調整後) | 158,043 | △4.5% | 19,719 | 12.5% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 設備工事業 | 1,558億円 | 99% | 190億円 | 12.2% |
| その他 | 22億円 | 1% | 7億円 | 33.1% |
財務状況と資本政策
当第1四半期末の総資産は5,977億800万円(前期末比379億900万円減)。流動資産では、受取手形・完成工事未収入金等が635億5,800万円減少した一方、有価証券が159億4,400万円増加した。負債合計は1,966億1,100万円で、支払手形・工事未払金等が341億5,500万円減少したことが主因。自己資本比率は64.5%(前期末比3.1ポイント上昇)と財務の健全性が一段と高まった。
キャッシュ・フロー計算書は四半期では作成されていないが、現金及び預金は812億9,800万円と前期末から増加しており、手元流動性は潤沢だ。
株主還元では、2027年3月期の年間配当を130円(中間65円、期末65円)と前期比6円増配(前期実績124円)を予想している。配当の継続的増額が示され、株主への還元姿勢が明確になった。自社株買いに関する発表は本資料にはない。
リスクと課題
関電工は決算短信で、業績予想の前提として「現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性がある」と開示している。具体的なリスク要因として、以下の点が挙げられる。
- 公共工事や民間設備投資の動向:景気変動や顧客の投資意欲の減退により、受注高や工事の進捗に影響が出る可能性がある。
- 資材価格や労務費の上昇:建設業界全体でコスト上昇圧力が継続しており、原価率の悪化が利益を圧迫するリスクがある。
- 技術者・技能労働者の確保:業界全体の人手不足が深刻化しており、人材確保の成否が事業遂行に直結する。
- 工事損失引当金の計上状況:前年同期比で減少したが、引当金残高が67億600万円存在し、将来の追加損失発生リスクに注意が必要。
こうしたリスクを踏まえつつ、同社は新規受注高の拡大や原価管理の徹底を通じて、収益力の維持・向上を図る方針である。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年4月28日公表値から修正なく据え置かれた。売上高は前期比5.1%増の7,800億円、営業利益は8.3%増の900億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2.3%増の650億円を見込む。第1四半期の進捗率は売上高で20.3%、営業利益で21.9%と、期初想定に沿った順調な滑り出しといえる。
下期に大型工事の完成が集中する一般的な季節性を考慮すれば、通期予想達成は十分射程圏内だ。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 修正有無 | 前期実績(推定) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,800億円 | なし | 約7,420億円 |
| 営業利益 | 900億円 | なし | 約831億円 |
| 当期純利益 | 650億円 | なし | 約635億円 |
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関電工の第1四半期決算は、減収ながらも利益率の改善が目覚ましく、徹底したコスト管理と高採算案件への注力が成果を上げているとみられる。
新規受注高が前年同期比11.2%増と好調な点は、今後の売上回復への布石としてポジティブだ。また、自己資本比率が64.5%と極めて高く、財務の安定性は同業他社と比べても群を抜いている。
一方で、建設業界全体が直面する人手不足や資材価格変動リスクには引き続き注意が必要であり、通期予想の達成には下期の工事進捗が鍵を握る。増配予想は投資家にとって安心材料だが、より積極的な成長投資への情報開示が求められるだろう。
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