東京競馬、2026年12月期第2四半期決算、SPAT4伸長で増収増益
東京競馬の2026年12月期第2四半期決算を分析すると、2026年1〜6月はSPAT4の売上増などを背景に増収増益となった。売上高は前年同期比2.7%増の198億24百万円、営業利益は同3.9%増の73億57百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同2.4%増の49億40百万円。通期予想は据え置き、年間配当予想は前期比28円増の146円としている。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 198億円 | +2.7% | 426億円 | 47% |
| 営業利益 | 74億円 | +3.9% | 158億円 | 46% |
| 純利益 | 49億円 | +2.4% | 108億円 | 46% |
| 営業利益率 | 37.1% | |||
この決算のポイント
- 1地方競馬のネット投票サービスSPAT4の売上増などで、売上高は前年同期比2.7%増。
- 2営業利益は同3.9%増の73億57百万円、中間純利益は同2.4%増。
- 3倉庫賃貸は習志野茜浜2号倉庫などが稼働し、売上高・利益とも前年同期を上回った。
- 4東京サマーランドなどの遊園地事業は利用者減や賃貸料収入の減少で、赤字が拡大。
- 5年間配当予想は前期の118円から146円に増額。通期業績予想は前回公表から変更なし。
業績のポイント
東京競馬(東京都競馬)の2026年1〜6月は、売上高が前年同期比2.7%増、営業利益が3.9%増、親会社株主に帰属する中間純利益が2.4%増となった。SPAT4が伸び、増収増益を確保した一方、利益の伸びは売上高の伸びを上回るものの、純利益の増加率は営業利益より小幅にとどまった。
- 公営競技の追い風: 地方競馬の総入場者数と勝馬投票券の総売上が前年同期を上回り、SPAT4の売上増にもつながった。
- 大井競馬場の改善: 指定席に電源やUSBポートを設ける改修を進め、利用促進と顧客満足度の向上を図った。
- サービスの使いやすさ向上: SPAT4はサービス開始30周年を迎え、公式アプリにまとめて投票する機能などを追加した。
- 利益を支えた要素: 倉庫賃貸の稼働が堅調で、サービス事業では主要工事のコスト削減も進んだ。
会社は中東情勢の業績への影響を現時点で軽微としつつ、経済の先行きには不透明感が残ると説明している。今回の決算では、主力の公営競技事業が安定した収益を生み、倉庫賃貸やサービス事業も利益を積み上げた。一方、遊園地事業の弱さが続いており、主力事業の堅調さを他事業の回復につなげられるかが注目点となる。
セグメント別動向
売上の中心である公営競技事業が堅調に伸び、倉庫賃貸とサービスも増収となった。一方、遊園地事業は減収で、営業損失も前年同期より拡大した。
| セグメント | 売上高の前年同期比 | 利益の前年同期比 |
|---|---|---|
| 公営競技事業 | +2.9% | +2.5% |
| 遊園地事業 | -5.5% | 損失拡大 |
| 倉庫賃貸事業 | +2.4% | +3.0% |
| サービス事業 | +3.4% | +125.9% |
公営競技事業は、SPAT4で全国の地方競馬を発売し、アプリ機能の追加や認知度向上のイベントを進めた。伊勢崎オートレースも通常開催やGI競走の増加を背景に売上が伸び、施設の移転・再編で利用者の利便性向上を図った。
倉庫賃貸事業は、習志野茜浜2号倉庫が順調に稼働し、勝島第2地区の倉庫も高い稼働率を維持した。シェア倉庫「KuraFit」では第2期区画を開き、施設の稼働と事業の成長を目指している。
遊園地事業は、東京サマーランドでゴールデンウィークの屋外プール先行開業やイベントを実施したものの、ゴルフ練習場の利用者減や石巻スイミング事業終了に伴う賃貸料収入の減少が響いた。サービス事業は、ウィラ大井のテナント収入が堅調で、前年に発生した不動産取得税が当期になかったことも利益を押し上げた。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 公営競技事業 | 150億円 | 76% | 64億円 | 42.5% |
| 遊園地事業 | 6億円 | 3% | -536百万円 | -83.1% |
| 倉庫賃貸事業 | 31億円 | 16% | 21億円 | 66.8% |
