積水ハウス、2027年1月期第2四半期決算、営業利益16%増で通期予想を上方修正

積水ハウスは2027年1月期第2四半期の連結業績を発表しました。売上高は減収となりましたが、過去最高益を更新する好調さが目立ちます。 営業利益は前年同期比 16.0%増 の 1,803億7,000万円 を計上し、経常利益も 23.8%増 の 1,690億8,100万円 と大幅に拡大しました。開発部門やストック型事業の利益貢献が著しく、通期の業績予想を上方修正することを発表しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2.0兆円 | -2.5% | 4.3兆円 | 46% |
| 営業利益 | 1,804億円 | +16.0% | 3,500億円 | 52% |
| 純利益 | 1,251億円 | +23.1% | 2,240億円 | 56% |
| 営業利益率 | 9.2% | |||
業績のポイント
積水ハウスは2050年を見据えたグローバルビジョン「わが家を世界一幸せな場所にする」の実現に向け、第7次中期経営計画(2026年度~2028年度)を策定し、国内では「グループ総合力による経済圏の深耕」、海外では「成長基盤の構築」を推進しています。当中間期の業績は、売上高が 1兆9,656億4,400万円(前年同期比 △2.5%)と減収に転じましたが、利益面では大きな強化を見せました。
営業利益は 1,803億7,000万円(前年同期比 +16.0%)、経常利益は 1,690億8,100万円(同 +23.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は 1,250億5,300万円(同 +23.1%)となりました。減収ながら増益 という構造が明確に表れています。
この背景には、米国住宅市場での顧客の様子見姿勢や金利上昇による戸建住宅事業の売上減があったものの、開発部門やストック型ビジネスにおける高収益化と大型プロジェクトの進捗が利益を押し上げたことが挙げられます。特に都市再開発事業とマンション事業の貢献度が顕著で、収益構造の転換 が進んでいると言えます。
セグメント別動向
### 請負型ビジネス(戸建・賃貸・建築)
従来の柱である請け取り型のセグメントでは、市場環境の悪化や金利上昇の影響で売上は減少傾向にあります。
戸建住宅事業 は、建設コストや住宅ローン金利の上昇が続く中、政府の支援策もあって引合いは安定していますが、売上高は 2,441億6,800万円(同 △1.1%)、営業利益は 239億9,000万円(同 △5.2%)と小幅な減益となりました。ただし、ZEH比率を 96% と維持し、高付加価値提案によるブランド強化を着実に進めています。
賃貸・事業用建物事業 は、都市部における駅近物件への注力や「シャーメゾンZEH」の拡販により、売上高 2,649億5,100万円(同 △1.9%)、営業利益は 366億6,500万円(同 +0.1%)とほぼ横ばいを維持しました。ESGソリューション提案の強化も進んでいます。
建築・土木事業 は、前年同期の大型工事反動による減収となったものの、採算性の高い追加・変更工事の獲得で利益率を維持し、売上高 1,510億1,300万円(同 △5.0%)、営業利益は 150億3,600万円(同 +0.5%)となりました。
### ストック型ビジネス(賃貸管理・リフォーム)
賃貸住宅管理事業 は「シャーメゾン」ブランドの強化とDX推進により、売上高 3,680億1,600万円(同 +2.9%)、営業利益は 417億4,500万円(同 +12.7%)と堅調に推移しました。
リフォーム事業 は大型リノベーションの推進で好調であり、売上高 1,047億6,600万円(同 +12.8%)、営業利益は 150億3,500万円(同 +14.8%)と大きく拡大しています。
### 開発型ビジネスと国際事業
開発型ビジネス が利益を牽引しました。特に マンション事業 は「グランドメゾン」シリーズの販売好調もあり、売上高は減少傾向( 561億8,400万円、同 △2.3%)ですが、営業利益は 157億4,200万円(同 +83.8%)と劇的に改善しました。
一方、国際事業 、特に米国戸建住宅市場では金利上昇による顧客の様子見姿勢が続き、売上高 4,863億5,300万円(同 △20.8%)、営業利益は 10億3,600万円(同 △93.2%)と大きく減益となりました。しかし、米国コミュニティ開発事業は堅調な販売を維持しています。
| セグメント | 売上高 (百万円) | 前年比(%) | 営業利益 (百万円) | 前年比(%) |
|---|---|---|---|---|
| 戸建住宅事業 | 244,168 | △1.1% | 23,990 | △5.2% |
| 賃貸・事業用建物 | 264,951 | △1.9% | 36,665 | +0.1% |
| 建築・土木事業 | 151,013 | △5.0% | 15,036 | +0.5% |
| 賃貸住宅管理事業 | 368,016 | +2.9% | 41,745 | +12.7% |
| リフォーム事業 | 104,766 | +12.8% | 15,035 | +14.8% |
