シマノ、2026年12月期第3四半期決算、営業利益21.8%増で通期予想を上方修正

シマノの2026年12月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比6.9%増、営業利益が21.8%増、純利益が148.5%増となりました。欧州や中国などで自転車部品の市場在庫調整が進み、釣具も堅調に推移したほか、為替差損の縮小が純利益を押し上げました。需要回復とアジア通貨安による利益改善を受け、通期業績予想を上方修正し、回復基調を見込んで増益予想を引き上げました。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,752億円 | +6.9% | 4,955億円 | 76% |
| 営業利益 | 445億円 | +21.8% | 543億円 | 82% |
| 純利益 | 400億円 | +148.5% | 470億円 | 85% |
| 営業利益率 | 11.9% | |||
この決算のポイント
- 1釣具の売上高は前年同期比14.4%増、営業利益は72.9%増と伸び、自転車部品を上回る増益率。
- 2営業利益は前年同期比21.8%増の445億円、経常利益は為替差損の縮小などで71.5%増。
- 3通期営業利益予想を前回から73億円引き上げ、543億円に上方修正。
- 42026年12月期の年間配当予想は363円で、前期実績の339円から24円増。
- 5自己株式の取得額は累計414億円。自己資本比率は91.9%と高水準を維持。
業績のポイント
シマノ(シマノ)の2026年1〜9月期は、売上高が3,752億円(前年同期比6.9%増)、営業利益が445億円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が400億円(同148.5%増)でした。営業利益率は11.9%で、前年同期の約10.4%から上昇しています。
- 需要の回復: 欧州や中国などで自転車の市場在庫調整が進み、需要の増加が見られました。
- 釣具の堅調さ: 国内外で販売が底堅く、市場在庫も総じて適正水準を維持しました。
- 為替差損の縮小: 為替差損は前年同期の183億円から17億円に減少し、経常利益の伸びに寄与しました。
- 特別利益の計上: 上場株式2銘柄の売却により、31億円の投資有価証券売却益を計上しました。
営業利益の増加は、販売回復を背景とした本業の改善を示しています。一方、純利益の大幅増には、前年同期に大きかった為替差損が縮小した影響も含まれます。したがって、利益の伸びを評価する際は、販売・営業面の回復と為替など営業外要因を分けて見る必要があります。
セグメント別動向
自転車部品は売上高が前年同期比4.6%増、営業利益が10.9%増でした。欧州では完成車の店頭販売が堅調で、主要市場のドイツを中心に在庫改善が進みました。一方、北米は関税の影響による完成車価格の高止まりなどで販売が低調、日本も物価上昇や価格高止まりを背景に弱含みでした。刷新したマウンテンバイク向け「XTR」「DEORE XT」「DEORE」や、自動変速機能を備えた「Q'AUTO」が評価されています。
釣具は売上高が前年同期比14.4%増、営業利益が72.9%増と、2事業の中で伸びが目立ちました。北米では東西沿岸の良好な釣況、豪州では東海岸の釣況が販売を支えました。新製品のベイトリール「CALCUTTA CONQUEST BFS LIMITED」やスピニングリール「VANQUISH CE」も好評で、販売の伸びが利益を押し上げました。
- その他: 売上高は前年同期比8.2%減でしたが、営業損益は前年同期の赤字から黒字に転じました。
自転車部品は最大の事業として業績を支え、釣具は販売と利益の伸びで全社の増益を後押ししました。ただし、自転車市場は地域差があり、北米や日本の販売動向、中国の需要と在庫調整が今後の注目点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 自転車部品 | 2,784億円 | 74% | 334億円 | 12.0% |
| 釣具 | 966億円 | 26% | 111億円 | 11.5% |
| その他 | 3億円 | 0% | 11百万円 | 3.5% |
財務状況と資本政策
9月末の総資産は9,159億円で、2025年末から223億円減少しました。自己資本比率は91.9%と、前期末の92.5%からわずかに低下したものの、高い水準を保っています。
| 項目 | 2026年9月末・予想 | 前期末・前期実績 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 9,159 | 9,382 | -223億円 |
| 純資産(億円) | 8,434 | 8,695 | -261億円 |
| 自己資本比率 | 91.9% | 92.5% | -0.6ポイント |
| 年間配当(円) | 363円(予想) | 339円 | +24円 |
| 自己株式取得額(億円) | 414 | 該当なし | 2026年1〜9月 |
自己株式の取得は、2026年2月の取締役会決議に基づき実施され、累計取得株数は約237万株でした。利益剰余金が増えた一方、自己株式の取得が純資産を押し下げ、現金及び預金も前期末から456億円減少しています。四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金減少の内訳を営業・投資・財務活動別に判断することはできません。
