東海東京FG、2027年3月期第2四半期決算、営業利益77%増で中間純利益も58%増

東海東京FGの2027年3月期第2四半期決算は、営業収益が前年同期比17.3%増の537億円、営業利益が77.0%増の106億円、親会社株主に帰属する中間純利益が58.0%増の101億円となりました。株式市場の売買活況を受けた委託手数料の伸びや金融収益の増加が利益を押し上げました。一方、相場変動の影響が大きいとして通期業績予想は開示していません。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高金融費用控除後 492億円+13.9% | 537億円 | +17.3% |
| 営業利益 | 107億円 | +77.0% |
| 純利益 | 102億円 | +58.0% |
| 営業利益率 | 19.9% |
この決算のポイント
- 1受入手数料は24.8%増の269億円、株式委託手数料の伸びが大きく増収を支えた
- 2株券等のトレーディング損益は12.1%減、債券・為替等は12.3%増と明暗が分かれた
- 3事業譲渡益28億円を特別利益に計上、前年同期の特別利益は投資有価証券売却益29億円
- 4中間配当は前年同期の22円から25円に増加、期末配当と通期業績予想は未定
- 5日経平均の大幅な変動や金利上昇を背景に、会社は通期業績予想を開示せず
業績のポイント
東海東京FG(東海東京フィナンシャル・ホールディングス)は、2026年4〜9月の営業収益が前年同期比17.3%増の537億円、営業利益が77.0%増の106億円、親会社株主に帰属する中間純利益が58.0%増の101億円となりました。営業利益は前年同期から46億円増え、手数料収入の拡大が利益を押し上げました。
- 受入手数料: 24.8%増の269億80百万円。株式委託手数料が53.7%増え、増収をけん引しました。
- 金融収支: 47.2%増の38億26百万円。金融収益の増加が金融費用の増加を上回りました。
- 販売費及び一般管理費: 3.7%増の385億70百万円。取引関係費や人件費の増加がありました。
- 特別損益: 事業譲渡益28億28百万円を計上。前年同期には投資有価証券売却益29億57百万円があり、純利益の前年比には特別損益の違いも影響しています。
国内株式市場ではAI投資への期待などを背景に売買が活発になり、東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は前年同期の5兆5,368億円から10兆9,290億円に増えました。手数料収入の伸びが営業利益の増加につながった一方、トレーディング損益全体は小幅に減少しており、利益成長は市場全体の活況と手数料ビジネスに支えられた形です。
セグメント別動向
決算短信では事業セグメント別の売上高・利益を開示していないため、証券ビジネスの主な収益項目で動きを整理します。受入手数料が大きく伸びた一方、トレーディング損益は株券等と債券・為替等で方向が分かれました。
| 収益項目 | 当中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 受入手数料 | 269億80百万円 | +24.8% |
| 株券等トレーディング損益 | 104億45百万円 | -12.1% |
| 債券・為替等トレーディング損益 | 79億78百万円 | +12.3% |
| トレーディング損益合計 | 184億24百万円 | -3.0% |
受入手数料では、株式委託手数料に加え、投資信託の募集・売出しなどに伴う取扱手数料も増加しました。一方、その他の受入手数料は、グループ会社の減少などを受けて12.2%減少しています。株式市場の売買活況を収益に取り込むとともに、投資信託や債券など複数の収益源を伸ばせるかが、今後の安定性をみるポイントです。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比8.7%増の1兆6,593億58百万円となりました。自己資本比率は12.1%で、前期末から0.7ポイント低下しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期末 | 前期末または前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 1兆6,593億58百万円 | 1兆5,262億84百万円 | +8.7% |
| 純資産 | 2,157億11百万円 | 2,095億29百万円 | +2.9% |
| 自己資本比率 | 12.1% | 12.8% | -0.7ポイント |
| 中間配当 | 25円 | 22円 | +3円 |
総資産の増加には、トレーディング商品や有価証券担保貸付金の増加が影響しました。中間配当は前年同期を上回りましたが、前年の中間配当には記念配当8円が含まれており、単純比較には注意が必要です。期末配当は未定で、自社株買いの実施は短信に記載がありません。中間決算短信にはキャッシュ・フロー計算書の数値が示されていないため、資金の増減はこの資料だけでは確認できません。
