東京計器、2027年3月期第1四半期決算、増収と通期予想を上方修正
東京計器の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比9.9%増の115億94百万円となり、営業損失は2億48百万円へ縮小しました。防衛・通信機器や船舶港湾機器の販売が伸び、補助金収入と投資有価証券売却益で最終損益も黒字化。会社は防衛関連の好調や円安効果を見込み、通期業績予想を上方修正しました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 116億円 | +9.9% | 700億円 | 17% |
| 営業利益 | -248百万円 | — | 70億円 | -4% |
| 純利益 | 31百万円 | — | 54億円 | 1% |
| 営業利益率 | -2.1% | |||
この決算のポイント
- 1船舶港湾機器の新造船向け需要と保守サービスが堅調で、売上高は前年同期比16.5%増
- 2防衛・通信機器の受注高は前年同期比62.7%増の50億14百万円
- 32027年3月期の営業利益予想を前回から9.4%引き上げ、70億円に修正
- 4年間配当予想は前期の40円から48円へ増額、配当予想の修正はなし
- 5総受注残高は前年同期末比9.3%増の639億21百万円
業績のポイント
東京計器(東京計器株式会社)は、2027年3月期第1四半期に増収となり、営業損失も前年同期から縮小しました。売上高は前年同期比9.9%増の115億94百万円、営業損失は前年同期の3億26百万円から2億48百万円へ改善し、親会社株主に帰属する四半期純利益は31百万円と黒字に転じました。
- 売上の伸び: 船舶港湾機器の新造船向け需要や、防衛・通信機器の航空機・艦艇搭載機器の販売が増加
- 営業損失の縮小: 船舶港湾機器の増収と円安、油空圧機器の高付加価値製品販売や価格適正化が寄与
- 最終黒字化: 補助金収入など営業外収益が増え、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益も計上
営業利益はなお赤字ですが、経常損失は前年同期の2億97百万円から53百万円に縮小しました。四半期純利益が黒字となった背景には、事業の採算改善に加えて補助金や有価証券売却益があり、最終利益だけでなく本業の損失縮小が続くかを今後も確認する必要があります。
セグメント別動向
売上の伸びをけん引したのは防衛・通信機器と船舶港湾機器です。一方、流体機器とその他の事業は減収となり、セグメントごとに濃淡が分かれました。
| セグメント | 売上高の前年同期比 | 営業利益の増減(百万円) |
|---|---|---|
| 船舶港湾機器 | +16.5% | +83 |
| 油空圧機器 | +6.0% | +155 |
| 流体機器 | -12.6% | -72 |
| 防衛・通信機器 | +19.6% | +133 |
| その他の事業 | -29.7% | -204 |
船舶港湾機器事業は、新造船向けの国内外需要と保守サービスが高水準で推移し、円安も利益を押し上げました。防衛・通信機器事業は航空機・艦艇搭載機器の販売が好調で、前期から繰り越された移動体衛星通信用アンテナスタビライザーの納入も売上増に寄与しました。
油空圧機器事業はアジア向け販売が増え、高付加価値製品の販売や価格適正化による原価率改善で黒字化しました。流体機器事業は前年同期にあった消火設備の大型案件がなく減収となりましたが、販売が第4四半期に集中する特性があり、第1四半期の営業損失だけで通期の採算を判断しにくい面があります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 船舶港湾機器事業 | 37億円 | 32% | 4億円 | 10.7% |
| 油空圧機器事業 | 28億円 | 24% | 39百万円 | 1.4% |
| 流体機器事業 | 7億円 | 6% | -218百万円 | -30.1% |
| 防衛・通信機器事業 | 40億円 | 34% | -121百万円 | -3.0% |
| その他の事業 | 4億円 | 4% | -303百万円 | -72.1% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は816億90百万円で、2026年3月末から減少しました。自己資本比率は負債の減少を背景に55.4%へ上昇し、会社は健全な財務基盤を維持していると説明しています。
| 項目 | 2026年3月末・前期実績 | 2026年6月末・今回 | 増減・前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 847億81百万円 | 816億90百万円 | -30億91百万円 |
| 純資産 | 461億55百万円 | 458億40百万円 | -3億15百万円 |
| 自己資本比率 | 53.7% | 55.4% | +1.7ポイント |
| 年間配当 | 40円 | 48円(予想) | +8円 |
