コシダカ、2026年8月期通期決算は増収も営業減益、来期17%増益予想

コシダカの2026年8月期決算を分析すると、売上高は804億円と15.9%増えた一方、営業利益は107億円で5.5%減となり、増収減益でした。人件費や光熱費の上昇、店舗更新やDXへの投資が利益を圧迫しましたが、固定資産売却益や減損損失の縮小などで純利益は20.7%増。2027年8月期は営業利益17.0%増を見込み、年間配当も30円へ増やす計画です。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 804億円 | +15.9% | 904億円 |
| 営業利益 | 108億円 | -5.5% | 126億円 |
| 純利益 | 63億円 | +20.7% | 71億円 |
| 営業利益率 | 13.4% | ||
この決算のポイント
- 1カラオケ事業の売上高は16.3%増、営業利益はコスト増などで3.0%減
- 2スタンダードの店舗事業を承継し、JOYSOUNDブランドを含む店舗網を拡大
- 32027年8月期は売上高12.4%増、営業利益17.0%増を計画
- 4年間配当は28円から30円へ増配予定、自己資本比率は53.8%
- 5連続赤字店舗などの見直しで減損損失29億円を計上
業績のポイント
コシダカ(コシダカホールディングス)の2026年8月期は、売上高が804億円と前年比15.9%増、営業利益は107億円と5.5%減、親会社株主に帰属する純利益は63億円と20.7%増でした。増収ながら営業減益となり、営業利益率も16.4%から13.4%へ低下しました。
- 売上高: カラオケ店の出店に加え、スタンダードの店舗事業を承継したことなどが増収に寄与しました。
- 営業利益: 人件費や水道光熱費の上昇に加え、店舗更新、新POSシステム、「E-bo」などのDX投資費用が重荷となりました。
- 純利益: 前期に比べ減損損失が縮小し、固定資産売却益も計上したことなどから、営業減益とは逆に増益でした。
売上拡大と利益率低下が同時進行した決算です。既存店売上高は前年並みで、売上の伸びには新規出店や店舗事業の承継が大きく寄与しました。利益を伸ばすには、コスト上昇を吸収する価格設定や店舗運営の効率化、投資の収益化が焦点になります。
セグメント別動向
主力カラオケ事業は店舗網拡大で大幅増収となった一方、利益はコスト増や投資負担から減少しました。売上の前年比と利益の増減を並べると、主力事業の規模と利益面の課題が分かります。
| セグメント | 売上高の前年比 | 営業利益の前年比・増減 |
|---|---|---|
| カラオケ | +16.3% | -3.0%、3.75億円減 |
| 不動産管理 | +2.9% | -1.2%、約0.03億円減 |
| その他 | +5.1% | 約0.93億円減、赤字転落 |
カラオケは売上高780億円、セグメント利益120億円でした。38店舗を新設し、スタンダードから承継した事業も加わりましたが、大型コラボ施策の反動で既存店売上高は前年並み。人件費や光熱費、家賃、店舗更新、DX関連費用が利益を押し下げました。
不動産管理は売上高19億円、利益2億円で、主要物件の稼働を維持しました。「厚木ビスタホテル」の売却益は特別利益に計上されており、セグメント利益とは区別されます。その他は飲食店の売上が増えたものの、新規出店費用などで0.55億円の営業損失となりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| カラオケ | 781億円 | 97% | 120億円 | 15.4% |
| 不動産管理 | 14億円 | 2% | 2億円 | 15.7% |
| その他 | 9億円 | 1% | -55.529百万円 | -6.0% |
財務状況と資本政策
総資産は店舗事業の承継や設備投資などを背景に前年比15.2%増の790億円となり、自己資本比率は53.8%と前期末から2.6ポイント上昇しました。営業キャッシュフローは黒字を維持しましたが、出店や事業承継に伴う投資で現金及び現金同等物は減少しています。
| 項目(億円) | 2026年8月期 | 前期比・状況 |
|---|---|---|
| 総資産 | 790 | +15.2% |
| 営業キャッシュフロー | 106 | 前期127億円から減少 |
| 投資キャッシュフロー | -126 | 前期は-83億円 |
| 財務キャッシュフロー | -22 | 前期は-8億円 |
| 期末現金及び現金同等物 | 65 | 前期末104億円から減少 |
- 配当: 2026年8月期は年間28円と前期の24円から増配。2027年8月期は中間・期末各15円、年間30円を予定しています。
- 資本政策: 転換社債型新株予約権付社債の転換により資本金と資本剰余金がそれぞれ15億円増加しました。決算短信に大規模な自社株買いの発表はありません。
設備投資や吸収分割に伴う支出が膨らみ、期末資金は前期末より40億円減少しました。一方、自己資本比率は改善し、営業活動による資金創出も続いています。増配計画を維持しながら、拡大投資が将来の利益やキャッシュ創出につながるかが重要です。
