ネクセラファーマ、ファブリー病薬lucerastatを日本などで独占開発、契約一時金は約13億円
ネクセラファーマはファブリー病治療薬候補「lucerastat」について、イドルシアから日本、韓国、台湾など中国を除くアジア太平洋地域の独占的な開発・商業化権を取得した。契約一時金は7百万スイスフラン(約13.34億円)で、純売上高に応じたロイヤリティも支払う。両社は第3相試験を推進し、早ければ2029年の承認申請を見据える。アジアで独占展開となる一方、前段の第3相試験では主要評価項目を達成しておらず、腎機能への効果の検証が焦点だ。

開示の要点
- 対象地域
- 日本・韓国・台湾など(中国除く)
- 契約一時金
- 7百万スイスフラン(約13.34億円)
- ロイヤリティ
- 対象地域の純売上高に応じて
- 試験開始
- 2026年10月28日
- 申請時期
- 早ければ2029年
アジアの開発・販売権を取得
ネクセラファーマはオプション権を行使し、イドルシアと共同開発・商業化契約を結んだ。対象地域では、同社がlucerastatを独占的に開発・商業化する。
- オプション取得の経緯: ネクセラファーマは2023年7月にイドルシアのアジア太平洋事業(中国を除く)を取得した際、今回のライセンスに関するオプション権も得ていた。
- 開発協力: ネクセラファーマはグローバル第3相試験の推進に協力し、日本での臨床開発を管理する。
- 業績への反映: 契約一時金は、同社が2026年2月13日に公表した2026年12月期の連結業績予想に織り込み済みとしている。
希少疾患の後期開発品を加えることで、ネクセラファーマは日本やアジア太平洋地域での医薬品ポートフォリオを拡充する。開発が成功すれば将来の事業収益に寄与する可能性があるが、現時点では臨床試験の結果と承認が前提となる。
腎機能を評価する第3相試験に参加
イドルシアが進めるグローバル第3相試験プログラムは、腎臓への影響を検証する複数の試験で構成する。ネクセラファーマは酵素補充療法との比較試験に参加する。
- 腎生検試験: FAB-KLEAR試験では成人男性患者16人を対象に、腎生検を実施する。
- 比較試験: 74人を対象に、lucerastatと標準治療である酵素補充療法が腎機能に与える影響を比較する。
- 規制当局との協議: 開発計画は、承認に向けた効率的な戦略について米国食品医薬品局(FDA)と協議・調整し、欧州医薬品庁(EMA)の助言も踏まえて策定した。
今回の契約は販売権の取得にとどまらず、日本での臨床開発と国際試験への参加を伴う。承認申請の時期は、これらの試験で有効性と安全性を確認できるかに左右される。
既存試験では主要評価項目を達成せず
lucerastatは、細胞内に蓄積する脂質Gb3の産生を抑えることを狙う経口薬候補だ。これまでの試験でバイオマーカーの変化などが報告されている一方、臨床上の効果を確かめる追加検証が必要となる。
- 既存の第3相試験: 118人を対象としたMODIFY試験では、プラセボに比べて血漿中・尿中のGb3が有意に低下した。
- 主要評価項目: 同試験では、主要評価項目だった神経障害性疼痛の軽減を達成できなかった。
- 継続試験の所見: 非盲検継続試験の中間解析では、投与中の腎機能低下速度が登録前より緩やかになることが示唆された。長期投与で良好な忍容性も報告されている。
バイオマーカーの改善や腎機能に関する兆候だけで、患者にとっての治療効果が確立したとは言えない。次の第3相試験で腎機能への影響を検証し、規制当局が求める承認根拠を得られるかが、開発の重要な分岐点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/28)
1,403円
最新終値(2026/10/28)
1,403円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
ネクセラをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて製薬業界の今
掲載24社ネクセラは製薬業界の掲載24社中、売上高で23位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +11.1%全業界 +17.1%
- 今期計画 営業利益
- +9.3%全業界 +11.4%
- 予想の上方修正
- 3社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 13.9%
- ネクセラ+54.2%
- 製薬(業界平均)+11.1%
- 全業界+17.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は16社合計で売上高+13.6%・営業利益+34.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は9社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは3社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは大塚HD(営業利益+30.3%)。






タグ#ネクセラファーマ#lucerastat#ファブリー病#独占的ライセンス#希少疾患#第3相試験#バイオ医薬品
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投資家が注目すべき点は、独占権の取得そのものより、腎機能への効果を第3相試験で裏付けられるかどうかだ。既存試験ではGb3の低下が確認された一方、主要評価項目の疼痛軽減は達成していない。期待材料と臨床リスクが併存しており、試験の進捗や結果が、将来の収益化と承認申請の見通しを左右する。
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