マクドナルド、2026年12月期第2四半期決算、営業利益15%増で通期予想を上方修正

マクドナルド(日本マクドナルドホールディングス)が発表した2026年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比0.4%増の2,040億5,800万円、営業利益が同15.2%増の302億円となり、増収増益を達成しました。システムワイドセールスは前年同期比8.0%増の4,643億2,200万円、既存店売上高は5.9%増で43四半期連続のプラス成長を記録。好調な業績を踏まえ、通期業績予想は売上高4,080億円、営業利益555億円へと上方修正されました。
決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,041億円 | +0.4% | 4,080億円 | 50% |
| 営業利益 | 302億円 | +15.2% | 555億円 | 54% |
| 純利益 | 197億円 | +17.0% | 350億円 | 56% |
| 営業利益率 | 14.8% | |||
業績のポイント
マクドナルド(日本マクドナルドホールディングス)の2026年12月期第2四半期(2026年1月~6月)連結業績は、売上高2,040億5,800万円(前年同期比0.4%増)、営業利益302億円(同15.2%増)、経常利益308億1,600万円(同17.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益196億5,700万円(同17.0%増)と、増収増益かつ利益率が大幅に改善する決算となりました。
売上高の伸びは緩やかながら、既存店売上高が5.9%増と好調で、2015年度第4四半期から43四半期連続の既存店売上高増加を達成。原材料費や人件費の上昇を価格改定や原価低減で吸収し、売上原価率は前年同期の79.1%から77.3%へと1.8ポイント改善。販管費も抑制し、営業利益率は14.8%に上昇しました。
この結果を受け、2026年12月期通期業績予想を上方修正。売上高4,080億円(前期比2.1%減だが上方修正)、営業利益555億円(同4.2%増)、純利益350億円(同3.2%増)を見込みます。中期経営計画の財務目標である営業利益率13%をすでに上回る13.6%を計画しており、収益性の高さが際立ちます。
事業・チャネル別動向
マクドナルドの事業はハンバーガーレストラン単一ですが、直営店舗とフランチャイズ店舗の2つのチャネルに大別できます。当中間期の直営店舗売上高は1,238億2,400万円(前年同期比7.1%減)と減少しましたが、これは戦略的にフランチャイズへの転換を進めた結果です。実際、フランチャイズ収入は802億3,300万円(同14.7%増)と大幅に伸び、全体の売上高を下支えしました。
売上原価の内訳をみると、直営店舗の原価率は87.6%(前年同期比0.6ポイント改善)と効率化が進みました。特に労務費率が24.8%(同1.1ポイント改善)と大きく低下し、店舗オペレーションの生産性向上が寄与しています。フランチャイズ収入原価率は61.4%(同0.3ポイント改善)と安定しています。
店舗数は直営が664店(前期末比41店減)、フランチャイズが2,374店(同54店増)となり、合計3,038店と純増を続けています。新規出店35店、閉店22店、リモデル189店を実施し、中期計画の「3年間で100店舗以上の純増・リモデル1,000店舗以上」に向けて順調に進捗しています。システムワイドセールス(直営+フランチャイズの合計売上高)は4,643億2,200万円(前年同期比8.0%増)と二桁成長に迫る勢いで、フランチャイズ戦略が収益拡大に貢献していることがわかります。
財務状況と資本政策
当中間期末の総資産は3,616億1,600万円と前期末比28億5,700万円の微減。現金及び預金が666億3,400万円と47億8,700万円減少した一方、有形固定資産が1,677億4,000万円と増加しており、積極的な店舗投資を続けている姿が浮かびます。自己資本比率は80.9%(前期末77.0%)と極めて高く、無借金経営に近い財務の健全性を維持しています。
キャッシュフローは、営業活動で244億8,500万円の収入(前年同期比54億6,500万円減)、投資活動で217億4,400万円の支出(同1億600万円減)、財務活動で75億2,700万円の支出(配当金74億4,500万円など)となり、現金同等物は前期末比47億8,700万円減の666億3,400万円。フリーキャッシュフローは実質的にプラスを確保しており、投資と株主還元のバランスが取れています。
