オープンハウス、2026年9月期第3四半期決算、営業利益18%増、通期予想と配当を上方修正
オープンハウスが発表した2026年9月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比 8.9% 増の 1兆234億円、営業利益が 18.3% 増の 1,209億円 と、増収増益を達成した。戸建関連事業の需要が堅調なほか、マンション事業が黒字転換を果たし、全セグメントが営業黒字となった。この好調を受け、通期業績予想の上方修正と、年間配当を前期比 27円 増の 205円 へ引き上げる増配も発表している。
決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.0兆円 | +8.9% | 1.5兆円 | 68% |
| 営業利益 | 1,210億円 | +18.3% | 1,800億円 | 67% |
| 純利益 | 813億円 | +15.1% | 1,185億円 | 69% |
| 営業利益率 | 11.8% | |||
業績のポイント
オープンハウス(オープンハウスグループ)の2026年9月期第3四半期累計(2025年10月~2026年6月)は、増収増益となった。売上高は前年同期比 8.9% 増の 1兆234億2百万円、営業利益は同 18.3% 増の 1,209億59百万円、経常利益は同 18.1% 増の 1,160億68百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同 15.1% 増の 812億60百万円 で着地した。好調な販売契約の積み重ねに加え、前年同期に営業損失だったマンション事業が黒字転換したことが利益率を押し上げた。
収益面では、売上総利益率が前年同期の 18.4% から 19.5% へと 1.1ポイント 改善。これにより営業利益率も 10.9% から 11.8% に上昇し、全体として効率の良い収益構造への移行を示した。特に、マンション事業は前年同期の 2億80百万円 の営業損失から一転、 75億66百万円 の営業利益を計上し、全セグメント営業黒字のけん引役となった。
セグメント別動向
戸建関連事業は、都市部での高い需要を背景に販売契約が好調に推移。売上高は前年同期比 8.7% 増の 5,630億6百万円、営業利益は同 10.5% 増の 618億40百万円 となった。全社売上高の約 55% を占める中核事業であり、仕入から販売までの回転率の高さが収益を下支えしている。
マンション事業は、引渡しが第4四半期に集中する特性があるものの、販売契約の進捗が順調だったことから、売上高は 424億15百万円(前年同期比 123.3% 増)、営業利益は 75億66百万円 と大幅な黒字転換を果たした。前年同期には営業損失 2億80百万円 を計上していたが、案件の選別と価格帯の適正化が奏功した。
収益不動産事業は、事業法人や富裕層向けの賃貸マンション・オフィスビルへの投資需要が堅調で、売上高 1,540億57百万円(同 8.6% 増)、営業利益 163億70百万円(同 12.1% 増)と安定した成長を続けた。
その他事業は、国内富裕層向けのアメリカ不動産販売が伸びたものの、為替変動の影響も受けて売上高は 1,138億62百万円(同 3.2% 増)、営業利益は 133億80百万円(同 1.0% 減)とわずかながら減益となった。
プレサンス(旧プレサンスコーポレーション)は、近畿圏や東海・中京圏で投資用・ファミリーマンションの販売に注力。売上高は 1,500億47百万円(同 0.3% 減)とほぼ横ばいだったが、利益率の改善により営業利益は 207億59百万円(同 13.8% 増)と伸びた。
| セグメント | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 | 全体比 |
|---|---|---|---|---|
| 戸建関連 | 563,006 | 61,840 | 11.0% | 55.0% |
| マンション | 42,415 | 7,566 | 17.8% | 4.1% |
| 収益不動産 | 154,057 | 16,370 | 10.6% | 15.1% |
| その他 | 113,862 | 13,380 | 11.8% | 11.1% |
| プレサンス | 150,047 | 20,759 | 13.8% | 14.7% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 戸建関連 | 5,630億円 | 55% | 618億円 | 11.0% |
| マンション | 424億円 | 4% | 76億円 | 17.8% |
| 収益不動産 | 1,541億円 | 15% | 164億円 | 10.6% |
