ネクセラ、2026年12月期第2四半期決算、提携収入増で営業黒字に転換
ネクセラの2026年12月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比25.3%増の189億10百万円となり、営業利益と純利益も黒字に転換しました。提携先の開発進展に伴うマイルストン収入の増加に加え、上市製品の販売拡大や研究開発費の減少が寄与しました。提携収入と製品販売が伸び、赤字から黒字へ転換した一方、通期予想は新規提携の一時金を含む幅の広いレンジです。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 189億円 | +25.3% |
| 営業利益 | 19億円 | — |
| 純利益 | 16億円 | — |
| 営業利益率 | 10.0% |
この決算のポイント
- 1研究開発提携のマイルストン収入は前年同期比65.8%増の65億35百万円
- 2クービビックの売上収益は前年同期比126.9%増の35億98百万円
- 3研究開発費は前年同期比14億74百万円減の60億円、重点領域を絞り込み
- 4通期売上収益予想は338億円から488億円、新規提携の一時金を上限に織り込む
- 56月末の現金同等物は177億48百万円、期末配当予想は0円
業績のポイント
ネクセラ(ネクセラファーマ)は2026年1〜6月期に売上収益189億10百万円を計上し、前年同期比25.3%増となりました。営業利益は18億81百万円(前年同期は27億56百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する中間利益は15億91百万円(同31億37百万円の損失)と、いずれも黒字に転換しました。赤字から営業黒字へ転換した背景を、営業利益の増減要因でみると次の通りです。
| 増減要因(億円) | 営業利益への影響 |
|---|---|
| 前年同期の営業損失 | -27.6 |
| 売上収益の増加 | +38.2 |
| 売上原価の減少 | +1.9 |
| 研究開発費の減少 | +14.7 |
| 販売費及び一般管理費の減少 | +6.1 |
| その他の収益・費用の悪化 | -14.6 |
| 端数調整 | +0.1 |
| 当中間期の営業利益 | 18.8 |
売上収益の伸びに加え、研究開発費や販管費の減少が利益を押し上げました。一方、構造改革費用と、のれん・リース資産の減損損失を含むその他費用が増加し、利益の回復を一部抑えています。コア営業利益は64億94百万円となり、前年同期の3億64百万円から大きく改善しましたが、減価償却費や一時費用などを調整した会社独自の指標であり、IFRS営業利益とは区別して見る必要があります。
- 前年同期-27.6億円
- 売上増+38.2億円
- 売上原価+1.9億円
- 研究開発費+14.7億円
- 販管費+6.1億円
- その他費用-14.6億円
- 端数調整+0.1億円
- 当中間期18.8億円
セグメント別動向
ネクセラは医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しており、報告セグメント別の業績は開示していません。売上収益の内訳では、上市済製品と研究・開発に関する収入がともに増加しました。
| 売上収益の内訳(百万円) | 2026年中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 上市済製品 | 10,854 | +27.6% |
| 研究・開発関連 | 8,056 | +22.3% |
| うち契約一時金 | 82 | -94.8% |
| うちマイルストン収入 | 6,535 | +65.8% |
| うち前受収益取崩額 | 1,438 | +34.0% |
上市済製品は、脳血管攣縮治療薬ピヴラッツが63億34百万円で前年同期比9.1%増、不眠症治療薬クービビックが35億98百万円で同126.9%増となりました。クービビックは販売好調が大幅増収につながり、ピヴラッツも堅調でした。一方、ノバルティスの呼吸器疾患製品から得るロイヤリティは、製品ポートフォリオの成熟に伴う販売減少で12.5%減りました。
研究・開発関連は、新規契約の一時金収入が前年同期の2件から1件に減った一方、提携先で開発が進んだ案件のマイルストン達成が5件から8件に増え、収入を押し上げました。マイルストン収入は案件の進捗時期に左右されるため、製品販売の伸びと分けて評価することが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 医薬品事業 | 189億円 | 100% | 19億円 | 10.0% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は1,323億81百万円で、2025年末から24億6百万円減少しました。親会社所有者帰属持分比率は49.0%と、前期末の45.3%から上昇しています。現金同等物は減少したものの、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の4億33百万円の収入から39億75百万円の収入へ改善しました。
| 項目 | 2026年中間期末・中間期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,323億81百万円 | 前期末比24億6百万円減 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 49.0% | 前期末45.3% |
| 営業キャッシュ・フロー | +39億75百万円 | 前年同期は+4億33百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | -43億47百万円 | 無形資産取得などが影響 |
| 財務キャッシュ・フロー | -25億76百万円 | 主に長期借入金を返済 |
| 現金同等物 | 177億48百万円 | 2025年末から26億16百万円減 |
| 年間配当予想 | 0円 | 前期実績も0円 |
投資キャッシュ・フローの支出には、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬vamoroloneの導入に伴う無形資産取得や、関連会社への出資が含まれます。また、持分変動計算書には12億50百万円の自己株式取得が記載されています。配当は前期に続き無配予想で、成長投資や借入金返済を進める一方、現金残高の推移にも注意が必要です。
