トクヤマ、27年3月期純利益予想を465億円に上方修正、年間配当は140円へ、子会社譲渡を反映
トクヤマは2027年3月期の連結純利益予想を465億円に引き上げた。前回予想の260億円から78.8%増となり、前期実績の222億700万円も上回る。セメント子会社の譲渡に伴う特別利益と減損損失の計上を織り込み、売上高と営業利益の予想は据え置いた。年間配当は前期比20円増の140円とする。純利益の伸びに譲渡に伴う損益が反映される一方、営業利益は前期実績を下回る。

開示の要点
- 純利益予想
- 465億円(前回260億円)
- 営業利益
- 340億円
- 年間配当
- 140円(前期120円)
- 期末配当
- 80円(前回72円)
連結純利益予想を465億円に上方修正
純利益予想を前回の260億円から465億円へ引き上げた。前回予想比の増額は205億円で、増減率は78.8%。一方、売上高、営業利益、経常利益の予想に変更はない。
| 連結業績(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,920 | 3,920 | 3,494.76 |
| 営業利益 | 340 | 340 | 370.71 |
| 経常利益 | 340 | 340 | 382.56 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 260 | 465 | 222.07 |
純利益予想の上方修正は、売上高や営業利益の見通しを引き上げたためではない。前期実績と比べると、売上高は増える一方、営業利益は370億7100万円から340億円へ減少する見込みで、利益の変化を読む際は純利益と本業の利益を分けて見る必要がある。
セメント子会社譲渡に伴う損益を反映
会社は、トクヤマセメント株式会社の譲渡に伴う特別利益と減損損失を踏まえて通期予想を精査した。個別業績についても、連結と同様の理由で前期実績との差が生じる見込みとしている。
| 個別業績(億円) | 前期実績 | 当期見込み |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,430.95 | 2,645 |
| 営業利益 | 221.34 | 170 |
| 経常利益 | 226.47 | 185 |
| 当期純利益 | 127.94 | 430 |
個別の当期見込みは、前期実績に比べて売上高が増える一方、営業利益と経常利益は減る。純利益は430億円を見込むが、会社は譲渡に伴う特別利益と減損損失を計上する見通しを修正理由に挙げており、数値の増加をそのまま継続的な収益力の改善とみなすことはできない。
年間配当は前期比20円増の140円
2027年3月期の期末配当予想を1株72円から80円に引き上げる。中間配当の実績60円と合わせた年間配当は140円となり、前期実績の120円から20円増える。
| 1株当たり配当(円) | 中間 | 期末 | 年間 |
|---|---|---|---|
| 前回予想 | 60 | 72 | 132 |
| 今回予想 | 60 | 80 | 140 |
| 前期実績 | 60 | 60 | 120 |
会社は、連結業績予想の上方修正と利益配分方針を踏まえて期末配当を増額した。利益還元とともに、成長に向けた投融資や研究開発、業績・財務状況などを総合的に考慮して安定的、継続的な還元を目指すとしている。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/29)
3,913円
最新終値(2026/10/29)
3,913円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
トクヤマをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて化学業界の今
掲載60社トクヤマは化学業界の掲載60社中、売上高で28位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +27.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +23.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 16社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 8.8%
- トクヤマ+1.6%
- 化学(業界平均)+27.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は40社合計で売上高+13.1%・営業利益+49.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は27社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは16社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは大阪有機(営業利益+45.3%)。





タグ#トクヤマ#業績予想修正#配当予想修正#純利益#セメント#子会社譲渡#化学・素材
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
投資家が注目したいのは、純利益の大幅な上方修正と営業利益の見通しが据え置かれた点の違いだ。会社は子会社譲渡に伴う特別利益と減損損失を修正理由に挙げており、純利益の増加だけでは本業の稼ぐ力の改善を判断しにくい。前期実績を下回る営業利益の水準と、譲渡後の利益構成が今後の焦点となる。年間配当の増額も、継続的な還元方針とあわせて確認したい。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
関連記事
同社の関連記事
特殊・機能化学の最新記事
- 決算解説信越化学2027年3月期 第2四半期(中間期)信越化学、2027年3月期第2四半期決算、AI需要で営業利益15.6%増

- 決算解説クラレ2026年12月期 第1四半期クラレ・2026年12月期Q1、売上高3.1%増の2,009億円——主力事業の需要低迷で営業利益は20%減も、機能材料は大幅増益

- 決算解説東ソー2027年3月期 第1四半期東ソー、2027年3月期第1四半期決算、純利益198%増で通期予想を初開示

- 決算解説デンカ2026年3月期 通期デンカ・2026年3月期通期、営業利益82%増の262億円——不採算事業の整理とAI関連需要の拡大でV字回復

- ストックオプション払込金額確定信越化学9月30日信越化学、新株予約権の払込金額を1株当たり1,274円と決定。役員・従業員への割当規模も公開