| その他 | 1,139億円 | 11% | 134億円 | 11.8% |
| プレサンス | 1,500億円 | 15% | 208億円 | 13.8% |
通期見通し
オープンハウスは今期の通期連結業績予想を上方修正した。売上高は従来予想から 300億円 増の 1兆5,000億円(前期比 12.2% 増)、営業利益は 100億円 増の 1,800億円(同 23.3% 増)、経常利益は 100億円 増の 1,700億円(同 21.9% 増)、最終利益は 55億円 増の 1,185億円(同 17.7% 増)を見込む。修正の背景には、戸建や収益不動産の販売が想定以上に進んだこと、マンション事業の収益貢献が前倒しで進んでいることがある。
配当についても期末配当予想を 100円 から 105円 に引き上げ、年間配当は 205円(前期実績 178円)となる見込み。第2四半期末に 100円 を既に支払っており、年間では 27円 の増配となる。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 1,470,000 | 1,500,000 | 1,337,773 |
| 営業利益(百万円) | 170,000 | 180,000 | 146,044 |
| 親会社帰属純利益(百万円) | 113,000 | 118,500 | 100,625 |
| 年間配当(円) | 200 | 205 | 178 |
財務状況と資本政策
第3四半期末の総資産は前連結会計年度末比 1,179億円 増の 1兆5,299億8百万円。販売用・仕掛販売用不動産の積み増し(合計で 1,379億70百万円 増)が主因で、戸建やマンションの仕入拡大を反映している。現預金は 554億92百万円 減少したが、これは仕入資金に充当されたものだ。負債は短期・長期借入金が合計 828億67百万円 増加し、総負債は 9,413億57百万円 に。自己資本比率は 38.4% と前期末から 0.3ポイント 上昇した。
キャッシュ・フロー計算書は非開示だが、借入増によりレバレッジはやや拡大している。一方、株主還元には積極的で、2025年10月の取締役会決議に基づき自己株式を 194億73百万円 取得したほか、同じく 219億80百万円 の自己株式消却を実施。これにより1株当たり利益の向上を図っている。こうした機動的な株主還元により、株主資本効率の改善も進められている。
リスクと課題
本決算短信において、会社が特筆すべきリスクとして明示的に記載した項目はない。しかし、事業構造から以下のような外部環境リスクには留意が必要である。
- 不動産市況の変動:戸建・マンション・収益不動産のいずれも景気や金利動向の影響を受けやすく、需要減退や価格下落のリスクが存在する。
- 金利上昇リスク:有利子負債が増加傾向にあり、将来の金利上昇局面では支払利息の増加が利益を圧迫する可能性がある。
- 競争環境:都市部の優良用地取得競争が激化しており、仕入コスト上昇が利益率を圧縮する懸念がある。
- 為替リスク:その他事業でアメリカ不動産を取り扱っており、為替変動が業績に影響を与える可能性がある。
全体として足元の業績は堅調だが、金融環境の変化が今後の成長に与える影響を注視していく必要がある。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
8,506円
最新終値(2026/10/23)
7,892円-7.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#オープンハウス#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#上方修正#配当増額#戸建て#マンション#自己株買い
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コメント
今第3四半期はマンション事業の黒字転換が象徴的で、収益の質が大きく改善したと評価できる。全セグメントで営業黒字を確保し、ポートフォリオのバランスが取れてきた点はポジティブだ。
一方、仕掛販売用不動産の急増や借入依存度の高まりには注意が必要。金利上昇局面では支払利息の増加が利益を圧迫するリスクがある。また、自己株式消却と取得を同時に行うなど積極的な株主還元姿勢は評価できるが、資本効率重視の姿勢が持続的な成長投資とバランスしているかどうか、第4四半期のフリーキャッシュフロー動向を確認したい。
戸建関連事業のブランド力は健在だが、競争の激しい都市部用地取得が今後の利益率を左右するだろう。通期計画の達成には第4四半期の引渡集中がカギとなる。
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