通期見通し
東海東京FGは2027年3月期の通期業績予想を開示していません。主力の金融商品取引業は相場環境の変動による影響が大きく、業績予想を行うことが困難だと説明しています。
- 通期業績予想: 営業収益、営業利益、純利益ともに開示なし。
- 期末配当予想: 金額は未定。業績予想を開示しないことが理由として示されています。
中間期は大幅な増益となりましたが、株式売買の活況やトレーディング損益は市況次第で変化します。投資家は会社予想との比較ではなく、下期の市場環境や手数料収入の持続性、特別利益を除いた利益の動きを確認する必要があります。
戦略トピック
東海東京FGは中期経営計画の最終年度にあたり、調査力の強化やデジタル技術を活用した資産形成支援を進めています。市場環境に左右されやすい収益構造を補い、顧客基盤とサービスの質を高める取り組みです。
- 調査機能の強化: 株式ストラテジストの菊地正俊氏を東海東京インテリジェンス・ラボの理事長兼チーフ株式ストラテジストに招聘しました。
- 資産運用提案の高度化: 東海東京証券はQuantifeed Japanのデジタル・ウェルスマネジメント基盤「QEngine」を活用し、顧客の資産全体のリスク特性を踏まえた提案を始めました。
- ESG債の引受け: 主幹事証券会社として、引受額合計321億2,000万円のESG債を扱いました。
中期経営計画では、収益力や生産性の向上に加え、電力会社、通信会社、金融機関、地方銀行などとの協業、新たな事業の創出を掲げています。こうした施策が手数料収入などの安定収益につながり、市場の変動を受ける業績をどこまで補えるかが注目されます。
リスクと課題
証券会社の収益は株式市場や金利、為替の動きに左右されます。中間期は売買活況が手数料収入を押し上げましたが、相場の変化が反転すれば収益の下振れにつながる可能性があります。
- 市場の変動: 株価や売買高が低下すると、委託手数料や投資信託の販売関連手数料が減るおそれがあります。
- 金利・為替の変動: 国内外の金利上昇や為替の急変は、債券・為替等のトレーディング損益や金融収支に影響します。
- 地政学リスクと景気: 中東情勢の不透明感や物価上昇が続けば、投資家心理や市場の値動きが変化する可能性があります。
- 利益の変動性: 通期予想を開示していないため、投資判断では四半期ごとの収益内訳と特別損益を継続して確認する必要があります。
会社が業績予想を示さない背景には、こうした市場依存の強さがあります。手数料収入の成長だけでなく、トレーディング損益の振れや費用の増加にも目を配ることが重要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
791円
最新終値(2026/10/30)
791円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
東海東京FGをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて証券業界の今
掲載13社東海東京FGは証券業界の掲載13社中、売上高で5位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +20.4%全業界 +14.9%
- 予想の上方修正
- 1社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 13.8%
- 東海東京FG+38.3%
- 証券(業界平均)+20.4%
- 全業界+14.9%
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本取引所(営業利益+34.3%)。
- 会社計画2027年度の会社計画(2社合計)は営業利益+29.6%。営業利益の伸びは全業界の計画(+13.0%)を上回る。




タグ#東海東京FG#決算#決算分析#四半期決算#証券会社#受入手数料#株式市場#中間配当
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営業利益の大幅増は好材料ですが、背景には株式市場の売買活況があり、会社自身も相場変動を理由に通期予想を出していません。増益の持続性は市場環境に左右される点を踏まえ、手数料収入の伸びが続くかを追いたい決算です。
調査機能の強化やデジタル資産運用提案は、顧客との接点を深め、収益源を広げる方向性として注目できます。こうした施策が一時的な市況の追い風に頼らない収益につながるかが、中期的な評価の焦点です。
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掲載企業

東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社
東証 8616
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