| 仲介・不動産事業 | 211,490 | +5.7% | 16,771 | +17.2% |
| マンション事業 | 56,184 | △2.3% | 15,742 | +83.8% |
| 都市再開発事業 | 98,416 | +176.2% | 27,352 | +437.7% |
| 国際事業(米国) | 486,353 | △20.8% | 1,036 | △93.2% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 戸建住宅事業 | 2,442億円 | 12% | 240億円 | 9.8% |
| 賃貸・事業用建物事業 | 2,650億円 | 14% | 367億円 | 13.8% |
| 建築・土木事業 | 1,510億円 | 8% | 150億円 | 10.0% |
| 賃貸住宅管理事業 | 3,680億円 | 19% | 417億円 | 11.3% |
| リフォーム事業 | 1,048億円 | 5% | 150億円 | 14.4% |
| 仲介・不動産事業 | 2,115億円 | 11% | 168億円 | 7.9% |
| マンション事業 | 562億円 | 3% | 157億円 | 28.0% |
| 都市再開発事業 | 984億円 | 5% | 274億円 | 27.8% |
| 国際事業 | 4,864億円 | 25% | 10億円 | 0.2% |
財務状況と資本政策
### 財政状態
当中間期末における資産合計は販売用不動産の増加等により 1,086億8,200万円 増の 5兆1,153億2,000万円 となりました。負債は法人税等の支払い等で 60億7,200万円 減の 2兆8,123億2,700万円 です。
純資産は配当金の支払いがあったものの、為替換算調整勘定や中間純利益の計上等により 1,147億5,400万円 増の 2兆3,029億9,200万円 となり、自己資本比率は前期末比1.3ポイント上昇の 45.0% と健全さを保っています。
### 配当政策
年間配当予想は 145円(前回予想から +1円)で、第2四半期末の中間配当は 72円 です。通期純利益予想の上方修正に伴い、株主還元にも前向きな姿勢が見られます。
通期見通し
当中間期の好調な進捗と今後の見通しを踏まえ、通期の連結業績予想を下方修正(売上)・上方修正(利益)しました。特に営業利益については前期並みを維持しつつ、純利益では大幅な増益を見込んでいます。
| 項目 | 前回予想(2026/3/5公表) | 今回の予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆3,530億円 | 4兆2,600億円 (△2.1%) | 4兆1,979億円 |
| 営業利益 | 3,500億円 | 3,500億円 (±0.0%) | 3,414億円 |
| 経常利益 | 3,140億円 | 3,160億円 (+0.6%) | 3,278億円 |
| 当期純利益 | 2,180億円 | 2,240億円 (+2.8%) | 2,321億円 |
通期の利益面での目標達成は確実視 されています。特に米国の景気減速懸念があるものの、開発部門や国内ストック型事業の底堅さが全体をフォローする構造となっています。
リスクと課題
### 米国市場の先行き不透明感
米国戸建住宅市場では、住宅ローン金利の上昇やインフレへの懸念から顧客の購入抑制が続いています。セグメント利益が大幅に減少したように、国際事業の安定化は今後の大きな課題です。
### 国内の建設コストと金利動向
国内でも住宅ローン金利の上昇基調が続いており、消費者のマインドに悪影響を与える可能性があります。加えて建設資材価格の高止まりも収益性を圧迫する要因となります。
### 地政学的リスク
中東情勢の緊迫化による原油価格高騰やサプライチェーンへの影響が、建設コストや経済活動全体を脅かす可能性があります。積水ハウスはグローバルに展開するため、外部環境の変化に対して敏感に対応する必要があります。
戦略トピック
積水ハウスは 「グループ総合力による経済圏の深耕」 を国内の基本方針として掲げています。これは単なる住宅販売から、リフォーム、賃貸管理、不動産仲介、都市開発までを横断的に行う「住まいのライフサイクルビジネス」への転換を示しています。
中でもマンション事業と都市再開発事業の利益貢献が顕著であり、高収益性の高い開発部門へシフト していることが今回の決算で明確になりました。米国では 「One Company」体制のもと事業統合を進め、コスト削減と意思決定の迅速化を図っています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/10)
3,372円
最新終値(2026/10/23)
3,504円+3.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#積水ハウス#決算#決算分析#中間決算#増収減益脱却#開発事業#マンション事業#通期予想上方修正#米国住宅市場#ZEH
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