ガラス・電子セラミックス5社、2026年中間期と27年3月期Q1、増益の勝者と利益格差
ガラス・電子セラミックス5社は、半導体需要や自動車の回復を追い風に、4社が増収でした。営業利益の伸びは日本ガイシの37.2%増が先頭。一方、日本電気硝子は31.8%減で通期予想も下方修正しました。日本特殊陶業の純利益急増には評価益が大きく、本業の伸びと一時益を分けて見る局面です。なお、中間期と第1四半期が混在し、単純比較には注意が要ります。
今期の総括
半導体需要が利益成長を左右
業界全体の動き
5社のうち4社が増収でした。ただし、利益の伸び方には差が出ています。
- 半導体・生成AI需要が日本ガイシ、日本特殊陶業、MARUWAを後押ししました。製造装置や電子部品の需要が強みにつながっています。
- 自動車関連の回復も追い風です。AGCは建築・自動車用ガラスの改善が寄与し、日本ガイシや日本特殊陶業も自動車関連が堅調でした。
- コストや投資負担は利益を左右しました。日本電気硝子は設備転換や修繕、立ち上げ費用が営業利益を押し下げました。
- 一時的な利益要因にも差があります。日本特殊陶業の純利益には有価証券評価益が大きく寄与しました。AGCも前年の減損損失の反動が利益を押し上げています。
なお、AGCと日本電気硝子は中間期、他の3社は第1四半期です。売上高や利益額の単純な順位は、期間の違いを踏まえて読む必要があります。
売上高ランキング
営業利益ランキング
勝者と敗者
本業の利益成長では、日本ガイシが目立ちました。営業利益は326億円、前年同期比37.2%増です。5社で最も高い伸びとなり、半導体関連や自動車排ガス浄化用部品の需要が支えました。営業利益率も17.7%です。
対照的に、日本電気硝子は営業利益が114億円、31.8%減でした。売上高は1.7%増にとどまり、構造改革や設備関連の費用が利益を圧迫。通期営業利益予想も200億円へ下方修正しました。
伸びる需要を利益に変える力で明暗が分かれました。なお、利益率の首位はMARUWAの33%です。営業利益は5.8%増と伸びは控えめですが、高い収益性が際立ちます。
- 好調
- 日本ガイシ
- 苦戦
- 日本電気硝子


営業利益率ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
注目の動き・戦略比較
各社の決算には、成長投資と事業の立て直しが表れました。
- AGCは建築・自動車用ガラスの需要回復や価格是正、エレクトロニクスの市況改善が寄与しました。営業利益は647億円、19.7%増。通期予想は据え置きです。
- 日本電気硝子は米国子会社の構造改革に伴う129億円の特別損失が出ました。ディスプレイ設備の転換や医療用ガラス設備の立ち上げも進めていますが、費用が先行しました。
- 日本ガイシは半導体製造装置向け製品が伸び、営業利益は37.2%増。NAS電池事業の撤退影響もあり、事業構成の見直しが続きます。
- 日本特殊陶業は売上高が19.9%増、営業利益が24.4%増でした。純利益には有価証券評価益995億円が寄与しており、本業の利益と分けて見る必要があります。
- MARUWAは生成AI関連の半導体需要や高速通信向け製品が伸びました。営業利益率は33%で、通期予想も上方修正しました。
業界共通のリスク
成長分野の需要が強くても、各社の利益が同じように伸びるとは限りません。
- 半導体やディスプレイの市況変動で、受注や設備稼働が変わるリスクがあります。
- 為替の変動は海外売上や調達コストに影響します。円安が追い風になる企業も、反転時には利益が揺らぎます。
- 設備転換や新工場の立ち上げでは、費用が先に出て投資回収が遅れることがあります。
- ガラス製造はエネルギーを多く使います。燃料価格や環境対応コストの上昇が重荷になり得ます。
- 自動車の電動化や製品技術の変化で、既存製品の需要や競争環境が変わる可能性があります。
- 評価益や減損の反動など、一時要因で純利益が大きく動く場合があります。
順位変化と構造トレンド
売上高ではAGCが1兆1,006億円で最大です。一方、規模の順位と収益力の順位は一致しません。利益率はMARUWAが33%、日本特殊陶業が20.5%で、AGCの5.9%を大きく上回りました。
半導体や通信向けの需要を取り込む企業が、収益性の面で存在感を高めています。ただし、日本特殊陶業の純利益は評価益の影響が大きく、利益成長の順位だけで本業の強さを判断しないことが大切です。
就活生・転職希望者へ
同じガラス・セラミックス業界でも、扱う製品や成長市場はさまざまです。半導体製造装置や通信向け部品に関わりたい人は、日本ガイシやMARUWAの動きが参考になります。自動車や建築、電子材料まで幅広く見たい人はAGCも候補です。
一方、構造改革や設備立ち上げの局面では、現場の改善や品質管理の力が問われます。会社の売上規模だけでなく、どの事業が伸びているか、投資がどのような仕事につながるかも確認しましょう。
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