共立メンテ、2027年3月期第1四半期決算、寮事業けん引で営業増益
共立メンテの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比7.6%増、営業利益が8.2%増の増収増益でした。寮事業の新規開業や価格適正化、ホテル事業の高稼働・高単価が業績を押し上げた一方、持分法投資利益の減少と前年の税負担が一時的に軽かった反動で、純利益は15.5%減となりました。本業は増益、純利益は税要因で減少という決算です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 611億円 | +7.6% | 2,770億円 | 22% |
| 営業利益 | 49億円 | +8.2% | 260億円 | 19% |
| 純利益 | 30億円 | -15.5% | 180億円 | 17% |
| 営業利益率 | 8.0% | |||
この決算のポイント
- 1寮事業は13事業所、2,401室を新設し、営業利益が前年同期比29.6%増
- 2ホテル事業は売上高が7.8%増、改装費や新棟立ち上げ費用で営業利益は8.1%減
- 3経常利益は持分法投資利益の減少などで3.9%減、純利益は税負担の反動で15.5%減
- 4通期予想は据え置き、売上高2,770億円、営業利益260億円を見込む
- 5年間配当予想は前期と同額の46円、自己資本比率は前期末比0.3ポイント低下
業績のポイント
共立メンテ(共立メンテナンス)の2027年3月期第1四半期は、売上高611億4,200万円(前年同期比7.6%増)、営業利益48億6,400万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益30億4,000万円(同15.5%減)でした。
- 売上高: 寮事業の新規開業と価格適正化、ホテル事業の高稼働・高単価が増収に寄与
- 営業利益: 寮事業の増益が、ホテルの改装費や新棟立ち上げ費用の増加を補った
- 経常利益: 48億1,000万円で前年同期比3.9%減。持分法による投資利益が前年の6億8,600万円から1億6,200万円に減少
- 純利益: 前年に繰延税金資産の回収可能性見直しで税負担が一時的に軽くなった反動が出た
本業の営業増益と最終減益が分かれた決算です。寮・ホテルの運営は堅調でしたが、営業利益より下の段階で持分法投資利益の減少や税負担の増加が響きました。純利益の減少だけでなく、本業の稼ぐ力と一時要因を分けて見る必要があります。
セグメント別動向
寮事業は新規開業と価格適正化で大幅増益となり、ホテル事業は需要を取り込んで増収を確保した一方、費用増で減益でした。各事業の売上高・営業利益の前年差を示し、セグメント間の勢いの違いを整理します。
寮事業は売上高160億7,500万円(前年同期比7.6%増)、営業利益22億6,900万円(同29.6%増)でした。4月に全国で13事業所、2,401室を開業し、期初稼働率は98.5%と前年より1.1ポイント上昇。食材費や開業費の増加を、稼働と販売価格の適正化で吸収しました。
ホテル事業は売上高370億5,800万円(同7.8%増)、営業利益37億4,400万円(同8.1%減)でした。インバウンドやゴールデンウイークの国内需要を捉え、ドーミーイン国内100棟目となる「ドーミーイン四日市」を開業しました。一方、新棟の立ち上げや大規模リニューアル工事が利益を圧迫し、会員プログラム「Dormy's」の公式アプリも刷新しています。
- 総合ビルマネジメント: 売上高45億400万円(同3.3%減)、営業損失1億3,600万円。前期の大規模修繕工事の反動で赤字幅が拡大
- フーズ: 売上高37億2,900万円(同15.0%増)、営業利益2億6,100万円(同87.4%増)。ホテルレストランの受託案件増加が寄与
- デベロップメント: 売上高9億8,400万円(同11.6%減)、営業損失1億2,000万円。前期の大型設計案件の反動で黒字から赤字に転じた
- その他: 売上高52億2,000万円(同6.4%増)、営業利益1億800万円。前年の営業損失から黒字に転換
寮事業の利益成長が全体を支える一方、ホテルでは需要の強さがそのまま利益増につながらず、改装や新規開業の費用が先行しました。今後はホテルの投資が稼働率や単価の上昇を通じて利益に結び付くか、また小規模事業の赤字改善が進むかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 寮事業 | 160億円 | 26% | 23億円 | 14.2% |
| ホテル事業 | 369億円 | 60% | 37億円 | 10.1% |
| 総合ビルマネジメント事業 | 19億円 | 3% | -136百万円 | -7.0% |
| フーズ事業 | 6億円 | 1% | 3億円 | 44.3% |
| デベロップメント事業 | 7億円 | 1% | -120百万円 | -17.2% |