通期見通し
2027年8月期は売上高904億円、営業利益126億円を見込み、前期比でそれぞれ12.4%増、17.0%増を計画しています。営業利益の伸びが売上高の伸びを上回る見通しで、増収に加えて利益率の回復を目指す内容です。
| 項目(億円) | 2026年8月期実績 | 2027年8月期予想 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 804 | 904 | +12.4% |
| 営業利益 | 108 | 126 | +17.0% |
| 経常利益 | 110 | 123 | +12.0% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 63 | 71 | +12.5% |
会社は、中期経営ビジョン「EIP」の最終年度にあたり、2027年8月期を次期中期経営計画のロードマップを固める年と位置付けています。予想達成には、人件費や光熱費の上昇を抑えつつ、買収・出店で拡大した店舗網の運営効率を高めることが欠かせません。予想は発表時点の情報に基づくもので、資源価格や為替などの変化で実績が異なる可能性があります。
戦略トピック
コシダカは2025年11月、スタンダードからカラオケ店舗などの事業を吸収分割で承継しました。取得対価は35億円で、カラオケ事業の店舗網とブランドを広げ、運営ノウハウや顧客データを活用する狙いです。
- 承継事業: カラオケ、複合カフェ、飲食店など計73店舗を対象とし、承継後にカラオケ店舗事業として加わった店舗は70店舗です。
- 店舗網: 承継後の出店・閉店を経て、スタンダードが運営する店舗は期末に67店舗となりました。
- ブランド・運営: 「JOYSOUND」がグループに加わり、「カラオケまねきねこ」とのブランドの棲み分けやサービス統合、運営効率化を進めます。
- 海外展開: マレーシアに4店舗、インドネシアに1店舗を出店。米国、フィリピンでも出店準備を進めています。
会社は、この承継を単なる店舗数の拡大ではなく、顧客特性に応じた販売施策や運営体制の効率化につなげる方針です。また、EIP後の構想として、国内カラオケ、海外、新規業態・周辺ビジネスの3本柱で売上高3,000億円規模を目指す青写真を示しました。買収した店舗の収益改善と、海外展開の採算確保が今後の評価ポイントです。
リスクと課題
会社は、コスト高や地政学リスクなど不確実性の高い経営環境が続くと見ています。店舗数の拡大だけでなく、既存店の収益性と新規投資の回収を両立できるかが課題です。
- 人件費・採用難: 人材確保の競争激化と賃金上昇が店舗運営費を押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。
- 光熱費・仕入価格: 水道光熱費や食材価格の上昇が続けば、価格改定や経費削減だけでは吸収しきれない恐れがあります。
- 店舗投資の回収: 店舗更新や新店、DX投資が先行しています。連続赤字店舗などに対して減損損失29億円を計上しており、出店後の採算管理が重要です。
- 海外・買収後の運営: 海外出店やスタンダードの事業承継は成長機会となる一方、現地での需要把握やブランド統合、運営効率化が計画どおり進まないリスクがあります。
- 外部環境: 地政学リスク、資源・原材料価格、為替、主要国の通商政策の変化が、費用や事業計画に影響する可能性があります。
特に、売上高の伸びに対して営業利益が減少した今回の実績は、成長投資とコスト管理の両立が容易でないことを示します。会社予想では次期に営業増益を見込むため、既存店の利益回復と、承継・新設店舗が利益に貢献する時期を確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/9)
974円
最新終値(2026/10/23)
948円-2.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#コシダカ#決算#決算分析#通期決算#カラオケまねきねこ#増収減益#JOYSOUND#海外展開#増配
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コメント
店舗承継と出店で売上規模を広げる一方、営業利益率が低下しており、成長の質が問われる決算です。純利益の増加には固定資産売却益や減損損失の縮小も寄与しているため、継続的な稼ぐ力を見るには営業利益の回復が重要です。
スタンダードの店舗や海外出店が、今後どれだけ利益に結びつくかが最大の注目点です。次期の営業利益17%増予想は力強いものの、人件費・光熱費の上昇が続くなか、既存店の収益改善と買収店舗の運営効率化が計画達成のカギになるでしょう。
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掲載企業

株式会社コシダカホールディングス
東証 2157
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