通期見通し
2026年12月期の売上収益予想は338億円から488億円で、前期比14.1〜64.8%増を見込みます。営業利益は7億円から157億円、コア営業利益は78億円から228億円のレンジです。上限は重要な新規提携に伴う一時金を織り込む一方、下限も既存提携先からのマイルストン収入やコスト削減を前提としており、予想達成は確約されていません。
| 指標 | 2026年12月期予想 | 前期比・前提 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 338億〜488億円 | +14.1〜64.8% |
| コア営業利益 | 78億〜228億円 | 前期は黒字 |
| 営業利益 | 7億〜157億円 | 前期は営業損失 |
| ピヴラッツ売上収益 | 138億〜142億円 | 前期実績135億11百万円 |
| クービビック売上収益 | 50億〜60億円 | 前期実績43億27百万円 |
下限の前提には、既存パートナーからのマイルストン収入約125億円と、研究開発費・販管費の削減約35億円が含まれます。上限に届くには新規提携の一時金が必要で、契約の成立時期や開発進捗が業績を左右します。会社想定為替レートは米ドル1ドル152円、英ポンド1ポンド200円です。
戦略トピック
ネクセラは、日本・アジア太平洋地域で導入品や自社品を患者に届ける事業と、NxWaveプラットフォームを活用した創薬提携の拡大を成長の柱に据えています。中間期には導入、ライセンス、提携先の臨床開発で複数の進展がありました。
- vamoroloneの導入: サンセラ・ファーマシューティカルズと、日本、韓国、豪州、ニュージーランドでの開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結しました。韓国では希少疾病用医薬品と優先審査制度の指定を受け、2026年中の承認申請を予定しています。
- ニューロクラインとの提携: 統合失調症を対象にしたNBI-1117570のフェーズ2試験が始まり、ネクセラは契約に基づく2,250万米ドルのマイルストンを受領しました。
- Centessaの買収契約: Centessaがイーライリリーによる買収契約を発表しました。オレキシン2受容体作動薬シリーズに関するネクセラのマイルストン・ロイヤリティ権は、取引後も影響を受けないとしています。
- 研究提携の進展: AbbVieとの創薬提携では重要な研究マイルストンを達成し、各1,000万米ドルの受領を発表しました。収益計上は2026年と2027年以降に分かれる予定です。
提携先の開発進展は、契約一時金やマイルストン、将来のロイヤリティにつながる一方、収入の発生時期を自社だけでコントロールしにくい面があります。ライセンス導入と自社技術の外部展開を組み合わせ、製品売上と提携収入の両方を育てられるかが焦点です。
研究開発・成長投資
中間期の研究開発費は60億円で、前年同期の74億74百万円から14億74百万円減りました。会社は主な理由として研究開発領域の重点的な絞り込みを挙げており、費用を抑えながら有望案件に資源を振り向ける方針です。研究開発費全体の88%は英国での活動によるものでした。
- 創薬基盤: NxWaveは構造解析やIT・AIを活用し、主にGPCRを標的とする創薬を支える技術です。自社および提携先と開発する30品目超のパイプラインを持ちます。
- 提携先での開発: Neurocrineのムスカリン受容体作動薬や、Centessaとのオレキシン2受容体作動薬など、複数の候補品が臨床段階に進んでいます。
- 技術連携: 生物学・創薬向けのオープンソースAIツールを開発するOpenFoldコンソーシアムに参加し、創薬技術の深化を目指します。
費用の減少は短期利益を支えますが、開発候補の絞り込みが将来のパイプラインの厚みを損なわないかも確認したい点です。ネクセラは価値の高い新規提携や、提携先によるフェーズ2試験の開始を年間目標に掲げており、研究費の効率化と開発成果の両立が問われます。
リスクと課題
通期予想は提携収入やコスト削減、新規契約の成立を前提とし、幅があります。医薬品開発特有の不確実性に加え、製品販売や為替の変化も業績を左右します。
- 提携マイルストンの変動: 収入はパートナーの研究・臨床開発の進捗に連動します。達成時期がずれたり、開発が停滞したりすれば、売上収益や通期予想に影響する可能性があります。
- 新規提携の成立: 通期予想の上限には重要な新規提携に伴う一時金が含まれます。契約が成立しない場合、上限の達成は難しくなります。
- 臨床開発・承認の不確実性: 候補薬の試験結果や承認審査が想定通りに進まない場合、開発費の回収や製品化の時期が遅れるおそれがあります。
- 製品販売と競争環境: クービビックなどの販売拡大が続くか、成熟した呼吸器疾患製品の減少を補えるかが課題です。製品ごとの販売状況や提携先の販売戦略も収益に影響します。
- 為替・資金の管理: 英国など海外で研究開発を行い、会社予想には米ドル・英ポンドの想定レートを置いています。為替変動や導入・研究投資が重なれば、現金残高と費用に影響します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
865円
最新終値(2026/10/23)
1,343円+55.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ネクセラ#決算#決算分析#四半期決算#黒字転換#創薬提携#マイルストン収入#医薬品開発
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コメント
製品販売の拡大と提携先の開発進展が同時に表れ、収益源の幅が広がった中間期です。特にクービビックの伸びと複数のマイルストン達成は、販売力と創薬提携の双方が収益に結びつき始めたことを示します。
一方、通期予想の上限は新規提携の一時金を前提とし、下限もマイルストンやコスト削減に依存します。黒字化の持続性は、提携収入の再現性と製品販売の伸びで決まるため、下期の契約発表、臨床試験の進捗、現金残高をあわせて追いたい決算です。
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掲載企業
ネクセラファーマ株式会社
東証 4565
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