通期見通し
シマノは2026年12月期の通期業績予想を上方修正しました。売上高予想は前回から45億円、営業利益予想は73億円引き上げ、営業利益は前期実績を上回る見通しです。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 491,000 | 495,500 | 466,243 |
| 営業利益 | 47,000 | 54,300 | 51,677 |
| 経常利益 | 56,000 | 62,300 | 47,029 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 43,000 | 47,000 | 33,991 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 505.94 | 558.86 | 388.17 |
会社は、欧州や中国などで市場在庫の調整が進み、需要が増加していることに加え、主にアジア通貨安の為替影響で利益改善が見込まれるとして、売上高と営業利益の予想を引き上げました。一方、四半期の為替評価損など営業外費用の増加を踏まえ、経常利益と純利益の予想も変更しています。今回の修正は、在庫調整の進展と為替環境を織り込んだもので、北米の販売や通貨の変動が予想達成のポイントになります。
リスクと課題
世界経済は底堅さを保つ一方、通商・金融政策やエネルギー価格を巡る不透明感が続いています。地域ごとの需要回復の差や為替の変動が、販売と利益の見通しを左右します。
- 関税と価格高止まり: 北米では関税の影響などで完成車価格が高く、店頭販売が低調です。販売回復が遅れれば、自転車部品の需要に影響する可能性があります。
- 中国市場の弱さ: 不動産市場や雇用環境を背景に個人消費が伸び悩んでいます。自転車ではロードバイク需要が弱く、在庫調整後に需要がどこまで戻るかが課題です。
- 地域別の在庫差: アジア・中南米では在庫がやや高めで、欧州の一部でも高い水準が残っています。調整が想定より長引けば、販売や出荷の回復を抑えるおそれがあります。
- 為替・エネルギー価格: 為替評価の変動は営業外損益に影響し、中東情勢を背景とするエネルギー価格の上昇は世界景気や消費を通じて需要を下押しする可能性があります。
- 日本の消費環境: 物価上昇と完成車価格の高止まりが続いており、国内の自転車販売は弱含みです。家計負担の増加が長引けば、需要回復の重荷になり得ます。
通期予想の引き上げは市場在庫の改善を前提にしていますが、地域によって販売や在庫の状況は一様ではありません。今後は需要回復が継続するかに加え、為替差損益を含む営業外要因が利益に与える影響も確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/27)
18,450円
最新終値(2026/10/27)
18,450円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
スポーツ・レジャー用品業界の今
掲載8社シマノはスポーツ・レジャー用品業界の掲載8社中、売上高で2位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −2.5%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- +25.5%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 3社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 11.3%
- シマノ+5.1%
- スポーツ・レジャー用品(業界平均)−2.5%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は4社合計で売上高+7.0%・営業利益−9.0%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は4社、下回る企業は2社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは3社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはシマノ(営業利益+15.5%)。





タグ#シマノ#決算#決算分析#四半期決算#自転車部品#釣具#業績予想上方修正#自己株式取得#配当
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本業の営業利益が2割超伸びたことに加え、釣具の回復が自転車部品への依存をいくらか和らげている点は前向きです。特に釣具は販売環境の改善と製品評価が利益の伸びにつながっており、両事業の動きを分けて追う価値があります。
ただし、純利益の大幅増をそのまま本業の急拡大と捉えるのは早計です。前年同期の為替差損が大きかった反動が含まれるため、今後は営業利益の伸びと、在庫調整後の実需が続くかを軸に見るのが適切です。
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掲載企業

株式会社シマノ
東証 7309
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- 2026年12月期 第2四半期(中間期)
- 2026年12月期 第1四半期
- 2025年12月期 通期




