
ツガミ、2027年3月期第1四半期決算、売上収益35%増で過去最高益、中国需要がけん引
売上高
430億円
+35.3%
通期予想
1,450億円
営業利益
135億円
+55.2%
通期予想
365億円
純利益
65億円
+55.0%
通期予想
170億円
営業利益率
31.3%
ツガミが発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上収益が前年同期比35.3%増の43,006百万円、営業利益が同55.2%増の13,466百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同55.0%増の6,527百万円と、いずれも四半期として過去最高を更新した。中国を中心とした海外需要の旺盛な引き合いが続き、自動旋盤を主力とする工作機械の出荷が好調だった。海外売上収益比率は96.5%に達し、グローバル展開の強さが改めて示された決算となった。
業績のポイント
ツガミ(株式会社ツガミ)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、全利益項目で四半期ベースの過去最高益を大幅更新する内容となった。売上収益は43,006百万円(前年同期比35.3%増)、営業利益は13,466百万円(同55.2%増)、親会社帰属四半期利益は6,527百万円(同55.0%増)と、売上・利益のすべてが過去最高を記録した。売上総利益率は38.7%(前年同期36.9%)に上昇し、販管費率が8.9%(同10.8%)に低下したことで営業利益率は31.3%(同27.3%)へと大きく改善した。
需要面では、主力の自動旋盤を中心に中国市場がけん引した。海外売上収益は41,510百万円(同36.9%増)となり、海外比率は96.5%に達した。特に中国向けは35,276百万円(同37.5%増)と全体の82%を占め、EV・スマートフォン関連の設備投資需要が継続した。インドも1,595百万円(同38.9%増)と堅調に推移し、韓国・欧州も増収を確保した。一方、米国向けは742百万円(前年同期比40.4%減)と減少したが、全体への影響は限定的だった。
業績推移(通期)
セグメント別動向
当第1四半期のセグメント業績は下表のとおり、中国セグメントが圧倒的な存在感を示し、日本セグメントも回復基調を強めた。インドは黒字転換を果たし、韓国・その他も含め全地域で増収となった。
| セグメント | 売上収益 (百万円) | 前年同期比 | セグメント利益 (百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 5,139 | +32.4% | 1,316 | +137.5% |
| 中国 | 35,517 | +41.4% | 11,553 | +50.1% |
| インド | 1,595 | +38.9% | 77 | 黒字転換(前年△45) |
| 韓国 | 452 | +13.8% | 7 | △65.9% |
| その他 | 302 | +200.5% | 0 | 黒字転換(前年△14) |
中国は、自動旋盤の出荷が好調で売上収益35,517百万円と全体の82.6%を占め、セグメント利益も11,553百万円と大幅増益を達成した。現地のEV・電子部品向け設備投資需要が継続し、日本からの部材供給を含む一貫生産体制が奏功した。営業利益率は32.5%と高水準を維持している。
日本は、外部収益は5,139百万円にとどまるが、セグメント間取引を含めた総収益は8,737百万円(同32.4%増)となり、利益は1,316百万円と急回復した。中国向け部材供給の増加が下支えし、国内向け研削盤・専用機も伸びた。
インドは、売上収益1,595百万円、利益77百万円と黒字化。自動旋盤の普及が進み、前年の赤字から大きく改善した。韓国は増収ながら利益が7百万円に減少。競争激化の影響とみられる。その他は売上302百万円と倍増し、損益分岐点に乗った。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 51億円 | 12% | 13億円 | 25.6% |
| 中国 | 355億円 | 83% | 116億円 | 32.5% |
| インド | 16億円 | 4% | 77百万円 | 4.8% |
| 韓国 | 5億円 | 1% | 7百万円 | 1.5% |
| その他 | 3億円 | 1% | 0百万円 | 0.0% |
財務状況と資本政策
当四半期末の総資産は164,397百万円(前期末比10,341百万円増)となった。現金及び現金同等物が44,695百万円(同2,515百万円増)と潤沢で、営業債権も売上拡大に伴い56,135百万円へ増加した。有利子負債は8,933百万円と低水準で、親会社所有者帰属持分比率は53.0%(前期末52.0%)と財務健全性は極めて高い。
キャッシュ・フローは、営業活動で4,808百万円の収入を確保した。税引前利益の増加に加え、契約負債(前受金)の増加1,992百万円が貢献したが、売上拡大に伴う運転資金の増加で一部相殺された。投資活動は設備投資等で501百万円の支出、財務活動は配当支払2,282百万円や自己株式取得299百万円などで2,934百万円の支出となり、ネットで現金が積み上がった。
株主還元にも積極的で、2027年3月期の年間配当は前期比13円増配の98円(中間・期末各49円)を予定している。前期に続く増配で、配当性向は約26.5%となる見込みだ。また、自己株式の取得も継続しており、資本効率の向上と株主価値の最大化を意識した資本政策がうかがえる。
リスクと課題
会社側は「足元の業績は堅調に推移しているものの、市場全体の不透明感も否めない」として、通期業績予想を据え置いた。主なリスク・課題は以下のとおりである。
- 中国経済への高い依存度:海外売上の約85%を中国が占め、同国景気の減速や政策変更の影響を直接受けやすい。
- 地政学リスクとサプライチェーン混乱:米中貿易摩擦の再燃や台湾情勢などが工作機械需要を冷え込ませる懸念がある。
- 為替変動リスク:円高が進行した場合、輸出競争力の低下や海外子会社収益の目減りにつながる。
- 競争激化:韓国やインドなどで競合他社との価格競争が利益率を圧迫する可能性がある。
- 設備投資需要の変動:EV・スマートフォン向け需要に依存しており、技術革新サイクルの変化が業績を左右する。
ただし、第1四半期の段階で通期予想に対する進捗率は売上で29.7%、営業利益で36.9%と高く、上振れ余地は十分にある。今後の受注動向と中国経済のソフトランディングが鍵を握る。
通期見通し
2027年3月期の通期連結業績予想は、期初予想(2026年5月13日公表)から変更なく、売上収益145,000百万円(前期比12.3%増)、営業利益36,500百万円(同1.1%増)、親会社帰属当期利益17,000百万円(同1.5%増)を見込む。第2四半期累計では売上75,000百万円、営業利益19,500百万円、当期利益9,000百万円が計画されている。
会社側は市場環境の不透明感を理由に慎重な見通しを維持しているが、第1四半期だけで通期営業利益予想の36.9%を達成しており、例年の進捗パターンからみても上振れが有力視される。中国需要が持続すれば、上半期の段階で通期予想の上方修正に動く可能性も視野に入る。なお、配当予想も年間98円で据え置かれているが、業績上振れ時にはさらなる増配も期待される。
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ツガミの第1四半期は、中国市場の需要回復を追い風に、自動旋盤を中心に過去最高の売上・利益を達成した。営業利益率31.3%は工作機械業界トップクラスの収益力であり、高付加価値ビジネスモデルの強さを印象づける。
一方、通期予想を据え置いた背景には、中国景気の不透明感や地政学リスクへの警戒がある。売上の8割超を中国が占める構造はリスクでもあり、今後の受注動向が焦点となる。インドやその他地域の伸びは評価できるが、事業ポートフォリオの分散は道半ばだ。
為替や貿易摩擦などの外部要因に左右されやすい体質ではあるが、潤沢なキャッシュを背景とした増配・自社株買いで株主還元姿勢は明確だ。通期予想は保守的との見方が多く、上期での上方修正があれば株価のさらなるカタリストとなろう。
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