新晃工業、2027年3月期第1四半期決算、減収減益も受注残は過去最高水準

新晃工業の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比6.4%減の114億45百万円、営業利益が29.1%減の11億75百万円となり、減収減益でした。機器販売の伸び悩みに加え、人件費や物流費の増加が利益を押し下げました。一方、受注残高は過去最高水準で、会社は通期予想を据え置き、下期の出荷と収益化を目指します。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 114億円 | -6.4% | 630億円 | 18% |
| 営業利益 | 12億円 | -29.1% | 100億円 | 12% |
| 純利益 | 11億円 | -18.3% | 72億円 | 15% |
| 営業利益率 | 10.3% | |||
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比29.1%減の11億75百万円、営業利益率は10.3%に低下
- 2日本セグメントは機器販売の伸び悩みで売上高4.9%減、営業利益21.9%減
- 3アジアは中国の販売減と価格競争で営業損失が1億67百万円に拡大
- 4受注残高は654億61百万円で前年同期末比3.3%増、過去最高水準
- 5通期予想は売上高630億円、営業利益100億円で据え置き、年間配当予想は50円
業績のポイント
新晃工業(新晃工業)の第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%減の114億45百万円、営業利益が29.1%減の11億75百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が18.3%減の10億72百万円でした。営業利益率は前年同期の13.6%から10.3%に低下しました。
- 売上高: 6.4%減。セントラル空調機器の販売が伸び悩み、国内の機器出荷も前年同期を下回りました。
- 営業利益: 29.1%減。減収に加え、人件費・物流費など販売費及び一般管理費が増加しました。
- 経常利益: 19.9%減の15億35百万円。受取配当金など営業外収益は増えましたが、営業減益を補えませんでした。
販売の停滞と費用増が利益を圧迫した一方、受注残高は654億61百万円と前年同期末の633億40百万円から3.3%増え、過去最高水準となりました。大型再開発、産業空調、データセンター向け需要は底堅いものの、建設業の供給制約で機器販売の立ち上がりが遅れています。受注を出荷につなげられるかが、今後の業績回復を左右します。
セグメント別動向
日本は売上高が前年同期比4.9%減の104億60百万円、営業利益が21.9%減の13億36百万円でした。セントラル空調市場全体で機器出荷台数が前年同期を下回り、同社も空調機器の販売が伸び悩みました。機器販売の減収に加え、人件費や物流費の増加も利益を押し下げています。
アジアは売上高が19.6%減の10億1百万円、営業損失が1億67百万円でした。前年同期の営業損失は60百万円で、赤字幅が拡大しています。中国では景況感の悪化と不動産市場の停滞が続き、販売量が減少したうえ、価格競争も厳しい状況です。
| セグメント | 売上高の前年比 | 営業利益の前年比 |
|---|---|---|
| 日本 | -4.9% | -21.9% |
| アジア | -19.6% | 赤字幅が拡大 |
日本はビル空調や産業空調、データセンター向け需要が堅調で、会社は受注残を第2四半期以降の出荷につなげる方針です。アジアでは中国市場の停滞を構造的な課題と捉え、原価低減と販売戦略の差別化による利益改善を進めます。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 105億円 | 91% | 13億円 | 12.8% |
| アジア | 10億円 | 9% | -167百万円 | -16.7% |
通期見通し
新晃工業は2027年3月期の第2四半期累計・通期連結業績予想を据え置きました。第1四半期の業績は会社計画におおむね沿っており、過去最高水準の受注残を背景に、今後の出荷と収益への転換を見込んでいます。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比の会社予想 |
|---|---|---|---|
| 第2四半期累計売上高(百万円) | 25,000 | 25,000 | -3.4% |
| 第2四半期累計営業利益(百万円) | 2,800 | 2,800 | -21.7% |
| 通期売上高(百万円) | 63,000 | 63,000 | +6.2% |
| 通期営業利益(百万円) | 10,000 | 10,000 | +5.9% |
| 通期純利益(百万円) | 7,200 | 7,200 | +5.5% |
会社は国内のビル空調・産業空調やデータセンター関連の需要を見込み、第2四半期以降に受注残の出荷を進める考えです。販売価格へのコスト転嫁やターゲット市場への営業強化も続けます。アジアについては中国市場の回復に頼らず、原価低減と差別化で採算改善を目指す方針です。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比17億8百万円増の949億96百万円、自己資本比率は68.9%で、前期末の67.9%から上昇しました。現金及び預金は前期末比2億72百万円増の176億97百万円です。
| 項目 | 2026年6月末・第1四半期 | 前期末比・前期比 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 94,996 | +1,708 |
| 純資産(百万円) | 68,953 | +2,106 |
| 自己資本比率 | 68.9% | +1.0ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 17,697 | +272 |
| 年間配当予想(円) | 50 | 前期実績と同額 |
純資産は四半期純利益の計上やその他有価証券評価差額金の増加などで増えました。一方、剰余金の配当20億42百万円を実施しています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの実績は開示されていません。配当予想は中間20円、期末30円の年間50円で、短信に自社株買いの発表はありません。
リスクと課題
会社は国内需要の底堅さと高水準の受注残を見込む一方、案件の工期や出荷時期がずれる可能性にも注意を促しています。利益回復には、受注の売上化とコスト上昇への対応が欠かせません。
- 建設市場の工期長期化: 建設業の働き方改革や建設費の高騰により、工事の長期化や投資計画の見直しが起きると、機器の出荷・売上計上が遅れる恐れがあります。
- 供給制約と受注の売上化: 第1四半期は供給制約を背景に機器販売の立ち上がりが遅れました。受注残が大きくても、計画どおりに出荷できなければ通期予想の達成に影響します。
- 中国市場の停滞と価格競争: 中国の景況感悪化と不動産市場の停滞は構造的と会社は認識しています。販売量の回復が遅れ、価格競争が続けば、アジア事業の赤字が長引く可能性があります。
- 人件費・物流費の上昇: 国内では費用増が営業利益を押し下げました。価格転嫁や生産プロセスの改善が進まない場合、売上回復が利益回復に結びつきにくくなります。
中東情勢の緊迫化など外部環境の不透明さも残ります。受注の規模だけでなく、納期どおりの出荷と採算確保を両立できるかが焦点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/17)
1,237円
最新終値(2026/10/23)
1,208円-2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#新晃工業#決算#決算分析#四半期決算#空調設備#データセンター需要#受注残高#中国市場#配当
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コメント
受注残が過去最高水準にある点は、足元の減収減益だけでは測れない回復余地を示しています。ただし、受注残は出荷されて初めて売上と利益になるため、供給制約や工期の遅れが続けば期待どおりの業績回復につながらない可能性があります。
国内の需要を取り込みながら、中国事業の赤字をどこまで抑えられるかが注目点です。次の四半期では、受注残の消化状況と日本セグメントの利益率が、通期予想の確度を見極める材料になります。
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