| サービス事業 | 11億円 | 6% | 3億円 | 23.7% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から3億97百万円増の1,261億82百万円となり、自己資本比率は77.8%に上昇した。年間配当予想は前期から増額しており、利益の積み上げと健全な財務を背景に株主還元を強める姿勢が表れている。
| 項目 | 2026年6月末・中間期 | 比較・前年差 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 126,182 | 前期末比+397 |
| 自己資本比率 | 77.8% | 前期末比+2.5ポイント |
| 営業活動によるCF(百万円) | 4,911 | 前年同期は9,416 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 16,732 | 期首比+2,488 |
| 1株当たり配当(円) | 中間60、年間予想146 | 前期年間118 |
営業キャッシュフローは前年同期を下回った。税金等の支払いや売上債権の増加があった一方、税引前利益や減価償却費を計上し、現金及び現金同等物は期首から増加した。投資活動では有形固定資産の取得などに支出し、財務活動では借入金返済と配当金の支払いが続いた。
中間配当は前期の45円から60円に増え、期末配当予想は86円。年間予想は前期比28円増の146円となる。短信では大規模な自社株買いの発表はなく、自己株式の取得による支出は小規模だった。
通期見通し
2026年12月期の連結業績予想は、2026年2月に公表した内容から変更されていない。会社は売上高、営業利益、純利益のいずれも前期を上回る計画を維持しており、中間期の増収増益を下期につなげられるかが焦点となる。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 42,597 | 42,597 | +2.0% |
| 営業利益(百万円) | 15,827 | 15,827 | +2.7% |
| 経常利益(百万円) | 15,860 | 15,860 | +2.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 10,792 | 10,792 | +3.2% |
上期は公営競技事業の売上増が全体をけん引したが、遊園地事業は減収となった。会社は下期についても、東京サマーランドの人気アトラクション「MONSTER STREAM」の稼働や、イベント、プレミアム有料席の導入で新しい顧客層の開拓と客単価の向上を目指す。通期予想の修正がなかったため、これらの施策が遊園地事業の回復にどこまで寄与するかが、計画達成を見極める材料となる。
リスクと課題
主力の公営競技は堅調だったものの、会社は外部環境の不確実性が続くとみている。各事業の集客や稼働状況、費用の変化が通期業績に影響する可能性がある。
- 景気・地政学リスク: 中東情勢などを含む外部環境の変化が続く。会社は現時点の業績影響を軽微としているが、状況を注視する方針。
- 遊園地事業の集客: ゴルフ練習場の利用者減などが売上を押し下げた。東京サマーランドの新たなイベントや有料席が集客・客単価の改善につながるかが課題。
- 公営競技の継続利用: SPAT4ではギャンブル等依存症対策への対応を継続している。利用者の利便性向上と、安心して利用できる環境づくりの両立が求められる。
- 施設維持とコスト管理: 倉庫や競馬場、遊園地など施設を運営するため、設備の維持・改修や工事費用の管理が収益性を左右する。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
4,950円
最新終値(2026/10/23)
4,860円-1.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東京競馬#決算#決算分析#四半期決算#公営競技#SPAT4#東京サマーランド#倉庫賃貸#増配
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コメント
SPAT4を軸とする公営競技事業の堅調さに、倉庫賃貸の安定収益が加わり、東京競馬の事業基盤の底堅さが見える決算だ。年間配当の増額も、利益成長を株主に還元する判断として注目できる。
一方、遊園地事業は減収に加えて赤字が広がり、主力事業の好調だけでは見えにくい課題も残る。下期は東京サマーランドの施策が集客と採算の改善に結びつくか、また通期予想を据え置いた会社計画に対して利益の進捗がどう推移するかを確認したい。
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