東亜道路、2027年3月期第1四半期決算、増収も受注高9.7%減

東亜道路の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比1.3%増の235億円となり、営業損失は3億円に縮小しました。建設材料等の製造販売・環境事業等が伸びた一方、建設事業の受注高は減少し、連結受注高も9.7%減でした。公共投資は底堅いものの、資材・労務費の高止まりや人手不足が続き、通期予想は据え置かれています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 236億円 | +1.3% | 1,300億円 | 18% |
| 営業利益 | -333百万円 | — | 60億円 | -6% |
| 純利益 | -80百万円 | — | 42億円 | -2% |
| 営業利益率 | -1.4% | |||
この決算のポイント
- 1建設事業の受注高は前年同期比19.3%減の195億円で、受注競争や人手不足が課題。
- 2製造販売・環境事業等の売上高は前年同期比13.3%増、セグメント利益は5億円に拡大。
- 3総資産は前期末比110億円減の774億円、自己資本比率は5.7ポイント上昇し66.3%。
- 4年間配当予想は前期と同じ90円。通期売上高予想1,300億円などを変更せず。
業績のポイント
東亜道路(東亜道路工業)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比1.3%増の235億64百万円、営業損失が3億33百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が80百万円でした。営業損失は前年同期の3億83百万円から50百万円縮小し、純損失も30百万円縮小しました。
営業損失の縮小には、売上総利益の増加が寄与しました。一方で、販売費及び一般管理費も増えており、利益改善の幅は限定的です。
道路建設業界では、防災・減災やインフラの維持・更新を中心に公共投資が底堅い一方、受注競争が激しく、建設資材価格・労務費の高止まりや人手不足も続いています。増収でも営業赤字が続く状況であり、採算改善と受注確保の両立が焦点です。
- 前年同期-3.8億円
- 売上総利益+2.3億円
- 販管費増加-1.8億円
- その他-0億円
- 当期-3.3億円
セグメント別動向
売上の伸びは製造販売・環境事業等がけん引しましたが、建設事業は減収となり、セグメント損失も拡大しました。セグメント利益の動きには、事業ごとの明暗が表れています。
| セグメント | 売上高の前年同期比 | セグメント利益の前年同期比 |
|---|---|---|
| 建設事業 | -7.9% | 損失が120百万円拡大 |
| 製造販売・環境事業等 | +13.3% | +52.6% |
建設事業は、完成工事高が前年同期比7.9%減の121億51百万円となり、セグメント損失は2億5百万円でした。受注高も前年同期比19.3%減の195億21百万円で、公共投資が底堅い市場環境でも受注競争や人手不足が重荷となっています。
製造販売・環境事業等は、売上高が前年同期比13.3%増の114億12百万円、セグメント利益は5億57百万円でした。前年同期の3億65百万円から増益となり、連結売上高の下支え役となりました。会社は個別の伸びの要因までは説明していないため、今後も利益の伸びが続くかを確認したいところです。
- 建設事業-7.9%
- 製造販売等+13.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 122億円 | 52% | -205百万円 | -1.7% |
| 製造販売・環境事業等 | 114億円 | 48% | 6億円 | 4.9% |
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は変更されていません。会社は、原材料価格の先行きは不透明としつつも、第1四半期の業績は概ね予定通りに推移していると説明しています。
| 期間・指標 | 会社予想 | 前年同期比・前期比 |
|---|---|---|
| 第2四半期累計 売上高 | 520億円 | +1.0% |
| 第2四半期累計 営業利益 | 8億40百万円 | +106.7% |
| 第2四半期累計 純利益 | 5億円 | +6.5% |
| 通期 売上高 | 1,300億円 | +7.1% |
| 通期 営業利益 | 60億円 | +3.7% |
| 通期 純利益 | 42億円 | +22.6% |
第1四半期は営業赤字でしたが、会社は通期で営業利益60億円を見込んでいます。予想達成に向け、工事の進捗に加えて、資材・労務費の上昇を価格転嫁や工事採算の改善でどこまで吸収できるかが重要です。
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は前期末から110億55百万円減少し、自己資本比率は60.6%から66.3%へ上昇しました。年間配当予想は前期と同額の90円で、自社株買いの発表はありません。
| 項目 | 2026年6月末 | 2026年3月末・前期実績 |
|---|---|---|
| 総資産 | 774億46百万円 | 885億1百万円 |
| 純資産 | 527億20百万円 | 550億59百万円 |
| 自己資本比率 | 66.3% | 60.6% |
| 現金預金 | 129億47百万円 | 139億9百万円 |
- 配当: 2027年3月期の中間45円、期末45円、年間90円を予想し、前期の年間配当90円から据え置き。
- キャッシュフロー: 第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、営業・投資・財務別の資金収支は確認できません。
- 資産・負債の動き: 受取手形・完成工事未収入金等の減少が総資産の縮小に影響。短期借入金も前期末から減少しました。
純資産の減少には、四半期純損失の計上に加え、配当金20億79百万円の支払いが影響しています。自己資本比率は上がったものの、これは資産や負債の期中変動も伴うため、利益回復と安定したキャッシュ創出を引き続き見極める必要があります。
リスクと課題
公共投資が底堅い一方、道路建設事業を取り巻くコストや受注環境は厳しい状態です。通期予想を維持するうえでは、受注量と工事採算の確保が重要になります。
- 受注競争の激化: 建設事業の受注高は前年同期比19.3%減。受注の減少が続けば、将来の完成工事高や事業の稼働に影響する可能性があります。
- 資材価格の変動: アスファルトなどの原材料価格は不透明で、原油価格や為替の変動が道路用資材や製造コストを押し上げるおそれがあります。
- 人手不足と労務費: 建設業界では人手不足が深刻化し、労務費も高止まりしています。工事の進捗や採算を圧迫する要因です。
- 利益回復の不確実性: 第1四半期は営業損失で、通期営業利益予想は60億円です。今後の工事進捗やコスト上昇の度合いによって、予想達成の確度が変わります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/15)
1,595円
最新終値(2026/10/23)
1,570円-1.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東亜道路#決算#決算分析#四半期決算#道路建設#建設材料#受注高#配当#資材価格
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コメント
売上高が小幅に伸び、営業損失も縮小した点は改善材料です。ただ、建設事業では受注と採算の両方に課題が残り、材料関連の増益だけでグループ全体の収益力が回復したとは言い切れません。
次の焦点は建設事業の受注回復と採算改善です。通期予想を据え置いた会社の見立てが、工事の進捗や原材料価格の動向を踏まえて維持できるか、次の四半期で確認したい決算です。
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