| その他 | 50億円 | 8% | 1億円 | 2.2% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は3,208億4,300万円で、前期末から41億8,800万円増加しました。自己資本比率は45.7%と前期末から0.3ポイント低下しています。
| 項目 | 2026年3月末 | 2026年6月末 | 増減・比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 316,655 | 320,843 | +4,188 |
| 純資産(百万円) | 145,528 | 146,777 | +1,249 |
| 自己資本比率 | 46.0% | 45.7% | -0.3ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 29,961 | 24,552 | -5,409 |
| 短期借入金(百万円) | 29,786 | 44,675 | +14,889 |
| 年間配当予想(円) | 46 | 46 | 前期実績と同額 |
総資産の増加は販売用不動産の増加が主因で、短期借入金も増えました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、現金の増減を営業・投資・財務活動に分けて確認することはできません。年間配当予想は中間・期末各23円で据え置かれ、短信には新たな自社株買いの発表は記載されていません。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月15日に公表した内容から変更ありません。会社は売上高2,770億円、営業利益260億円を計画し、売上高は前期比0.6%増、営業利益は同4.6%増を見込んでいます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 277,000 | 277,000 | 短信に数値記載なし |
| 営業利益(百万円) | 26,000 | 26,000 | 短信に数値記載なし |
| 経常利益(百万円) | 26,000 | 26,000 | 短信に数値記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 18,000 | 18,000 | 短信に数値記載なし |
| 1株当たり当期純利益(円) | 197.98 | 197.98 | 短信に数値記載なし |
会社予想では経常利益が前期比0.8%減、純利益が同3.8%減となる見通しです。第1四半期は営業増益で始まりましたが、最終利益は減益であり、通期計画の達成にはホテルの費用増を吸収しつつ、寮事業の成長を続けられるかが重要です。
リスクと課題
会社は、国内景気に緩やかな回復がみられる一方、世界情勢や物価を巡る不透明感が続くと説明しています。事業環境の変化がコストや需要に及ぼす影響に注意が必要です。
- 資源・原材料価格の上昇: 円安や中東情勢などを背景に価格上昇が続けば、寮の食材費や施設運営費を押し上げ、価格改定で吸収できない場合は利益を圧迫します。
- ホテル需要の変動: 訪日需要は堅調ですが、一部地域では訪日旅行を控える動きもありました。旅行需要が弱まれば、ホテルの稼働率や販売単価が下がる可能性があります。
- 新規開業・改装コスト: 寮の新規事業所やホテルの新棟、大規模リニューアルは成長に必要な一方、開業費や工事費が先行します。投資後に稼働や単価が想定通り伸びるかが課題です。
- 通期予想の不確実性: 業績予想は一定の前提に基づくもので、会社も実績がさまざまな要因で大きく異なる可能性を示しています。第1四半期の進捗だけで通期達成を判断せず、今後の需要とコストの推移を確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
3,469円
最新終値(2026/10/23)
3,463円-0.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#共立メンテ#決算#決算分析#四半期決算#寮事業#ドーミーイン#インバウンド#配当#ホテル運営
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コメント
今回の決算は、利益の中身を見分けることが大切です。寮事業では開業を続けながら営業利益を大きく伸ばし、ホテル事業も需要を取り込んで増収を確保しました。本業の営業増益は、運営力と価格適正化が機能していることを示します。
一方、ホテルは改装や新棟の費用で減益となり、純利益も税負担の前年反動で落ち込みました。寮の成長をホテル投資の収益化につなげられるかが、今後の業績と通期計画を読むうえでの注目点です。
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掲載企業
株式会社共立メンテナンス
東証 9616
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