配当は前期の年間56円から64円へと8円の増配を計画。中間配当は無配ですが、期末に一括して支払う方針です。自社株買いは実施していませんが、高水準の利益剰余金(2,305億1,300万円)を背景に、今後の更なる株主還元余力は大きいといえます。
リスクと課題
マクドナルドが決算短信で直接的に対象リスクを列挙しているわけではありませんが、中期経営計画や事業環境の記述から以下のリスク・課題が読み取れます。
- 原材料価格の変動:材料費率が直営店舗で38.1%と前年比0.9ポイント上昇しており、輸入食材の為替影響や世界的な食料価格動向が収益を圧迫する可能性があります。
- 人件費の上昇:労務費率は前年比改善したものの、人手不足や最低賃金引き上げの流れは続いており、店舗運営コストの増加リスクは根強く残ります。
- 競争激化と消費者ニーズの変化:外食産業全体で価格競争やデジタル化が進む中、メニュー開発やプロモーションの成否が業績を左右します。
- サステナビリティ対応の遅れ:2050年ネットゼロ達成に向けた設備投資やプラスチック削減などの環境施策に多くの経営資源を投入する必要があり、コスト増につながる可能性があります。
- 為替変動リスク:海外からの食材調達やロイヤリティ収支に影響を与える円相場の動向には引き続き注意が必要です。
これらのリスクに対し、同社は「メニュー・バリュー」「店舗ポートフォリオ・デジタル」「サステナビリティ・ピープル」の3領域への戦略投資で対応する方針を示しています。
通期見通し
2026年12月期の通期連結業績予想は、第2四半期の好調を受けて上方修正されました。修正後の計画は、売上高4,080億円(前期比2.1%減ながら従来予想から引き上げ)、営業利益555億円(同4.2%増)、経常利益555億円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益350億円(同3.2%増)です。
上方修正の背景には、システムワイドセールスの堅調な拡大と店舗収益性の向上があります。既存店売上高の連続増加が続く中、新店開発とリモデルによるキャパシティ拡大が売上を押し上げ、効率的なオペレーションが利益率改善に直結しています。また、フランチャイズ収入の増加が利益の下支えとなっており、安定した収益構造が構築されつつあります。
1株当たり当期純利益は263.24円と予想。中期経営計画で掲げる営業利益年平均成長率4~6%のレンジ上限に近い成長を見込んでおり、今後の進捗に注目が集まります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
8,060円
最新終値(2026/10/23)
8,330円+3.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#マクドナルド#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#上方修正#既存店売上高#システムワイドセールス#配当増額#外食産業
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コメント
マクドナルドの第2四半期決算は、一見すると増収率が0.4%とわずかですが、直営店からフランチャイズへの転換を加速させながら、システムワイドセールスで8%増を達成した点が真の強さを示しています。
営業利益率14.8%は、中期計画目標の13%を大きく上回り、原価低減と販管費抑制が着実に進んでいる証拠です。特に労務費率の改善は、デジタル投資やオペレーション効率化の成果が表れたものと評価できます。
43四半期連続既存店増は圧巻の安定感であり、ブランド力とマーケティング戦略の成功を物語ります。一方で、売上高の伸びが一桁台にとどまる中、今後の成長余地は新規出店とリモデルによるキャパシティ拡大にかかっています。フランチャイズ比率を高めながら収益性を向上させるこのモデルは、資本効率の高さから株主にとって魅力的であり、更なる増配や自社株買いへの期待も膨らみます。
投資家の視点では、フリーキャッシュフロー創出力と80%超の自己資本比率は際立っており、ディフェンシブ銘柄としての魅力も失っていません。就活生には、ピープル重視の経営姿勢(なでしこ銘柄選定、カムバっ!クルーなど)が企業文化の理解に役立つでしょう。
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