クレハ、27年3月期中間期を上方修正、営業利益は前回予想比40%増の105億円
クレハは2027年3月期中間期(2026年4〜9月)の連結業績予想を上方修正した。売上収益は870億円、コア営業利益と営業利益は各105億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は75億円を見込む。前回予想比でコア営業利益は40.0%、中間利益は50.0%上振れし、いずれも前年同期実績を上回る。EV向けPVDFと環境事業がけん引した一方、通期予想は精査中で、11月10日の中間決算発表時に公表する予定だ。

開示の要点
- 中間売上収益
- 870億円
- コア営業利益
- 105億円
- 中間営業利益
- 105億円
- 中間利益
- 75億円
中間期予想を上方修正、前年同期も上回る
クレハは2027年3月期中間期の売上収益と各利益を引き上げた。修正後の利益は、前回予想を大きく上回るだけでなく、前年同期実績も上回る見通しだ。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前年同期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 855 | 870 | 773.87 |
| コア営業利益(億円) | 75 | 105 | 75.53 |
| 営業利益(億円) | 75 | 105 | 81.05 |
| 税引前中間利益(億円) | 75 | 105 | 84.64 |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益(億円) | 50 | 75 | 63.18 |
| 基本的1株当たり利益(円) | 130.82 | 196.21 | 151.03 |
前回予想比の増加率は、売上収益が1.8%、コア営業利益と営業利益、税引前中間利益が各40.0%、中間利益が50.0%。前年同期実績と比べても、表に示した全ての指標で今回予想が上回る。
EV向け販売と環境事業の受注が押し上げ
修正の背景には、機能製品事業の一部製品で想定を上回る販売があったことや、環境事業の受注好調がある。コア営業利益は売上増に加え、製品構成の改善なども寄与する見込みだ。
- 機能製品事業: リチウムイオン電池バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)は、EV向け販売が想定を上回った。一方、定置用蓄電システム(ESS)向け販売は低下した。
- 環境事業: 受注が好調で、売上収益の増加を見込む。
- 利益面: 売上収益の増加と製品構成の改善に加え、販売費及び一般管理費の一部が下半期にずれ込む。
クレハは、非経常的な損益を営業利益から除いたコア営業利益を、経常的な経営成績を示す管理指標としている。費用の下半期へのずれ込みは中間期の利益を押し上げる要因となるため、今回の上振れが通期でも同じ規模で続くかは、今後の費用計上や販売動向を確認する必要がある。
通期予想は据え置きではなく、現在精査中
今回修正したのは2027年3月期の中間期予想で、通期連結業績予想は現時点で精査中としている。会社は、2026年11月10日予定の中間決算発表時に通期予想を知らせるとしている。
中間期の上方修正を受けても、通期の売上高や利益が同じ比率で上振れると決まったわけではない。販売費及び一般管理費の下半期へのずれ込みも含め、通期見通しの公表時には、上期の好調がどこまで続くのか、費用の計上がどう反映されるのかが確認点となる。
利益の上振れ幅と持続性が焦点
株主にとっては、前回予想からの利益の上振れに加え、前年同期実績を上回る見込みとなった点が注目材料だ。特にコア営業利益の増加には、販売数量や製品構成の改善だけでなく、販管費の計上時期も影響している。
会社は業績予想が発表時点で入手可能な情報に基づくもので、実際の業績は今後の要因で異なる可能性があると説明している。通期予想の更新では、EV向けPVDFや環境事業の需要が続くかに加え、中間期にずれ込んだ費用が下半期の利益をどの程度押し下げるかが焦点になる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/29)
4,015円
最新終値(2026/10/29)
4,015円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
クレハをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて化学業界の今
掲載60社クレハは化学業界の掲載60社中、売上高で37位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +27.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +23.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 16社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 8.8%
- クレハ+8.4%
- 化学(業界平均)+27.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は40社合計で売上高+13.1%・営業利益+49.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は27社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは16社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは大阪有機(営業利益+45.3%)。





タグ#クレハ#業績予想修正#化学#PVDF#リチウムイオン電池#EV#環境事業
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今回の上方修正は、EV向けPVDFの販売や環境事業の受注が好調なことに加え、販管費の一部が下半期にずれ込む影響も含む。したがって、上期の利益増をそのまま通期の利益成長と捉えるのは早い。通期予想で上振れの持続性を見極めることが投資家の注目点となる。製品構成の改善が一時的か、需要の強さを伴って続くかも確認したい。
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