4℃HD、2027年2月期第2四半期決算、営業利益2.4倍で売上予想を上方修正

4℃HDの2027年2月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比21.5%増の394億円、営業利益が141.0%増の27億円となり、純利益も99.2%増でした。ジュエリー「4℃」の既存店販売や時計リユースが伸び、通期売上高予想を770億円へ引き上げました。一方、利益の伸びには退職給付制度に関する会計上の見積り変更も寄与しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 394億円 | +21.5% | 770億円 | 51% |
| 営業利益 | 27億円 | +141.0% | 43億円 | 63% |
| 純利益 | 16億円 | +99.2% | 27億円 | 59% |
| 営業利益率 | 6.9% | |||
この決算のポイント
- 1ブランド事業は既存店販売と高級時計リユースが伸び、売上高が前年同期比33.9%増
- 2アパレル事業は「パレット」の新規出店と既存店の伸長で売上高が前年同期比1.9%増
- 3退職給付制度の会計上の見積り変更で、中間期の営業利益などが4億5200万円押し上げられた
- 4通期売上高予想を前回から20億円増額、営業利益予想は43億円で据え置き
- 5年間配当予想は前期比2円増の85円、営業キャッシュフローは1億9500万円のマイナス
業績のポイント
4℃HD(ヨンドシーホールディングス)の2027年2月期中間期は、売上高394億4200万円(前年同期比21.5%増)、営業利益27億900万円(同141.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益15億5700万円(同99.2%増)でした。営業利益は前年から15億8500万円増え、経常利益も28億7100万円(同119.2%増)となりました。
主な要因は次の通りです。
- ブランド事業の拡大: 「4℃」のMD改革と販売チャネル施策が奏功し、既存店売上高が伸長しました。
- 時計リユースの成長: 高級ブランド時計を扱う羅針が品ぞろえを広げ、売上高・営業利益ともに大幅に拡大しました。
- 会計上の見積り変更: 子会社アスティの退職給付制度の変更に伴い、退職給付費用が減少し、営業利益などを4億5200万円押し上げました。
- アパレル事業の増益: 円安や原価高騰があった一方、退職給付制度改定による一時的な費用減少などが利益を支えました。
ブランド事業の成長が業績をけん引した一方、利益の伸びすべてが販売力の改善によるものではありません。退職給付費用の変更効果を含むため、今後は既存店の伸びや時計リユースの拡大が利益成長を継続できるかが焦点です。中間期には減損損失1億5800万円などの特別損失も計上しました。
- ブランド+33.9%
- アパレル+1.9%
セグメント別動向
ブランド事業は売上高265億7900万円(前年同期比33.9%増)、営業利益21億7500万円(同143.4%増)でした。「4℃」を中心とするジュエリー事業でMD改革とチャネル戦略が実り、既存店売上高が伸びました。羅針の高級ブランド時計リユースも品ぞろえの拡充を背景に大幅増収増益となり、セグメント全体の成長を押し上げました。
アパレル事業は売上高128億6300万円(前年同期比1.9%増)、営業利益10億3300万円(同30.6%増)でした。デイリーファッション「パレット」は新規出店に加え、催事などを通じて既存店も伸長しました。アスティグループでは円安や原価高騰が重荷となりましたが、グローバルサプライチェーンの強化に取り組み、退職給付制度の改定による一時的な費用減少も利益増に寄与しました。
2事業とも増収増益ですが、成長の強さには差があります。売上高の伸びはブランド事業が大きく上回り、アパレル事業は小幅増収にとどまりました。利益率の改善を今後も維持できるかを見るうえでは、ブランド事業の既存店販売と時計リユースの勢いに加え、アパレル事業が円安・原価高を吸収できるかがポイントです。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ブランド事業 | 266億円 | 67% | 22億円 | 8.2% |
| アパレル事業 | 129億円 | 33% | 10億円 | 8.0% |
通期見通し
4℃HDは中間期の実績を踏まえ、2027年2月期の売上高予想を770億円へ引き上げました。前回予想から20億円、2.7%の上方修正で、前期実績に対しては10.1%増を見込みます。一方、営業利益など各段階利益の予想は変更していません。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 75,000 | 77,000 | 69,962 |
| 営業利益 | 4,300 | 4,300 | 2,802 |
| 経常利益 | 4,600 | 4,600 | 3,164 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,650 | 2,650 | 1,792 |
会社は、各段階利益について経営環境の認識と今後の投資計画を踏まえ、計画通りの推移を見込むと説明しています。利益予想を据え置いたまま売上高だけを上方修正したため、下期は売上増を利益に結びつけられるか、また成長に向けた投資とのバランスを保てるかが注目点です。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は702億7600万円で、2026年2月末から14億4000万円増加しました。自己資本比率は59.9%と、前期末の59.6%から小幅に上昇しています。現金及び現金同等物は期首から2億4200万円増の15億6800万円でした。
| 項目 | 2027年2月期中間期 | 比較・前年同期 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 59.9% | 前期末59.6% |
| 営業キャッシュフロー | -1億9500万円 | 前年同期-4億6400万円 |
| 投資キャッシュフロー | -5億8200万円 | 前年同期+6億9400万円 |
| 財務キャッシュフロー | +10億2000万円 | 前年同期-2億4400万円 |
| 年間配当予想 | 85円 | 前期実績83円 |
営業キャッシュフローは前年同期より赤字幅が縮小しましたが、棚卸資産の増加や仕入債務の減少、法人税の支払いなどが資金を圧迫しました。財務キャッシュフローのプラスは主に短期借入金の増加によるもので、借入金は前期末から19億円増加しています。年間配当は中間42円50銭、期末予想42円50銭で、株主還元を増やす一方、成長投資と運転資金の管理も求められます。短信に自社株買いの発表はありません。
- 営業-2億円
- 投資-5.8億円
- 財務+10.2億円
リスクと課題
会社は、景気が緩やかな回復基調にある一方、地政学リスクや金融政策、為替変動の影響などから先行きは不透明としています。物価高のもとで消費の二極化が続くなか、各事業の販売動向とコスト管理が業績を左右します。
- 消費の二極化: 高額品需要は堅調でも、節約・低価格志向は根強く、ジュエリーなどの高価格帯商品の販売が消費者心理に影響される可能性があります。
- 為替・原価上昇: 円安や原価高騰はアパレル事業の採算を圧迫します。価格転嫁や調達網の改善が遅れれば、増収が利益につながりにくくなります。
- 成長の持続性: ブランド事業の急成長には既存店販売や時計リユースの拡大に加え、退職給付制度の会計上の見積り変更による利益押し上げが含まれます。制度変更の効果と本業の成長を分けて確認する必要があります。
- 資金繰りと投資負担: 営業キャッシュフローは中間期にマイナスで、短期借入金も増加しました。商品在庫や成長投資の拡大に対して、資金効率を維持できるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/9)
2,135円
最新終値(2026/10/23)
2,029円-5.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#4℃HD#決算#決算分析#四半期決算#ジュエリー#アパレル#業績上方修正#配当
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コメント
今回の決算は、ジュエリーと高級時計リユースが強く、ブランド事業が成長の主役になった点が評価できます。ただ、営業利益の大幅増には退職給付制度の見積り変更による一時的な押し上げも含まれるため、見かけの増益率だけで持続力を判断するのは早計です。
売上の上方修正を利益成長につなげられるかが次の焦点です。営業キャッシュフローがマイナスのなかで配当を増やす計画であり、下期の販売実績、在庫と借入金の推移、利益予想の達成度を合わせて見たい決算です。
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掲載企業

株式会社ヨンドシーホールディングス
東証 8008
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