壱番屋、2027年2月期第2四半期決算、売上高10%増も食材高で営業減益

壱番屋の2027年2月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比10.0%増の352億27百万円となった一方、営業利益は17.2%減の20億91百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は20.9%減の10億95百万円だった。国内CoCo壱番屋の既存店が堅調で、海外や国内子会社も拡大したが、米など食材の仕入価格や物流費の上昇が利益を圧迫した。売上拡大とコスト増が同時進行する決算だ。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 352億円 | +10.0% | 726億円 | 49% |
| 営業利益 | 21億円 | -17.2% | 50億円 | 42% |
| 純利益 | 11億円 | -20.9% | 27億円 | 40% |
| 営業利益率 | 5.9% | |||
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比17.2%減の20億91百万円、食材費や物流費の上昇が響いた。
- 2国内CoCo壱番屋の既存店売上高は2.4%増、客数は前年並みで客単価が2.5%上昇。
- 3海外店舗売上高は14.6%増の103億61百万円、台湾や中国などが好調だった。
- 4国内子会社の店舗売上高は62.8%増の33億80百万円、旧ヤム邸の5店舗を取得した。
- 5年間配当予想は前期と同じ16円、通期業績予想も据え置いた。
業績のポイント
壱番屋(株式会社壱番屋)の中間期は、増収ながら営業利益と純利益が減る結果となった。売上高は前年同期比10.0%増の352億27百万円、営業利益は17.2%減の20億91百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は20.9%減の10億95百万円だった。
- 売上高: 国内CoCo壱番屋の既存店が堅調に推移し、海外・国内子会社も事業を拡大した。
- 営業利益: 米をはじめとする食材の仕入価格上昇や、物流費などの増加が利益を押し下げた。
- 経常利益: 19.1%減の21億91百万円。営業利益の減少に加え、営業外収益も前年同期を下回った。
- 利益率: 営業利益率は5.9%で、前年同期の約7.9%から低下した。
売上高の伸びは、店舗網の拡大だけでなく、既存店の販売が底堅かったことを示す。一方、売上の増加が利益成長に結びつかず、原材料や物流のコストを価格設定、商品構成、業務効率でどこまで吸収できるかが焦点となる。売上成長と利益回復の両立が課題だ。
セグメント別動向
壱番屋グループは飲食事業と付帯業務の単一セグメントとして開示しており、事業別の連結売上高・営業利益は公表していない。以下は決算短信に記載された店舗売上高などの事業KPIで、連結売上高の内訳とは異なる。
| 事業KPI(百万円) | 中間期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 国内CoCo壱番屋の店舗売上高 | 47,683 | +2.9% |
| 海外の店舗売上高 | 10,361 | +14.6% |
| 国内子会社の店舗売上高 | 3,380 | +62.8% |
| 外販事業の売上高 | 282 | +42.5% |
国内CoCo壱番屋は、既存店売上高が2.4%増えた。客数は前年並みだったが、コラボ企画や期間限定メニューが客単価を押し上げ、客単価は2.5%上昇した。ホロライブや映画「ちいかわ」との企画も幅広い客層の来店につながった。
海外事業は台湾や中国などが好調で、為替影響を除いた既存店売上高も1.1%増えた。米国ではサンディエゴ・パドレスの本拠地に「Petco Park店」を出店し、ブランド認知や周辺店舗への送客を狙う。
国内子会社事業は新規出店に加え、2026年3月にスパイスカレー店「旧ヤム邸」5店舗を取得した。外販事業では共同開発商品の発売やEC販売が伸びており、主力カレー店以外のブランドや販売経路も広がっている。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比3億8百万円増の484億79百万円、自己資本比率は67.0%から66.5%へ低下した。営業活動で資金を確保しながら、設備取得や子会社株式取得にも支出している。
| 項目 | 2026年8月末・中間期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 48,479百万円 | 前期末比+308百万円 |
| 自己資本比率 | 66.5% | 前期末比-0.5ポイント |
| 営業キャッシュフロー | +2,327百万円 | 前年同期は+2,567百万円 |
| 投資キャッシュフロー | -1,707百万円 | 前年同期は-1,780百万円 |
| 財務キャッシュフロー | -1,556百万円 | 配当金支払いが主因 |
現金及び現金同等物は期首から8億21百万円減り、122億27百万円となった。営業活動によるキャッシュフローは黒字を保った一方、投資活動では有形固定資産の取得に12億58百万円、子会社株式の取得に1億86百万円を支出した。
中間配当は1株8円で、年間配当予想は16円と前期実績から変更していない。財務活動によるキャッシュフローの減少には12億75百万円の配当支払いが含まれ、成長投資と株主還元を続ける一方、利益や手元資金の推移も確認したい。
通期見通し
2027年2月期の連結業績予想は、2026年4月公表値から変更していない。売上高は前期比10.8%増、営業利益は6.0%増、親会社株主に帰属する当期純利益は6.1%増を見込む。
| 項目 | 2027年2月期予想 | 前期比 | 前回予想からの変更 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 72,600百万円 | +10.8% | 変更なし |
| 営業利益 | 5,000百万円 | +6.0% | 変更なし |
| 経常利益 | 5,040百万円 | +1.1% | 変更なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,720百万円 | +6.1% | 変更なし |
中間期の進捗率は売上高48.5%、営業利益41.8%、純利益40.3%。売上高は通期計画のほぼ半分に達したが、利益は売上高より進捗が遅れており、後半に利益率をどこまで戻せるかが鍵になる。
会社は食材価格や物流費の上昇を理由にした予想修正を行わず、通期計画を維持した。予想達成には、既存店の販売を保ちながらコスト増を吸収する必要があり、次の四半期では利益の回復度合いと国内外の既存店動向が注目される。
リスクと課題
売上高は伸びているものの、利益面ではコスト上昇の影響が表れた。通期予想を維持するなか、原材料価格や店舗運営費の変化が計画達成を左右する。
- 食材価格の上昇: 米などの仕入価格が上がり、価格転嫁やメニュー構成の見直しが追いつかなければ利益率を圧迫する。
- 物流費などの増加: 店舗や商品販売の拡大に伴う物流費、人件費などが増えれば、増収分が利益に残りにくくなる。
- 海外市場のばらつき: 国・地域によって既存店の動きに差があり、韓国や米国本土などで販売が弱含む局面もある。為替や現地需要の変化にも注意が必要だ。
- 店舗拡大と採算性: 海外出店や国内子会社のブランド拡大は成長機会となる一方、不採算店舗の撤退や買収後の運営が想定どおり進まない場合、費用や減損損失につながる可能性がある。
特に重要なのは、集客施策による売上増を持続的な利益に結びつけられるかどうかだ。既存店の客数、客単価に加え、原価や物流費の上昇を吸収できているかを追う必要がある。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/5)
1,101円
最新終値(2026/10/23)
1,061円-3.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#壱番屋#決算#決算分析#四半期決算#CoCo壱番屋#原材料価格#海外展開#既存店売上高#配当
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コメント
CoCo壱番屋の国内既存店が底堅く、海外や子会社ブランドも伸びている点は成長の支えです。一方、増収でも営業減益となったため、店舗拡大だけでなく、食材費や物流費を吸収する力が問われています。
通期予想を据え置いた判断が妥当かは、下期の利益回復で見えてきます。国内の客数を保てるか、海外の地域差や取得ブランドの採算を管理できるかに注目したいです。
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