西松、2027年3月期第1四半期決算、受注倍増で営業利益2.3倍、純利益も急伸

西松の2027年3月期第1四半期決算は、国内工事や不動産事業の伸びを受けて増収増益となりました。売上高は前年同期比23.8%増、営業利益は130.8%増、純利益は182.0%増です。国内工事の受注が増え、連結受注高はほぼ倍増しました。一方、海外事業は損失が拡大しており、建設コストの上昇や人手不足も引き続き課題です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,026億円 | +23.8% | 4,400億円 | 23% |
| 営業利益 | 70億円 | +130.8% | 285億円 | 25% |
| 純利益 | 47億円 | +182.0% | 205億円 | 23% |
| 営業利益率 | 6.8% | |||
この決算のポイント
- 1国内・海外工事と不動産事業が伸び、売上高は前年同期比23.8%増の1,026億円
- 2国内工事の完成工事総利益などが増え、営業利益は前年同期比130.8%増
- 3国内工事の受注増を受け、連結受注高は前年同期比99.2%増の904億円
- 4国際事業は建築子会社の損益悪化で、セグメント損失が4億円に拡大
- 5年間配当予想は前期比20円増の250円、業績予想は据え置き
業績のポイント
西松建設は2027年3月期第1四半期に増収増益となり、売上高は前年同期比23.8%増の1,026億円、営業利益は130.8%増の69億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は182.0%増の46億円でした。経常利益も176.1%増の70億円となり、利益が大幅に回復しました。
- 売上の押し上げ: 国内・海外工事の進捗に加え、不動産事業等の売上が増加しました。
- 利益の改善: 国内工事の完成工事総利益と不動産事業等総利益が増え、営業利益を押し上げました。
- 受注の拡大: 建設事業の受注高は前年同期比99.2%増の904億円。主に国内工事の増加が寄与しました。
前年同期は営業利益、経常利益、純利益がいずれも大きく落ち込んでおり、今回はその反動も表れています。受注増は今後の工事量を支える材料ですが、受注した案件を採算を保って施工できるかが、通期の利益を左右します。
セグメント別動向
国内の土木、建築、環境・都市開発が増益となる一方、国際事業は赤字が拡大しました。下表は各セグメントの外部売上高と利益の前年同期比で、売上高の伸びでは環境・都市開発が目立ちます。
| セグメント | 売上高の前年比 | 利益(百万円) | 利益の前年比 |
|---|---|---|---|
| 土木 | +17.8% | 1,745 | +365.8% |
| 建築 | +16.4% | 4,332 | +95.0% |
| 国際 | +48.7% | -401 | 損失拡大 |
| 環境・都市開発 | +114.3% | 1,011 | +98.8% |
土木事業は売上高302億円で、工事が概ね順調に進み、売上増と利益率の改善が増益につながりました。大型官公庁工事の受注もあり、単体の国内土木受注高は前年同期比139.1%増でした。
建築事業は売上高549億円。工事の順調な進捗と利益率改善で増益となり、民間・官公庁の双方で受注が増加しました。
国際事業は売上高が増えたものの、建築子会社の損益悪化により401百万円の損失となりました。環境・都市開発事業は不動産販売の増加が売上と利益を押し上げています。なお、今期からセグメント区分と利益の配賦方法が変更され、前年同期の比較値も変更後の基準で作成されています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 土木事業 | 303億円 | 30% | 17億円 | 5.8% |
| 建築事業 | 550億円 | 54% | 43億円 | 7.9% |
| 国際事業 | 87億円 | 9% | -401百万円 | -4.6% |
| 環境・都市開発事業 | 87億円 | 9% | 10億円 | 11.6% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比5.0%減の6,516億円、自己資本比率は前期末から1.1ポイント上昇して29.5%でした。年間配当は前期の230円から250円へ増やす予想です。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・予想 | 比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 6,516億円 | 前期末比-5.0% |
| 自己資本比率 | 29.5% | 前期末比+1.1ポイント |
| 中間配当予想 | 110円 | 前期中間配当100円 |
| 期末配当予想 | 140円 | 前期末配当130円 |
| 年間配当予想 | 250円 | 前期比+20円、+8.7% |
資産の減少は、受取手形・完成工事未収入金などが減ったことが主因です。負債も前期末から減り、自己資本比率は上昇しました。一方、純資産は配当の支払いなどを受けて前期末比で減少しています。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業キャッシュ・フローの動きはこの短信から確認できません。自社株買いの実施に関する記載もありません。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は変更されていません。通期売上高は前年実績比11.1%増を見込む一方、営業利益は1.7%増、純利益は14.8%減の予想です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 440,000 | 440,000 | 記載なし | +11.1% |
| 営業利益(百万円) | 28,500 | 28,500 | 記載なし | +1.7% |
| 純利益(百万円) | 20,500 | 20,500 | 記載なし | -14.8% |
前回予想は2026年5月12日公表分で、会社は今回の短信で予想を据え置きました。建設投資は官民とも増加傾向にあるものの、労務費や外注費、資機材価格、エネルギーコストなどの上昇リスクを織り込んだ判断です。第1四半期は利益が大きく伸びたものの、四半期実績だけで通期予想の上方修正を判断する段階ではありません。
リスクと課題
会社は建設需要の増加を見込む一方、コストや金融環境の変化など、先行きの不確実性を挙げています。利益の回復を持続させるには、受注量だけでなく、施工時の採算管理が重要です。
- 労務需給の逼迫: 人手不足や賃上げで労務費・外注費が増え、工事採算を圧迫する可能性があります。
- 資機材・エネルギー価格: 原油価格の変動や資機材の供給制約、エネルギーコストの上昇が建設原価を押し上げるおそれがあります。
- 国際情勢と金融市場: 中東情勢や金利上昇、為替を含む金融市場の変動が、事業コストや民間建設投資に影響する可能性があります。
- 海外工事の採算: 国際事業では建築子会社の損益が悪化し、前年同期よりセグメント損失が拡大しました。海外案件の収益改善が課題です。
国内の官民建設投資が増える環境は追い風ですが、コスト上昇分を価格や契約条件に反映できるかが利益確保の焦点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
5,321円
最新終値(2026/10/23)
5,310円-0.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#西松#決算#決算分析#四半期決算#建設業#受注高#増収増益#配当増額#海外事業
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コメント
国内工事の採算改善と受注増が同時に表れた点は、今回の決算の前向きな材料です。受注高がほぼ倍増したことで、先々の工事量を確保する力も示しました。
ただし、利益の伸びには前年同期の落ち込みからの反動も含まれます。国際事業の赤字拡大や建設コスト上昇を踏まえると、今後は受注額の大きさより、工事をどれだけ安定した利益につなげられるかに注目したいです。
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