富士急行、2027年3月期第1四半期決算、増収も運輸減益をレジャーが補う

富士急行の2027年3月期第1四半期決算は、営業収益が前年同期比3.9%増の128億24百万円、営業利益が0.5%増の16億84百万円、純利益が0.2%増の10億76百万円でした。富士急ハイランドなどを含むレジャー・サービス業が伸びた一方、天候不順やロープウェイの運休で運輸業は減益となり、レジャーの好調が運輸の落ち込みを補う構図が鮮明です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 128億円 | +3.9% | 565億円 | 23% |
| 営業利益 | 17億円 | +0.5% | 90億円 | 19% |
| 純利益 | 11億円 | +0.2% | 58億円 | 19% |
| 営業利益率 | 13.1% | |||
この決算のポイント
- 1レジャー・サービス業は営業収益が前年同期比8.8%増、営業利益は214.8%増と大きく伸長
- 2運輸業は営業収益が1.3%減、営業利益が29.4%減。天候不順と施設の運休が響く
- 3不動産業は営業収益2.4%減。山中湖畔別荘地の販売・仲介は土地転貸承認待ち
- 4通期予想は営業収益565億円、営業利益89億50百万円で据え置き。年間配当予想は33円
業績のポイント
富士急行(富士急行)は2027年3月期第1四半期、営業収益が前年同期比3.9%増、営業利益が0.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が0.2%増となりました。営業収益の伸びに対して営業利益の増加が小さく、事業ごとの明暗が分かれています。
- 増収の中心: レジャー・サービス業の営業収益が前年同期比8.8%増となり、全体を押し上げました。
- 利益を圧迫: 運輸業は営業利益が29.4%減。6月の天候不順に加え、富士山パノラマロープウェイなどの運休が響きました。
- 利益の下支え: その他の事業は営業収益が4.5%増、営業利益が22.6%増。富士ミネラルウォーターなどの販売が好調でした。
会社は、地政学的リスクや物価・原材料・エネルギー価格の高止まりが続く一方、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は底堅いと説明しています。増収を確保したものの、観光関連事業は天候や運休の影響を受けやすく、レジャー部門の集客力を運輸の回復につなげられるかが今後の焦点です。
セグメント別動向
部門別では、レジャー・サービス業が増収増益をけん引する一方、運輸業は減益となりました。各部門の営業収益は、社内取引を含むセグメントの営業収益を基準にしています。
運輸業は営業収益が49億92百万円、前年同期比1.3%減、営業利益は9億20百万円、29.4%減でした。高速バスの増便や船舶事業の好調はあったものの、鉄道の輸送人員減少、6月の天候不順、富士山パノラマロープウェイなどの運休が重なりました。ロープウェイは安全性向上のための更新・リニューアル工事に伴い運休しており、集客と安全投資の両立が課題です。
レジャー・サービス業は営業収益が61億2百万円、8.8%増、営業利益が5億63百万円、214.8%増でした。富士急ハイランドのイベントやホテルの改装、さがみ湖MORI MORIの催しなどが集客に寄与し、利益も大きく伸びました。不動産業は営業収益が6億75百万円、2.4%減、営業利益が1億28百万円、1.4%減。山中湖畔別荘地では土地転貸の承認が得られず、販売・仲介を再開できていません。
- その他の事業: 営業収益は17億95百万円、4.5%増、営業利益は88百万円、22.6%増。富士ミネラルウォーターの業務用受注やアルミボトル缶、車載機器の販売が好調でした。
レジャー部門では、施設の改装やイベント、新しいアクティビティの投入が売上と利益に結びつきました。一方、運輸部門は天候や設備工事の影響を受けており、観光需要の取り込みだけでなく、運休を伴う投資後の利用回復も重要になります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 運輸業 | 50億円 | 39% | 9億円 | 18.6% |
| 不動産業 | 5億円 | 4% | 1億円 | 23.8% |
| レジャー・サービス業 | 61億円 | 47% | 6億円 | 9.3% |
| その他 | 13億円 | 10% | 88.749百万円 | 7.0% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は1,040億17百万円で、2026年3月末から12億29百万円増加しました。年間配当予想は前期実績から1円増の33円で、会社は直近公表の配当予想を変更していません。
| 項目 | 2026年3月末 | 2026年6月末・予想 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 1,027.87 | 1,040.17 | +12.29 |
| 自己資本比率 | 40.2% | 40.7% | +0.5ポイント |
| 借入金・社債(億円) | 421.83 | 435.74 | +13.90 |
| 年間配当(円) | 32 | 33 | +1円 |
現金及び預金は期末から9億7百万円増加しましたが、短期・長期借入金と社債を合わせた額も増えています。純資産は配当の支払いなどでほぼ横ばいとなり、自己資本比率は小幅に上昇しました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの内訳は確認できません。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は、2026年5月13日に公表した内容から変更ありません。営業収益は前期比5.6%増、営業利益は2.1%増を見込む一方、純利益は0.8%減の計画です。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(概算) | 今回予想の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 56,500 | 56,500 | 約53,504 | +5.6% |
| 営業利益 | 8,950 | 8,950 | 約8,766 | +2.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,750 | 5,750 | 約5,796 | -0.8% |
前期実績の概算は、短信に記載された前年比から逆算した参考値で、前年比が小数第1位に丸められているため実績値そのものではありません。第1四半期は営業利益の伸びが小幅にとどまりましたが、会社は業績予想を維持しています。年間配当も33円の予想を据え置いており、今後は夏場以降の観光需要や、運休していた施設の営業再開後の動きが見通し達成のポイントです。
リスクと課題
今回の決算では、観光需要の取り込みに加え、天候や施設の運休、コスト上昇が利益に与える影響が表れました。会社も、実際の業績はさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしています。
- 天候・観光需要: 6月の天候不順が運輸業の業績に影響しました。天候が悪化すれば、鉄道や観光施設、レジャー関連の利用減少につながる可能性があります。
- 設備の運休・工事: 富士山パノラマロープウェイは更新工事などで運休し、水陸両用バス「山中湖のKABA」も運休がありました。安全性向上に必要な工事でも、運休期間中は売上機会を失います。
- 不動産販売の停滞: 山中湖畔別荘地は山梨県の土地転貸承認が得られず、販売・仲介を再開できていません。承認の遅れが続けば、関連収益の回復も遅れるおそれがあります。
- 物価・金利・資金負担: 原材料・エネルギー価格の高止まりが続き、借入金と社債の合計も前期末から増加しました。費用や支払利息の増加が利益を圧迫する可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/4)
2,694円
最新終値(2026/10/23)
2,625円-2.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#富士急行#決算#決算分析#四半期決算#レジャー・サービス#運輸業#富士急ハイランド#配当
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コメント
レジャー・サービス業が大きく伸びた一方、運輸業の利益減を埋め切るには至らず、観光施設の集客力と交通部門の収益力に差が出た決算です。イベントや施設改装が利益につながった点は前向きですが、天候や運休が利益を揺らす事業構造は引き続き注視が必要です。
通期予想は据え置かれました。夏以降の観光需要に加え、工事を終えた施設の稼働回復や、山中湖畔別荘地の販売再開に進展があるかが、会社計画の達成度を測る材料になります。
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