地方銀行・準大手銀行5社、2027年3月期Q1は金利追い風でしずおかFGが首位
5社すべてが増収増益となり、金利上昇の恩恵が広がりました。ただし、売上高はふくおかFGが1,519億円(前年比+20.1%)で首位、利益はしずおかFGが470億円(同+51.0%)で首位です。あおぞら銀は純利益の伸び率でトップとなり、恩恵の差が鮮明になりました。
今期の総括
金利追い風でも勝ち筋は分かれた
業界全体の動き
5社すべてが前年同期比で増収増益でした。共通の追い風は、日銀の利上げを背景にした資金利益の拡大です。
- 資金運用収益が成長をけん引。しずおかFGは売上高1,368億円(前年比+49.0%)、千葉銀行は1,453億円(同+41.4%)でした。両社は5社平均の増収率+27.4%を上回りました。
- 利益の伸びは売上の伸びを上回る会社が多い。ふくおかFGは売上高1,519億円(同+20.1%)に対し、利益は415億円(同+27.5%)。金利上昇が利益を押し上げました。
- 有価証券収益も明暗を分ける要素。千葉銀行では有価証券利息配当金が前年同期の195億円から505億円へ増加。一方、債券売却や評価損が利益を削る場面もありました。
- 利益の伸び率と利益額は別の見方が必要。あおぞら銀は純利益が115億円(前年比+81.7%)と伸び率首位ですが、利益額ではしずおかFGの327億円(同+45.0%)が上回ります。
売上高ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
総合的な勝者は、利益額と利益率で先頭に立ったしずおかFGです。利益は470億円(前年比+51.0%)で5社首位。営業利益率も34.3%と、算出可能な4社で最高でした。売上高の伸び率も+49.0%で首位です。
ただし、利益の伸びには株式等売却益も寄与しました。貸出金利息や有価証券利息の増加に加え、売却益が利益を押し上げたため、今後も同じ伸びが続くとは限りません。
相対的に伸びが控えめだったのは横浜FGです。利益は455億円(前年比+18.6%)で5社中2位ですが、売上高の伸び率は+15.9%、純利益の伸び率は+18.4%と、ともに5社で最も低い水準でした。もっとも、4期連続の増益であり、業績が落ち込んだわけではありません。債券売却損を吸収しながら、貸出金利息を伸ばしています。
利益額の首位と伸び率の首位は別。投資家は一時的な売却益と、貸出・運用による継続収益を分けて見る必要があります。
- 好調
- しずおかFG
- 苦戦
- 横浜FG

営業利益ランキング
営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
各社の数字には、金利上昇以外の施策や収益源も表れています。
- 千葉銀行は自己株式取得を発表しました。資金運用収益は前年同期比55.5%増の1,122億円。一方、国債等債券損益は291億円の損失で、運用収益の拡大と金利リスクが同時に見えます。
- しずおかFGは貸出金利息や有価証券利息に加え、株式等売却益も利益を押し上げました。利益は470億円(前年比+51.0%)で首位ですが、売却益に頼りすぎない収益力が次の焦点です。
- ふくおかFGは資金利益が前年同期比114億円増。貸出金利息は75億円(同+27.8%)、有価証券利息配当金は32億円(同+24.6%)でした。売上高も1,519億円(同+20.1%)で首位です。
- 横浜FGは債券売却損を抱えながら、貸出金利息の増加で増益を確保しました。年間配当も前期比9円増の方針を示し、株主還元を強めています。
- あおぞら銀は投資銀行部門を含む全社の収益が伸びました。純利益は115億円(前年比+81.7%)で伸び率首位。年間配当予想は100円で、第1四半期末に25円を予定しています。
業界共通のリスク
金利上昇は追い風ですが、銀行の収益や保有資産に逆風をもたらす面もあります。
- 預金金利の上昇。預金者への利払いが増えると、貸出金利の引き上げが追いつかず、利ざやが縮む恐れがあります。
- 債券価格の下落。金利が上がると既発債の価格は下がります。千葉銀行では国債等債券損益が291億円の損失となり、横浜FGも債券売却損を抱えました。
- 一時的な売却益への依存。しずおかFGのように株式等売却益が利益を押し上げた場合、翌期に同じ収益を確保できるとは限りません。
- 貸出先の信用リスク。景気や金利の変化で企業や個人の返済負担が増すと、与信費用が膨らむ可能性があります。
- 地域人口の減少と競争。地元企業や個人の資金需要が細るなか、他行やネット銀行との競争が続きます。融資以外の収益源を育てることも課題です。
順位変化と構造トレンド
売上高はふくおかFGが1,519億円(前年比+20.1%)で首位でした。一方、売上高の伸び率はしずおかFGが+49.0%でトップです。利益額ではしずおかFGが470億円(同+51.0%)で首位となり、規模と成長速度で異なる顔ぶれが並びました。
営業利益率は、数値がある4社の平均が27.8%です。しずおかFGの34.3%がこれを上回る一方、あおぞら銀は20.7%でした。横浜FGは利益率が不明のため、この比較には含められません。
金利上昇の恩恵は広く届いていますが、今後は預金コストや債券損失を抑え、貸出金利息などの継続収益を伸ばせるかが差を生みそうです。
就活生・転職希望者へ
銀行の仕事は、預金や融資だけではありません。金利環境の変化を踏まえた資産運用、企業の資金調達支援、地域企業の課題解決など、収益の柱は広がっています。
今回、しずおかFGは利益率、ふくおかFGは売上高、あおぞら銀は純利益の伸び率で存在感を示しました。志望先を比べる際は、業績規模だけでなく、法人営業、運用、投資銀行、デジタル分野など、どの専門性を伸ばせるかにも注目したいところです。
タグ#地方銀行#準大手銀行#2027年3月期#第1四半期決算#金利上昇#しずおかFG#千葉銀行#ふくおかFG#横浜FG#あおぞら銀行
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