イオン9月度既存店売上高、3カ月連続で前年実績を上回りGMSとショッピングセンター事業が好調推移
イオン㈱は8月末日時点で終了した2027年2月期の9月度連結業績を発表しました。気象条件の影響を受けた食料品セグメントや一部店舗の休業を乗り越え、既存店売上高は3カ月連続で前年実績を上回る堅調な推移を維持し、特に 集客力のある商業施設の存在感 が増しています。

総合小売:価格競争力と天候対策が効果を上げ既存店売上高が伸長
イオンリテール㈱をはじめとする主要な総合小売(GMS)セグメントにおいて、9月度の既存店売上高は前年同月比102.6%と、過去3カ月連続で前年実績を明確に上回りました。__価格敏感層への対応と秋物の強化が奏功し、食料品・衣料品ともに需要を取り込みました。値下げキャンペーンの成功は消費者心理に響き、生活必需品145品目を対象とした期間限定の値下げが『安』を訴求する戦略として機能しました。
具体的には、食品では焼肉用商品や揚げ物など家族向け生鮮・デリカ商品の品揃え強化により堅調に推移。衣料品では「トップバリュ1,000円デニムパンツ」の拡充により価格競争力を高め、既存店売上高は前年実績を上回りました。また、ヘルス&ビューティケア分野では調剤事業の継続的な健闘や台所用品の販伸が寄与し、3業態すべてで前年実績を上回る好調ぶりを見せました。__天候不順による叶物野菜の出荷減少という逆風の中でも、PB商品と地元産品(じもの)の拡充で客足の足止めを図るなど、販売戦略の柔軟性が結果を支えています。"安・近・短"のニーズへの徹底対応により、顧客囲い込みが完了しました。
一方、スーパーマーケット事業(マックスバリュ東海やフジ等)では、長雨による客足悪化の影響で既存店売上高は前年同月比98.6%とやや苦戦しましたが、北海道マルシェの開催や「じもの商品大商談会」の実施など地域密着型対策により、販売力維持に努めました。ディスカウントストア事業も既存店売上高で101.1%とプラス圏を維持しており、全体的に見ても小売セグメントは底堅い展開を続けています。
ショッピングセンター・エンタメ:新施設オープンの効果で集客が好調
ディベロッパー事業(イオンモール㈱等)およびエンターテイメント事業では、イベント施策と新規開業の効果により非常に好調な数字を出しました。既存店売上高はそれぞれ106.5%、113.6%と高い伸長率を記録しています。特に集客の柱となる既存店客数も、ショッピングセンターが103.0%、エンターテイメントが111.2%と大幅に増加しました。
イオンモールでは、クラシックライブやキャラクターを活用したアプリゲームとのコラボレーションなど、__多様なイベントを駆使して来店機会を広げる"体験型消費"への転換が成功。これにより、専門店売上高が前年比106.5%と大きく伸びました。
また、エンターテイメント事業においては、9月1日に東日本初出店となる飲食併設型複合施設「Feedy Diner & Arcade」をイオンモール新潟亀田インター店でオープン。アメリカンダイナーをモチーフにしたこの施設はZ世代からファミリー層まで幅広い層の注目を集め、エンタメと食を融合させた新しい消費スタイルへの定着==が進んでいます。これらの事業は単なる買い物を超えた"時間のお金"としての価値を提供しており、業績を支える重要な成長エンジンとして位置付けられています。__
月次業績一覧とセグメント別の伸長率比較
9月度の主要各社・セグメント別の既存店売上高前年比(単位:%)を下表に示します。イオンリテール、イオン北海道、イオン九州のGMS系3社合計が102.6%であるのに対し、イオンモールのディベロッパー事業は106.5%と大きくリードしています。
| 会社名/セグメント | 9月度既存店売上高前年比 | 前月比(8月度) | 傾向 |
|---|---|---|---|
| イオンリテール等(GMS合計) | 102.6 | 100.0 | 3ヶ月連続プラス |
| イオン北海道 | 102.7 | 102.5 | 安定した伸長 |
| イオン九州 | 102.2 | 101.4 | 合併効果含め健闘 |
| イオンモール(DV等含む) | 106.5 | 102.7 | イベント効果で加速 |
| ㈱キャンドゥ(DS) | 101.1 | 104.4 | 高水準維持 |
| マックスバリュ東海など(SM) | 98.6 | 99.7 | 天候悪化で微減 |
| ㈱イオンファンタジー等(エンタメ) | 113.6 | 96.6 | 新施設効果で急伸 |
※GMS事業の数値は、イオンリテール㈱、イオン北海道㈱、イオン九州㈱など12社の実績です。スーパーマーケット事業の数値は、㈱マルエツ、㈱カスミ、㈱いなげや、マックスバリュ東海㈱、㈱フジなど10社の実績です。ディスカウントストア事業の数値は、イオンビッグ㈱、㈱ビッグ・エーなど3社の実績です。ヘルス&ウエルネス事業の数値は、㈱ツルハホールディングスなど3社の実績です。
GMSセグメント全体で見ると、食料品と非食料品のバランスが良く、特に衣料品とPB商品の価格競争力が効いています。一方、スーパーマーケット事業では98.6%とやや低迷していますが、これは特定エリアの長雨影響が主な要因であり、他の地域や業態との比較では依然として堅調です。==エンターテインメントセグメントの躍進は、小売りの未来における"体験型店舗"の可能性を示唆しており、今後の戦略立案において注目すべき指標となっています。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/13)
1,200円
最新終値(2026/10/23)
1,181円-1.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#イオン#8267#月次売上#既存店売上高#小売#シッピングセンター#エンタメ事業#IR
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コメント
今期の9月度は、天候面での不利(葉物野菜の減収)を価格競争力とイベント集客で十分にカバーし、かつ3業態すべてが前年比プラス圏に留まっている点が高評価です。特に注目すべきはエンターテイメント事業の113.6%という高い伸長率==であり、イオンモールでの新施設「Feedy Diner & Arcade」のような体験型商業施策が、従来の買い物中心から"滞在時間稼ぎ"へシフトする成功事例になりつつあります。今後は年末商戦に向けて、値下げ施策を継続しながら如何に客単価を引き上げるかが鍵となります。また、合併・吸収分割(ジョイフルサン、ダイエー関東事業等)の効果が数字にどう表れるかの見極めも重要ですが、今回のデータでは既存店売上高ベースでの健全性が確認できました。__インフレ下の消費者心理変化に対応した「価格」と「体験」の両輪戦略が着実に効いていると判断します。==
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