稲畑産業、アルバック成膜を49億円で完全子会社化、台湾・中国拠点も傘下にし半導体材料事業を強化
稲畑産業は、持分法適用会社のアルバック成膜の株式を追加取得し、完全子会社化する。取得額は49億円で、既存保有分と合わせて全株式を保有する計画だ。アルバック成膜の子会社である台湾、中国の2社と国内のファインサーフェス技術も完全子会社とする。半導体向けマスクブランクスの成長を取り込み、国内・中国・台湾の生産拠点を活用する。半導体関連事業の拡大を加速する一方、連結業績への影響は精査中としている。

開示の要点
- 取得額
- 49億円
- 追加取得比率
- 65.0%
- 取得後持分
- 100.0%
- 実行予定日
- 2026年12月18日
- 契約締結
- 2026年10月30日予定
アルバック成膜と子会社3社を傘下に
稲畑産業は、アルバック成膜を完全子会社化し、その子会社も含めてグループに取り込む。株式の譲渡元は株式会社アルバックで、稲畑産業は現在保有する35.0%に加えて株式を取得する。
- 対象会社: 半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)向けマスクブランクスを製造・販売するアルバック成膜
- 傘下に入る子会社: 台湾の台灣成膜光電股份有限公司、中国の愛発科成膜技術(合肥)有限公司、国内の株式会社ファインサーフェス技術
アルバック成膜は、素材のガラス加工からマスクブランクス完成品まで一貫生産できる、世界でも限られた企業の一社。稲畑産業は1987年に資本参加しており、長年の取引・協業関係を資本面でも強める。
半導体需要と3地域の生産網を成長に生かす
稲畑産業は、子会社化を中期経営計画「New Challenge 2026」の成長戦略に沿った投資と位置づける。半導体向けマスクブランクス市場の長期成長を見込み、FPD向けではOLED化に伴う高付加価値化を狙う。
- 半導体向け: マスクブランクス事業への注力を強める
- FPD向け: 国内、中国、台湾の生産拠点を活用し、収益の最大化を目指す
- 事業拡大: 半導体関連商材の取り扱いを広げ、技術や商権の獲得に向けたM&Aも検討する
同社は1960年代から半導体関連ビジネスを手掛け、前工程から後工程まで幅広い商材を扱ってきた。今回の買収で材料メーカーを直接傘下に置き、既存の商材販売に加えて製造事業も取り込む形となる。
4社合算の売上高は154億円、営業利益22億円
アルバック成膜と子会社3社の単純合算では、2026年6月期の売上高が154.51億円、営業利益が22.31億円だった。いずれも前の2期から増加している。
| 決算期 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) |
|---|---|---|
| 2024年6月期 | 117.68 | 5.30 |
| 2025年6月期 | 135.70 | 16.12 |
| 2026年6月期 | 154.51 | 22.31 |
この合算値は各社の単純合算で、グループ連結の損益計算書や貸借対照表に基づく数値ではない。子会社ごとの業績にはばらつきもあり、台湾の会社は2026年6月期に営業損失を計上した一方、合肥の会社は2025年12月期に営業利益を計上している。
業績への影響は精査中
株式譲渡の実行は2026年12月18日を予定する。稲畑産業は、本件が連結業績と財政状態に与える影響を現在精査しており、公表すべき事項が生じた場合は速やかに知らせるとしている。
買収によって国内に加え中国、台湾の生産拠点もグループに入る。株主にとっては、マスクブランクス事業の成長取り込みに加え、各社の収益性や取得後の運営が連結業績にどう反映されるかが今後の注目点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/27)
4,505円
最新終値(2026/10/27)
4,505円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
専門商社業界の今
掲載35社稲畑産業は専門商社業界の掲載35社中、売上高で12位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +27.0%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- +9.0%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 12社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 3.0%
- 稲畑産業+29.8%
- 専門商社(業界平均)+27.0%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は22社合計で売上高+13.3%・営業利益+45.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は10社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは12社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはアルコニックス(営業利益+37.4%)。





タグ#稲畑産業#アルバック成膜#子会社化#半導体材料#マスクブランクス#FPD#M&A
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今回の買収は、商材の販売を中心としてきた稲畑産業が、マスクブランクスの製造事業と海外拠点を取り込む動きだ。4社合算の売上高と営業利益は直近3期で増えている一方、合算値は連結数値ではなく、子会社ごとの採算にも差がある。買収後の利益貢献と拠点間の連携を実績で示せるかが、成長戦略の進捗を測る焦点となる。
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