山九、2027年3月期の個別業績予想を下方修正、経常利益358億円で前期実績も下回る
山九は2027年3月期の個別業績予想を下方修正し、売上高を4,412億円、経常利益を358億円、純利益を277億円とした。前回予想をいずれも下回り、前期実績との比較では売上高が増える一方、経常利益と純利益は減る。物流事業の単価改定や構造改革は想定を上回るが、機工事業で春のSDM工事量が想定を下回った。連結予想は据え置いた。

開示の要点
- 修正後売上高
- 4,412億円
- 修正後経常利益
- 358億円
- 修正後純利益
- 277億円
- 連結予想
- 変更なし
個別予想は3項目を下方修正
山九は2027年3月期の個別業績予想を引き下げた。前回予想と前期実績を並べると、売上高は前期を上回る一方、経常利益と純利益は前期を下回る見通しだ。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 4,465 | 4,412 | 4,405.04 |
| 経常利益(億円) | 375 | 358 | 364.56 |
| 当期純利益(億円) | 285 | 277 | 294.03 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 113.71 | 110.48 | 114.61 |
前回予想に対する減少率は、売上高が1.2%、経常利益が4.5%、純利益が2.8%。売上高は前期実績の4,405.04億円を上回るものの、利益2項目と1株当たり利益は前期実績を下回る。前期比で見ると、売上高の確保と利益水準の回復は同じ動きになっていない。
物流の改善を機工の工事量減が打ち消す
個別予想の修正には、事業ごとの業績の違いが表れた。物流事業は期初予想を上回る見込みだが、機工事業の工事量が想定を下回り、全体では前回予想を引き下げた。
- 物流事業: 単価改定と構造改革の進展により、期初予想を上回る見込み。
- 機工事業: メンテナンスにおける春のSDM工事量が想定を下回った。
物流事業の改善だけでは、機工事業の想定未達を補いきれない構図だ。修正理由の説明では、事業別の売上高や利益の金額は示されていないため、個別予想全体の下方修正をどちらの事業がどの程度左右したかまでは読み取れない。
連結予想は変更せず、個別との違いに注目
個別業績予想を下方修正する一方、会社は連結業績予想を据え置いた。会社は、国内関係会社の機工部門と海外関係会社の物流事業が、期初予想を上回る見通しだと説明している。
- 国内関係会社: 機工部門で工事量が増える見通し。
- 海外関係会社: 物流事業で構造改革が進展する見通し。
個別は下方修正、連結は据え置きとなり、連結では関係会社の動向が予想を支える要因となっている。ただし、個別と連結で予想の方向が異なることだけから、関係会社が個別の減益分をどの程度補うかは判断できない。なお、会社は2026年10月1日を効力発生日として1株を5株に分割しており、1株当たり当期純利益は前会計年度の期首に分割したと仮定して算出している。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
1,652円
最新終値(2026/10/30)
1,652円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
山九をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて陸運・輸送業界の今
掲載30社山九は陸運・輸送業界の掲載30社中、売上高で14位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.8%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +2.1%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 6社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 10.5%
- 山九+5.0%
- 陸運・輸送(業界平均)+6.8%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は18社合計で売上高+8.1%・営業利益+9.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は16社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは日本通運(営業利益+20.0%)。






タグ#山九#業績予想修正#個別業績#物流事業#機工事業#経常利益#株式分割
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今回の修正では、物流事業の単価改定や構造改革の進展があっても、機工事業の工事量未達が個別業績を押し下げた点が焦点となる。一方、連結予想は関係会社の機工・物流部門を理由に維持した。投資家は、機工の工事量が今後戻るか、物流の改革効果が継続するかを、個別と連結の業績差とあわせて確認したい。事業ごとの回復の持続性が次の注目点だ。
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