ペプチドリーム、2026年12月期第2四半期決算、売上高8%増も営業損失は縮小

ペプチドリームが発表した2026年12月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比8.0%増の92億26百万円となった。営業損失は25億34百万円(前年同期26億25百万円の損失)と赤字幅が縮小したが、依然として厳しい収益状況が続く。放射性医薬品事業が堅調に拡大し、創薬開発事業の損失改善を下支えした。通期では売上高320億円、営業利益46億円の黒字転換を見込む。
決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 92億円 | +8.0% | 320億円 | 29% |
| 営業利益 | -2,534百万円 | — | 46億円 | -55% |
| 純利益 | -1,999百万円 | — | 30億円 | -67% |
業績のポイント
ペプチドリーム(ペプチドリーム)の2026年12月期第2四半期(中間期)連結業績は、売上収益が92億26百万円(前年同期比8.0%増)と増収を達成した。放射性医薬品事業が売上を牽引し、製品販売や新規導入品の伸びが寄与した。一方、営業損失は25億34百万円(前年同期は26億25百万円の損失)と、前年同期比で損失幅が91百万円縮小したものの、赤字が継続した。
Core営業損失(買収関連償却費などを除く)は24億63百万円(前年同期26億07百万円の損失)と改善。親会社株主に帰属する中間純損失は19億99百万円(前年同期21億22百万円の損失)となり、1株当たり損失は15.51円(前年同期16.40円)に縮小した。研究開発費は26億42百万円と前年同期比23.7%増加し、将来の成長に向けた積極投資を継続している。
セグメント別動向
当社グループの事業は、創薬開発事業と放射性医薬品事業の2つに区分される。
放射性医薬品事業は、売上収益が80億25百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は2億42百万円(前年同期比44.4%減)となった。増収の主因は、アルツハイマー病診断薬「アミヴィッド®静注」やPET診断薬「フルデオキシグルコース(18F)静注」の堅調な販売、ならびに新製品「タウヴィッド®静注」の上市効果である。一方、利益面では、新工場建設準備や研究開発費の増加が影響し、減益となった。
創薬開発事業は、売上収益が12億01百万円(前年同期比57.8%増)と大幅増収。これは、契約一時金やマイルストーンフィーの計上、研究開発支援金の増加による。しかし、研究開発費の拡大などによりセグメント損失は27億31百万円(前年同期30億16百万円の損失)と損失がやや縮小したが、依然として大幅な赤字が続く。
| セグメント | 売上収益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 創薬開発事業 | 1,201 | -2,731 | - |
| 放射性医薬品事業 | 8,025 | 242 | 3.0% |
| 合計 | 9,226 | -2,489 | - |
(注)営業利益はセグメント利益ベース。調整後営業損失は25億34百万円。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 創薬開発事業 | 12億円 | 13% | -2,731百万円 | - |
| 放射性医薬品事業 | 80億円 | 87% | 2億円 | 3.0% |
財務状況と資本政策
当中間期末の総資産は722億25百万円と、前期末比48億07百万円減少した。主因は現金及び現金同等物の減少(50億80百万円減)である。負債は236億70百万円と前期末比18億34百万円減少。長期借入金の返済が進む一方、シンジケートローン契約のリファイナンスを実行し、手元流動性は確保している。
営業キャッシュ・フローは18億20百万円の支出(前年同期は109億52百万円の支出)と改善。投資キャッシュ・フローは設備投資などで6億13百万円の支出。財務キャッシュ・フローは長期借入金の返済や自己株式取得などで27億09百万円の支出。
配当は前期に続き0円の無配を継続。一方、自己株式の取得を9億97百万円実施し、株主還元よりも成長投資と財務体質強化を優先する姿勢を示している。
リスクと課題
ペプチドリームは創薬開発と放射性医薬品の両事業で、開発パイプラインの進捗が収益に直結する構造だ。主なリスクは以下の通り。
- 開発失敗リスク:臨床試験の遅延や失敗は、マイルストーン収入の未達や将来の成長に重大な影響を与える。
- 競争激化:放射性医薬品分野ではグローバル大手の参入が相次ぎ、差別化と迅速な開発が求められる。
- 資金調達:大規模設備投資(新工場に100~120億円、新研究棟に120~150億円)を計画しており、資金調達と金利上昇が財務負担となる可能性がある。
- 規制・薬価:放射性医薬品の承認審査や薬価制度の変更が事業採算に影響を及ぼす。
- 為替変動:海外提携先からの収入や外貨建て費用が業績を変動させる。
なお、当中間期は営業損失を計上したが、十分な手元資金を有し、継続企業の前提に重要な不確実性はないと判断している。
通期見通し
2026年12月期通期の連結業績予想は、売上収益320億円(前期比72.8%増)、営業利益46億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を見込む。下期に創薬開発事業で大型の契約一時金やマイルストーンフィーの計上を予定しており、一気に黒字化する計画だ。
| 項目 | 2026年12月期 通期予想 | 2025年12月期 通期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 32,000百万円 | 18,517百万円(推定) | +72.8% |
| 営業利益 | 4,600百万円 | -3,006百万円(推定) | 黒字転換 |
| 親会社帰属純利益 | 3,000百万円 | - | - |
(注)2025年12月期通期実績は開示値に基づく推定。前期比は会社発表数値を使用。
研究開発費は通期64億45百万円、設備投資は54億49百万円を計画。かずさアカデミアパークの新製造設備(2027~2028年稼働予定)や殿町新研究棟(2027~2029年)など、将来の成長基盤への投資を加速させる。
戦略トピック
放射性医薬品パイプラインが着実に進展し、将来の収益ドライバーへの期待が高まる。主な進捗は以下の通り。
- 64Cu-ATSM(悪性神経膠腫):医師主導第3相試験が進行中。2025年11月にリンクメッドが千葉県に製造工場を建設。
- 177Lu/64Cu-PSMA I&T(前立腺がん):診断薬64Cu-PSMA I&Tの患者投与を2026年6月に完了。治療薬177Lu-PSMA I&Tも臨床試験を推進中。
- 225Ac/64Cu-CA9(腎細胞がん):自社プログラムとして2026年6月に米国で第1相試験を開始。
- 177Lu/68Ga-HER2(乳がん等):Novartis社による第1相試験開始でマイルストーンフィーを受領。
さらに、Non-RI領域では、成長ホルモン受容体アンタゴニストALXN2420が第2相試験入りするなど、複数のプログラムが臨床段階に進んでいる。当社独自の経口ペプチド(マイオスタチン阻害薬、IL-17阻害薬など)も提携交渉を継続中だ。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/12)
1,007円
最新終値(2026/10/23)
1,059.5円+5.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ペプチドリーム#決算#決算分析#四半期決算#増収#赤字縮小#放射性医薬品#創薬#バイオテクノロジー#研究開発
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コメント
ペプチドリームの2Q決算は、増収と損失縮小という点で前進したが、黒字化は依然として下期の契約金獲得に依存している。特に創薬開発事業は、自社パイプラインの価値向上が求められる段階だ。
ポジティブ面では、放射性医薬品事業がアミヴィッドやタウヴィッドの伸びで安定的な収益基盤を築きつつあり、PSMAやCA9など次世代パイプラインの臨床進捗も注目される。大規模な設備投資計画は将来の量産体制を見据えた先行投資と評価できるが、資金負担と収益化のタイムラグには注意が必要だ。
経口ペプチド医薬品(マイオスタチン阻害薬など)やPDC分野での提携進展があれば、株価のカタリストとなる可能性がある。短期的には、通期予想達成の蓋然性と提携契約の発表が焦点となる。
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