ノーリツ、2026年12月期第2四半期決算、国内好調で営業益10%増

ノーリツの2026年12月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比1.1%増、営業利益は10.6%増となり、国内事業の伸びが中国市場の低迷を補いました。親会社株主に帰属する中間純利益は投資有価証券の売却益を計上し、314.9%増の49億96百万円です。通期売上高予想は引き上げた一方、営業利益予想は据え置きました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 996億円 | +1.1% | 2,140億円 | 47% |
| 営業利益 | 18億円 | +10.6% | 45億円 | 41% |
| 純利益 | 50億円 | +314.9% | 86億円 | 58% |
| 営業利益率 | 1.8% | |||
この決算のポイント
- 1国内事業は売上高が前年同期比6.3%増、セグメント利益は99.4%増の13億42百万円。
- 2海外事業は中国市況の低迷が響き、売上高9.2%減、セグメント利益50.1%減の4億91百万円。
- 3投資有価証券売却益46億99百万円を計上し、中間純利益は前年同期比314.9%増。
- 4通期売上高予想を2,140億円に引き上げ、年間配当予想は前期比20円増の94円。
業績のポイント
ノーリツ(ノーリツ)は2026年1~6月期に増収増益となりました。売上高は前年同期比1.1%増の995億66百万円、営業利益は10.6%増の18億34百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は314.9%増の49億96百万円です。
- 売上高: 前年同期から10億43百万円増。国内事業の伸びが中国市場の低迷による海外売上の減少を補いました。
- 営業利益: 前年同期から1億76百万円増。国内の増収効果や加工費低減が寄与した一方、金型の減価償却方法変更で利益が3億2百万円押し上げられました。
- 経常利益: 前年同期比9.6%減の20億20百万円。為替差損や割増退職金、納期遅延関連費用など営業外費用が増えました。
- 中間純利益: 投資有価証券売却益46億99百万円を計上し、大幅増益となりました。
国内の増収が営業増益をけん引した一方、最終利益の伸びには有価証券売却益が大きく影響しています。営業利益には会計方針変更による押し上げ効果も含まれるため、今後は本業の販売増やコスト改善が継続するかを見極める必要があります。
セグメント別動向
国内事業は売上高693億62百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益13億42百万円(同99.4%増)でした。温水空調分野では販売台数が増え、自然冷媒を使うハイブリッド給湯機「HPHB R290」や非住宅向けが伸長しました。厨房分野も新製品のビルトインコンロやレンジフードが堅調で、増収効果と加工費低減が利益を押し上げました。
海外事業は売上高302億3百万円(同9.2%減)、セグメント利益4億91百万円(同50.1%減)でした。中国の市況低迷による売上減を固定費の抑制で補いきれませんでしたが、北米では家庭用タンクレス給湯器の販売チャネル見直しや業務用・暖房用機器の販売増、関税還付が増収増益に寄与しました。
豪州では電化政策を背景にタンクレス給湯器が減った一方、ヒートポンプ給湯機とスマート電気温水器が伸びました。東南アジアではノーリツブランドの浄水器を発売し、事業基盤づくりを進めています。海外全体では中国の影響が大きく、国内と海外で明暗が分かれました。
- 国内事業+99.4%
- 海外事業-50.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 694億円 | 70% | 13億円 | 1.9% |
| 海外事業 | 302億円 | 30% | 5億円 | 1.6% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は2,329億10百万円で、2025年12月末から42億9百万円減少しました。自己資本比率は59.0%から61.3%に上昇しています。
| 項目 | 2026年1~6月実績 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュ・フロー | 32億88百万円 | 前年同期91億71百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | 11億24百万円 | 前年同期マイナス45億74百万円 |
| 財務キャッシュ・フロー | マイナス12億48百万円 | 前年同期マイナス35億円 |
