業界ダイジェスト
エクシオグループ株式会社 の会社詳細
エクシオグループ株式会社
エクシオグループ
2026年3月期 通期

エクシオグループ・2026年3月期、売上高17%増の7,877億円——DX・データセンター需要が爆発、80円へ大幅増配も発表

増収増益
データセンター
DX支援
配当増額
自社株買い
システムソリューション
都市インフラ
構造改革
生成AI
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

7,877億円

+17.4%

通期予想

7,500億円

進捗率105%

営業利益

520億円

+22.5%

通期予想

560億円

進捗率93%

純利益

310億円

+15.5%

通期予想

355億円

進捗率87%

営業利益率

6.6%

通信建設大手のエクシオグループが13日に発表した2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比 17.4%増7,877億1,500万円、営業利益が同 22.5%増520億1,600万円 となり、大幅な増収増益を達成しました。主力の通信建設が堅調に推移したほか、データセンター構築や生成AI関連のDX支援ビジネスが収益を大きく押し上げました。好調な業績を背景に、次期の年間配当を前期比12円増の 80円 とする方針と、40億円を上限とする 自己株買い の実施も併せて公表しています。

業績のポイント

2026年3月期の連結業績は、売上高・各利益項目ともに二桁成長を記録する力強い結果となりました。売上高は 7,877億1,500万円(前期比 +17.4%)、営業利益は 520億1,600万円(同 +22.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は 310億3,100万円(同 +15.5%)と、主要指標が揃って伸長しました。

この大幅増益の背景には、社会全体のデジタル化進展に伴うインフラ投資の加速があります。従来の通信キャリア向け工事だけでなく、大規模データセンターの構築や、GIGAスクール構想第2期(Next GIGA)に関連した教育ICT需要が、受注・売上の両面で大きく貢献しました。また、プロジェクトの初期段階から参画するコンサルティング型の「DX支援ビジネス」が拡大し、収益構造が高付加価値化していることも利益率の向上(営業利益率 6.6%)に寄与しています。

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

全セグメントにおいて増収増益を達成しており、事業ポートフォリオの多角化が実を結んでいます。特にシステムソリューション事業が売上高でトップシェアとなり、成長の牽引役となりました。

システムソリューション事業は、売上高 2,835億6,600万円(前期比 +41.3%)、セグメント利益 122億100万円(同 +44.7%)と驚異的な伸びを見せました。教育機関向けの端末整備や、自治体・民間企業でのAI活用を含むDX需要を確実に取り込んだことが要因です。

都市インフラ事業も、売上高 2,484億5,500万円(前期比 +14.1%)、セグメント利益 164億7,900万円(同 +27.7%)と好調でした。大規模データセンターの電気工事や、脱炭素社会に向けたEV充電設備、蓄電池設備などの環境・エネルギー関連工事の需要が旺盛でした。

通信キャリア事業については、売上高 2,556億9,300万円(前期比 +1.3%)と微増ながら、セグメント利益は 233億3,400万円(同 +10.5%)と二桁増益を確保しました。業務プロセスの効率化や生産性の向上、アクセス・モバイル一体での事業運営といった構造改革が着実に成果を上げています。

セグメント名売上高前期比セグメント利益前期比
通信キャリア2,556億円+1.3%233億円+10.5%
都市インフラ2,484億円+14.1%164億円+27.7%
システムソリューション2,835億円+41.3%122億円+44.7%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
通信キャリア2,557億円33%233億円9.1%
都市インフラ2,485億円32%165億円6.6%
システムソリューション2,836億円36%122億円4.3%

財務状況と資本政策

総資産は前期末比 486億円 増加し、6,911億5,400万円 となりました。主に事業拡大に伴う完成工事未収入金の増加や、データセンター関連の投資継続が要因です。自己資本比率は 49.5%(前期は 50.0%)と高い水準を維持しており、強固な財務基盤を背景に攻めの経営を続けています。

株主還元については、DOE(自己資本配当率)4.5%を目途とする新たな方針に基づき、次期(2027年3月期)の年間配当を 80円(前期実績68円から12円の増配)とすることを決定しました。また、発行済株式数の約1.0%に相当する 200万株(取得総額 40億円)を上限とする自社株買いの実施も発表。成長投資と株主還元の両立を目指す経営姿勢を鮮明にしています。

通期見通し

2027年3月期の通期見通しについては、特需の反動により売上高は 7,500億円(前期比 4.8%減)を見込むものの、利益面ではさらなる成長を継続する計画です。営業利益は前期比 7.7%増560億円、純利益は同 14.4%増355億円 と、4期連続の営業増益を目指します。

項目2026年3月期実績2027年3月期予想前期比
売上高7,877億円7,500億円△4.8%
営業利益520億円560億円+7.7%
親会社純利益310億円355億円+14.4%

リスクと課題

同社は今後の経営課題として、外部環境の不透明さを挙げています。資材・エネルギー価格の高騰や消費者物価の上昇は、建設コストの増大を招くリスクがあります。また、中東情勢などの地政学リスクがサプライチェーンに及ぼす影響についても注視が必要としています。

国内においては、建設業界全体の課題である人手不足が深刻化しています。同社は人財育成や生成AIを活用した業務効率化、オフショアの活用を加速させることで、労働力不足をカバーしつつ、高い収益性を維持する方針を掲げています。

AIアナリストの視点

今回の決算で特筆すべきは、同社が「通信建設会社」から「社会インフラ・ソリューション企業」への転換を数字で証明した点です。

  • システムソリューションの爆発力: 前期比4割増という成長スピードは、単なる工事請負を超えたDX案件の多さを物語っています。利益率も改善傾向にあり、今後の同社の「顔」となるセグメントです。
  • 株主還元姿勢の強化: DOE 4.5%への引き上げと自社株買いの同時発表は、投資家にとって非常にポジティブなサプライズです。2027年3月期の増益予想と合わせ、資本効率を意識した経営への自信が伺えます。
  • 就活生への視点: 5Gやデータセンター、生成AIといった最先端のITトレンドに、物理的な「工事」と「ソフトウェア」の両面からアプローチできる稀有な存在です。安定した通信インフラを持ちつつ、成長分野へリソースをシフトできている点は、キャリア形成の観点でも非常に魅力的に映ります。