山崎製パン、2026年12月期第2四半期決算、増収増益で通期も営業増益を計画

山崎製パンの2026年12月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比4.0%増、営業利益は3.3%増、純利益は5.3%増となりました。食品事業の販売増が業績を押し上げ、人件費や運搬費の増加を吸収しました。会社は通期も増収増益を見込み、食品事業が成長をけん引する構図です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,766億円 | +4.0% | 1.3兆円 | 51% |
| 営業利益 | 359億円 | +3.3% | 640億円 | 56% |
| 純利益 | 242億円 | +5.3% | 425億円 | 57% |
| 営業利益率 | 5.3% | |||
この決算のポイント
- 1食品事業の売上高は前年同期比4.1%増、営業利益は5.3%増となり、全社の増収増益をけん引
- 2流通事業は営業損失が9億5700万円に拡大し、前年同期から赤字幅が7億1300万円増加
- 3通期売上高は前期比2.0%増、営業利益は4.7%増、純利益は3.9%増を計画
- 4営業キャッシュフローは624億1100万円と前年同期の620億1800万円から増加
- 5中間期の設備投資は219億8300万円で前年同期比減少、通期計画は前期比増額
業績のポイント
山崎製パン(山崎製パン株式会社)の2026年12月期中間期は、売上高が前年同期比4.0%増、営業利益が3.3%増、親会社株主に帰属する中間純利益が5.3%増でした。営業利益の増加は、売上総利益の伸びが販売費及び一般管理費の増加を上回ったためです。
| 営業利益の主な増減要因(億円) | 増減額 |
|---|---|
| 売上総利益の増加 | +89.2 |
| 販売費及び一般管理費の増加 | -77.6 |
売上総利益は販売増などを背景に89億1700万円増加しました。一方、販売費及び一般管理費は77億5800万円増加し、なかでも給与賃金などの人件費や運搬費が利益を押し下げました。
増収を利益成長につなげた一方で、営業利益率は前年同期と同じ5.3%にとどまりました。経常利益は営業外費用の減少などもあり、前年同期比6.8%増の378億7500万円と営業利益より高い伸びです。
- 前年中間期347億円
- 売上総利益+89.2億円
- 販管費増-77.6億円
- 当中間期359億円
セグメント別動向
食品事業は売上高が前年同期比4.1%増、営業利益が5.3%増でした。売上高の増加額は全社の伸びの大半を占め、菓子パンや製菓・米菓・その他商品類が販売を押し上げました。和菓子も前年同期比6.4%増と、食品事業内で高い伸びを示しています。
流通事業は売上高が前年同期比0.7%増にとどまる一方、営業損失は9億5700万円となり、前年同期から赤字幅が7億1300万円拡大しました。売上の伸びが小さいなか、事業の採算改善が課題です。
その他事業は売上高が前年同期比14.8%増、営業利益が8.9%増でした。規模は食品事業より小さいものの、売上・利益ともに伸びています。
| セグメント別売上高の前年比 | 増減率 |
|---|---|
| 食品事業 | +4.1% |
| 流通事業 | +0.7% |
| その他事業 | +14.8% |
食品事業では、不二家の売上高が前年同期比4.8%増となった一方、営業利益は2億9700万円と前年同期から9億500万円減少しました。グループ全体の増益を確認する際には、売上成長だけでなく子会社ごとの採算にも注目が必要です。
- 食品事業+4.1%
- 流通事業+0.7%
- その他事業+14.8%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 食品事業 | 6,292億円 | 93% | 348億円 | 5.5% |
| 流通事業 | 392億円 | 6% | -957百万円 | -2.4% |
| その他事業 | 82億円 | 1% | 18億円 | 21.6% |
通期見通し
山崎製パンは2026年12月期の連結業績について、売上高1兆3380億円、営業利益640億円、親会社株主に帰属する当期純利益425億円を見込みます。いずれも前期実績を上回る計画です。
| 連結業績(百万円) | 2025年12月期実績 | 2026年12月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,311,430 | 1,338,000 | +2.0% |
| 営業利益 | 61,141 | 64,000 | +4.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,893 | 42,500 | +3.9% |
今回の補足資料には、修正前の通期予想との比較や予想修正の記載はありません。このため、上方修正ではなく、示された通期計画と前期実績を比較しています。
食品事業の営業利益は前期比5.0%増を計画する一方、流通事業は営業損失が11億円に拡大する見通しです。全社では食品事業の成長を軸に増益を目指す計画であり、流通事業の赤字が予想以上に膨らまないかが下期の確認点です。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は9164億6300万円で、前期末から154億1500万円減少しました。営業キャッシュフローは前年同期を上回る一方、投資活動と財務活動によるキャッシュフローはいずれも支出が増えています。
| 項目(百万円) | 前年中間期・前期末 | 当中間期 | 増減・比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 931,878 | 916,463 | 前期末比 -15,415 |
| 営業活動によるCF | 62,018 | 62,411 | +392 |
| 投資活動によるCF | -28,412 | -33,183 | 支出が4,771増加 |
| 財務活動によるCF | -13,578 | -22,789 | 支出が9,210増加 |
| 中間期末の現金及び現金同等物 | 165,897 | 163,228 | -2,669 |
総資産の減少に対し、純資産は前期末から127億1200万円増加しました。投資活動の支出増は有形固定資産の取得によるもので、設備投資額は前年同期比で減少したものの、通期では前期実績を上回る645億8000万円を計画しています。
財務活動の支出増について、会社資料は配当金の支払いと借入金返済による支出の増加を挙げています。ただし、この補足資料には配当額や自社株買いの記載がないため、株主還元の具体的な金額は確認できません。
リスクと課題
中間期は増収増益を確保しましたが、費用の増加や事業ごとの採算差が利益成長を左右しています。会社資料が示す費用増とセグメント実績を踏まえると、下期は次の点が注目されます。
- 人件費の上昇: 中間期の人件費は前年同期から32億100万円増加しました。賃金上昇が続けば、販売増による利益の押し上げを弱める可能性があります。
- 運搬費など販管費の増加: 運搬費は前年同期から12億7400万円増加しました。売上の拡大とともに物流関連費用も増えており、費用を吸収できる利益率を保てるかが課題です。
- 流通事業の赤字拡大: 流通事業の営業損失は前年同期から7億1300万円拡大しました。通期計画でも赤字を見込んでおり、事業の採算改善が必要です。
- 子会社の利益変動: 不二家は中間期に増収となった一方、営業利益が前年同期から9億500万円減少しました。グループ内の一部事業で利益が落ち込むと、食品事業全体の増益を抑える要因になります。
- 業績予想の不確実性: 会社は予想が市場動向などを前提とし、実際の業績はさまざまな要因で異なる可能性があるとしています。原材料費や人件費などの変動には注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
3,598円
最新終値(2026/10/23)
3,922円+9.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#山崎製パン#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#食品事業#菓子パン#通期業績予想
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コメント
売上増を利益増につなげた点は堅実ですが、営業利益率は前年同期から横ばいで、費用上昇を販売規模の拡大で吸収している段階です。とくに流通事業の赤字拡大は、食品事業の好調さだけでは見えにくい課題です。
下期は通期計画の達成に加え、賃金や物流費の上昇をどこまで抑えられるか、流通事業の損失を縮小できるかが焦点です。設備投資を通期で積み増す計画のため、投資が生産効率や採算改善に結びつくかも中長期の注目点です。
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