世紀東急、2027年3月期第1四半期決算、受注増も純利益は49%減で課題残る
世紀東急の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、受注高は前年同期比8.0%増えた一方、完成工事高の減少などで売上高は3.2%減、営業利益は22.8%減となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は49.6%減の213百万円です。舗装資材製造販売事業は増益でしたが、建設事業の減益が響きました。通期予想は据え置き、年間配当予想は前期比4円増の75円です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 197億円 | -3.2% | 1,027億円 | 19% |
| 営業利益 | 5億円 | -22.8% | 67億円 | 7% |
| 純利益 | 2億円 | -49.6% | 47億円 | 5% |
| 営業利益率 | 2.3% | |||
この決算のポイント
- 1受注高は前年同期比8.0%増の255億17百万円、建設事業の繰越工事高も8.4%増
- 2建設事業は完成工事高が5.2%減、営業利益も15.5%減となり全体の利益を押し下げた
- 3舗装資材製造販売事業は売上高4.1%増、営業利益20.4%増と増収増益
- 4通期の連結業績予想は変更なし、年間配当は前期71円から75円へ増配する計画
- 5自己資本比率は前期末の52.3%から55.0%に上昇、総資産は前期末比62億円減
業績のポイント
世紀東急(世紀東急工業)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比3.2%減の197億27百万円、営業利益が22.8%減の4億61百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が49.6%減の2億13百万円でした。受注高は8.0%増の255億17百万円と伸びましたが、当期の売上にはまだ十分に反映されず、受注増と利益減が並ぶ決算となりました。
- 売上高: 前年同期から6億48百万円減少。完成工事高が前年同期を下回ったことなどが響きました。
- 営業利益: 前年同期から1億37百万円減少。売上総利益が86百万円減ったうえ、販売費及び一般管理費が51百万円増えました。
- 経常利益: 前年同期比24.6%減の4億40百万円。支払利息の増加などで営業外損益も前年より悪化しました。
- 純利益: 前年同期比49.6%減の2億13百万円。税金等調整前利益の減少に加え、法人税等が前年の1億62百万円から2億22百万円に増えました。
国内では公共投資が底堅さを保つ一方、アスファルト価格は高値圏で推移し、中東情勢や物価上昇への懸念も続いています。会社は顧客との協議を通じて原材料・燃料価格の上昇分を価格に反映し、工事と製品の両部門で収益確保を進めています。受注の積み上がりは先行きの売上を支える材料ですが、利益率の回復と価格転嫁の進み具合が今後の焦点です。
セグメント別動向
主力の建設事業は受注が増えた一方で完成工事高と営業利益が減少し、舗装資材製造販売事業は増収増益でした。営業利益の前年同期比は事業ごとに差があり、利益の動きは事業別に分かれた形です。
建設事業は、完成工事高が前年同期比5.2%減の149億15百万円、営業利益が15.5%減の8億85百万円でした。受注高は9.0%増の207億5百万円で、国内官公庁・国内民間の受注がともに伸びています。第1四半期末の繰越工事高は8.4%増の468億2百万円となり、今後の工事進捗に伴う売上計上が期待されます。
舗装資材製造販売事業は、売上高が4.1%増の77億85百万円、営業利益が20.4%増の5億98百万円でした。製品部門等の受注も4.3%増えており、建設事業の減益を一部補いました。
- その他: リース事業や売電事業などの売上高は前年同期比1.0%減の2億53百万円、営業利益は21.6%減の44百万円でした。
受注高の伸びは建設事業の先行きに明るさを示しますが、受注が売上・利益に変わるまでには工事の進捗が必要です。資材製造販売の採算改善が続くかに加え、建設事業で材料費上昇を価格転嫁しながら利益を確保できるかが重要になります。
- 建設-15.5%
- 舗装資材+20.4%
- その他-21.6%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 149億円 | 65% | 9億円 | 5.9% |
| 舗装資材製造販売事業 | 78億円 | 34% | 6億円 | 7.7% |
| その他 | 3億円 | 1% | 44百万円 | 17.4% |
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月7日に公表した内容から変更ありません。売上高は前期比7.8%増の1,027億円、営業利益は4.4%増の67億円、親会社株主に帰属する当期純利益は0.7%増の47億円を見込みます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 今回予想の前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 102,700 | 102,700 | +7.8% |
| 営業利益(百万円) | 6,700 | 6,700 | +4.4% |
| 経常利益(百万円) | 6,600 | 6,600 | +5.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 4,700 | 4,700 | +0.7% |
前回予想からの修正はなく、今回予想と前回予想は同額です。短信には前期の連結実績額が記載されていないため、表では会社が公表した前期比を示しています。第1四半期は減収減益でしたが、会社は受注高の増加や繰越工事高を踏まえ、通期で増収増益を見込む計画を維持しています。第2四半期累計の予想は売上高461億円、営業利益18億円で、利益は前年同期比19.0%減の想定です。
- 売上高0.0%
- 営業利益0.0%
- 経常利益0.0%
- 純利益0.0%
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は前期末比62億26百万円減の783億3百万円、自己資本比率は前期末の52.3%から55.0%に上がりました。配当は年間75円を予想し、前期実績の71円から4円増やす計画です。
| 項目 | 2026年3月末・前期実績 | 2026年6月末・今回実績/予想 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 84,530 | 78,303 |
| 自己資本比率 | 52.3% | 55.0% |
| 中間配当(円) | 35 | 37(予想) |
| 期末配当(円) | 36 | 38(予想) |
| 年間配当(円) | 71 | 75(予想) |
総資産の減少は主に売上債権の減少によるもので、負債も仕入債務の減少などから前期末比50億81百万円減りました。現金預金は前期末の144億37百万円から193億69百万円に増えていますが、第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、資金の増減要因をキャッシュ・フロー別に確認することはできません。短信に自社株買いの発表はなく、配当予想は公表済みの内容から変更されていません。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/3)
1,481円
最新終値(2026/10/23)
1,447円-2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#世紀東急#決算#決算分析#四半期決算#道路建設#舗装資材#受注高#配当#アスファルト価格
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コメント
受注高と繰越工事高が伸びた点は、建設事業の先行きにとって心強い材料です。一方、今回の利益は建設事業の減益と純利益の大幅減が目立ち、受注の増加だけで収益力の改善を判断するのは早いでしょう。
受注を利益に結びつけられるかが次の焦点です。材料価格の高止まりが続くなか、工事の採算管理と価格転嫁、そして舗装資材製造販売事業の増益継続が、通期計画の達成度を左右しそうです。
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世紀東急工業株式会社
東証 1898
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