| 現金同等物の中間期末残高 | 271億34百万円 | 前期末から42億83百万円増 |
| 年間配当予想 | 94円 | 前期実績74円、20円増 |
営業キャッシュ・フローは、売上債権の減少などによる資金増があった一方、仕入債務の減少が重荷となりました。投資キャッシュ・フローは有価証券の売却・償還収入が固定資産取得などの支出を上回り、プラスに転じています。中間配当は47円で、期末も47円を見込み、年間配当を前期から増やす計画です。
リスクと課題
国内事業の回復が見られる一方、会社は原材料やエネルギー価格、地政学情勢、海外市場の不透明さを事業上のリスクとして挙げています。地域ごとの需要変化に対応しながら、海外事業の収益を立て直せるかが焦点です。
- 中国市場の低迷: 不動産市況の停滞が続き、給湯器などの販売減少が海外事業の売上高と利益を押し下げています。
- 原材料・エネルギー価格: 価格上昇が続けば製造コストが増え、国内で進んだ増収や加工費低減の効果を弱める可能性があります。
- 地政学リスクと供給不安: 中東情勢を背景に素材供給が不安定になる懸念があり、製品供給や流通在庫に影響する恐れがあります。
- 通商政策と海外需要: 米国の通商政策や中国の不動産市況など、海外の政策・景気動向が販売や採算を左右します。
- 豪州の電化政策: 給湯機の需要構成が変化しており、タンクレス給湯器の減少をヒートポンプ機器などで補えるかが課題です。
通期見通し
2026年12月期の通期売上高予想は、前回予想から40億円引き上げて2,140億円としました。営業利益予想は45億円で据え置き、経常利益は中国市場の低迷を見込み3億円引き下げています。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 2025年12月期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,100 | 2,140 | 2,020.49 |
| 営業利益 | 45 | 45 | 43 |
| 経常利益 | 55 | 52 | 55.44 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 86 | 86 | 33.58 |
会社は国内温水空調分野を中心に売上高と営業利益の増加を見込む一方、中国市況の低迷が続くとして海外の売上高・営業利益を引き下げる想定です。今回の予想は前期実績比で売上高5.9%増、営業利益4.6%増、純利益156.0%増に当たります。純利益の大幅増には、前期と異なり当期に計上した投資有価証券売却益が影響します。
戦略トピック
ノーリツは中期経営計画「Vプラン26」の最終年度に入り、国内事業の住宅向け温水分野への偏りを改めることと、海外事業の中国依存を軽減することを掲げています。国内では非住宅分野の拡大や新製品の投入、海外では北米・豪州の成長継続と中国事業の構造改革を進めています。
国内では自然冷媒を採用した「HPHB R290」が環境性、省エネ性、施工性で評価され、需要を上回る伸びとなりました。海外では北米の販売チャネル政策による収益性向上に加え、東南アジアで浄水器を発売するなど、新市場の開拓も進めています。
金型の減価償却方法を定率法から定額法へ変更したのは、モジュラー型生産方法の導入に伴う設備投資拡大を踏まえ、使用実態に合わせて経営成績をより適切に示すためです。この変更は当中間期の営業利益を3億2百万円押し上げており、利益の前年比を見る際には会計上の影響と事業改善を分けて考える必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/27)
2,395円
最新終値(2026/10/23)
2,257円-5.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ノーリツ#決算#決算分析#四半期決算#給湯器#中国市場#配当増額#中期経営計画
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コメント
国内事業の増益は、給湯機や厨房機器の販売が堅調だったことに加え、コスト改善も進んだ点が評価できます。ただし、営業利益には減価償却方法の変更による押し上げも含まれるため、利益成長の持続性は次の四半期で確かめたいところです。
最終利益の大幅増は有価証券売却益の寄与が大きく、本業の回復度合いとは切り分けて見る必要があります。通期予想では売上高を引き上げたものの営業利益は据え置きで、中国の落ち込みを国内や北米・豪州の成長でどこまで補えるかが注目点です。
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