EIZO、第9次中計で2029年度売上高940億円、営業利益80億円とROE8%目指す
EIZOは2027~2029年度の第9次中期経営計画を策定し、最終年度の2029年度に売上高940億円、営業利益80億円、ROE8%を目指す。手術・治療、監視・セキュリティ、ディフェンスに成長投資を集中し、モニター中心の事業からシステムやソフトウェア、サービスを組み合わせる映像ソリューション企業への転換を進める。利益成長と収益構造改革を掲げ、株主還元と財務健全性の両立も図る。

開示の要点
- 売上高目標
- 2029年度940億円
- 営業利益目標
- 2029年度80億円
- ROE目標
- 2029年度8.0%
- 年間配当
- 計画期間中115円
- 自社株買い
- 最大270億円相当
営業利益を80億円へ、収益力の引き上げが柱
EIZOは第9次中計の最終年度に、売上高940億円、営業利益80億円、営業利益率8.5%を目標に据えた。売上高は2026年度計画から10.6%増、営業利益は同142.4%増を見込む。
| 指標 | 2026年度計画 | 2029年度目標 |
|---|---|---|
| 売上高(億円) | 850 | 940 |
| 営業利益(億円) | 33 | 80 |
| 営業利益率(%) | 3.9 | 8.5 |
| 当期純利益(億円) | 65 | 110 |
当期純利益には投資有価証券売却益を含む。ROEは2025年度実績の5.6%から、2029年度に8.0%への引き上げを目指す。1株当たり利益(EPS)は2029年度に400円を掲げ、2026年度以降の年平均成長率を30%とする計画だ。
同社は今回の計画を「映像ソリューション企業への進化と収益構造改革の3年間」と位置付けた。成長市場への投資と利益率の改善を並行して進め、利益成長と資本効率の向上を企業価値につなげる考えだ。
手術・治療や監視、ディフェンスに投資を集中
事業を市場の成長性や収益性などに応じて3領域に分け、成長領域に経営資源を重点配分する。モニターを起点に、システム、ソフトウェア、サービスを組み合わせる事業モデルへの転換も加速する。
- 成長領域: 手術・治療、監視・セキュリティ、ディフェンス。成長投資を集中し、事業と利益の拡大を狙う。
- 中核領域: 診断・検査、航空管制、船舶、アミューズメント。競争力を保ち、販売やサービス体制の強化で収益力を高める。
- 再構築領域: B&P、クリエイティブワーク。技術やブランド、調達、製造を支える基盤としての役割を維持しつつ、事業体制を見直す。
ヘルスケアでは、AIを使った品質管理やソフトウェア・サービスの拡大に加え、手術モニターや手術室向け映像システムを強化する。V&S(映像・ビジュアルシステム)では、映像機器やシステムエンジニアリングの強みを生かし、社会インフラや防衛分野で海外展開を進める。再構築領域では、製品構成や顧客層を見直し、付加価値と収益性を重視する。
モニター販売から映像ソリューションへの転換には、ハードウェアだけでなくソフトウェアやサービスの提案力が欠かせない。EIZOはM&Aも活用し、映像ソリューションの高度化、エンジニアリング機能の強化、ヘルスケアやV&Sの事業基盤拡大を目指す。
3年間の成長投資は400億~600億円、人材育成も強化
第9次中計期間の成長投資は、3年間で400億~600億円を計画する。M&Aやインド・中東などの市場開拓、インドの生産拠点整備、映像ソリューション事業の強化、研究開発を投資先に挙げた。
- 事業基盤の拡大: 戦略地域で販売・サービス網を広げ、インドでの生産拠点整備を進める。
- 技術・製品開発: 中長期の成長を支える研究開発や、次世代技術、新市場への先行投資に取り組む。
- 人材の配置・育成: 成長領域への計画的な要員投入や部門横断の配置を進め、DX・AI人材の育成、技術者のリスキリングを図る。
- 採用・定着: 中期の要員計画に基づく採用や専門人材の確保、評価制度の見直し、エンゲージメント向上を進める。
人員削減や拠点閉鎖を示す計画ではなく、成長領域への人材配置や専門人材の採用、社員の学び直しを掲げた。就職活動中の学生にとっては、医療や社会インフラなどの事業に加え、ソフトウェア、AI、海外展開を支える人材需要が計画の焦点となる。
配当は115円を維持、株主還元と投資の両立を目指す
株主還元では計画期間中の年間配当を1株115円に据え置き、配当総額を投資有価証券売却益を除くコア純利益の範囲内に収める方針だ。自己株式の取得も機動的に実施し、総還元率の目標を連結当期純利益の70%+αとする。
- 資本効率の改善: 政策保有株式の縮減を前倒しし、純投資目的株式を成長投資に活用する。
- 財務運営: 財務健全性を保ちながら成長投資と株主還元を進め、自己資本比率は60%台後半を維持する方針。
- 資本政策: ROEを取締役の業績連動報酬に採用し、社員向け株式インセンティブ制度も導入する。
配当の安定を示す一方、投資有価証券の売却や自己株式取得を含む資本政策を通じて、資産効率とROEの向上を図る。計画の数値や施策は前提に基づくもので、実現を保証するものではないとしている。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
2,909円
最新終値(2026/10/30)
2,909円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
EIZOをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社EIZOは電機業界の掲載59社中、売上高で53位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +15.4%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +22.9%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 23社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- EIZO+32.8%
- 電機(業界平均)+15.4%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は25社合計で売上高+9.2%・営業利益+57.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は13社、下回る企業は21社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは23社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのは村田製作所(営業利益+36.8%)。






タグ#EIZO#中期経営計画#映像ソリューション#ヘルスケア#ディフェンス#株主還元#人材戦略
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注目点は、売上高の拡大以上に営業利益を2026年度計画の33億円から2029年度の80億円へ伸ばす計画にある。実現には、成長領域への投資だけでなく、成熟市場に位置付けるB&Pやクリエイティブワークの収益構造改革が重要になる。利益率改善とソリューション事業の拡大が両立するかが、計画の進捗を測る焦点だ。株主還元を維持しつつ、成長投資の成果がROE向上に結び付くかも確認したい。
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