売掛金・契約資産の回収が進み、受注増に伴う仕掛品や原材料の増加を補って資産全体は縮小しました。借入金返済などで負債も減っています。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、短信から四半期の営業キャッシュ・フローは確認できません。配当は増額予想ですが、自社株買いの実施に関する記載はありません。
通期見通し
東京計器は2027年3月期の連結業績予想を上方修正しました。防衛・通信機器の納入や航空機搭載機器の部品販売、船舶港湾機器の新造船向け販売が好調で、円安効果も見込むとしています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 683.00 | 700.00(+2.5%) | 611.86 |
| 営業利益(億円) | 64.00 | 70.00(+9.4%) | 53.62 |
| 経常利益(億円) | 65.10 | 70.70(+8.6%) | 54.92 |
| 純利益(億円) | 50.00 | 54.00(+8.0%) | 40.05 |
今回の修正は、5月11日に公表した前回予想を引き上げたもので、会社は防衛予算の増加を背景とする需要や繰り越し案件の納入を理由に挙げています。第1四半期は営業赤字であり、通期予想の達成には今後の売上計上と利益改善が重要です。会社も実際の業績はさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしています。
受注高と受注残
第1四半期の受注高は前年同期比23.8%増の156億39百万円、受注残高は前年同期末比9.3%増の639億21百万円でした。受注の増加は、今後の売上を支える材料となります。
| 指標 | 前年同期・前年同期末 | 今回 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 受注高(億円) | 126.36 | 156.39 | +23.8% |
| 受注残高(億円) | 584.87 | 639.21 | +9.3% |
| 防衛・通信機器の受注高(億円) | 30.82 | 50.14 | +62.7% |
| 船舶港湾機器の受注残高(億円) | 59.57 | 79.53 | +33.5% |
防衛・通信機器の受注高が大きく伸びたほか、船舶港湾機器では受注残高も増加しました。受注が売上や利益に結び付く時期は案件ごとに異なり、納入の進捗が四半期業績を左右します。受注残の拡大は先行きの支えですが、実際の業績では納期や採算の確認が欠かせません。
リスクと課題
増収と受注増は前向きな材料ですが、第1四半期の営業損益は赤字で、需要の継続や案件の納入時期が通期業績を左右します。会社が挙げる事業環境と、短信から読み取れる注意点は次の通りです。
- 原材料・エネルギー価格: 中東情勢の不安定化などで価格が高止まりしており、調達コストの上昇が利益を圧迫する可能性
- 納入時期のずれ: 防衛・通信機器では前期から繰り越された案件が売上に寄与しており、納入時期の変化が四半期ごとの業績に影響
- 季節性: 流体機器や防衛・通信機器は販売が第4四半期に集中する傾向があり、第1四半期の赤字と通期の採算には差が出る可能性
- 外部環境の不透明さ: 国内景気は緩やかな回復基調でも、原材料価格やエネルギー価格の動向など先行きには不確実性
とくに、営業損失の縮小が売上増や価格改善によるものか、補助金や有価証券売却益に頼らず継続できるかが焦点です。通期予想には円安効果も織り込まれているため、為替の変化にも注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
7,210円
最新終値(2026/10/23)
5,660円-21.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東京計器#決算#決算分析#四半期決算#増収#業績予想上方修正#防衛・通信機器#受注残#配当
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
本業の営業損失が縮小し、油空圧機器が黒字化した点は、売上増だけでなく採算改善も進んでいることを示す材料です。一方、四半期純利益の黒字化には補助金収入や投資有価証券売却益も寄与しており、利益の質を見るには営業損益の黒字転換が次の節目になります。
受注高と受注残の増加に加え、会社が通期予想を引き上げたことで、需要の見通しは明るさを増しました。ただし販売が年度後半に集中する事業もあり、受注が予定通り売上・利益に結び付くかを追うことが、投資家にも就活生にも重要な確認点です。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/tokyo-keiki/report/2027-Q1
関連記事
競合他社の最新記事
掲載企業
東京計器株式会社
東証 7721
これが最新の決算解説です







