東京センチュリー、ACGがエアバスA320neoを75機発注、カタログ価格約1兆8560億円、2032年から納入
東京センチュリーの連結子会社、米航空機リース会社Aviation Capital Group(ACG)は、エアバスにA320neoシリーズ75機を発注することを決めた。参考カタログ価格は約1兆8560億円で、機体の受領は2032年から2035年を予定する。実際の取得価額は非開示で、過去の発注規模との比較も資料にはない。次世代機75機を発注し、燃費効率の高い機材を求める航空会社の需要を見込む。納入は2027年3月期以降で、同年度の連結業績への影響は軽微としている。

ACGがA320neoシリーズ75機を発注、受領は2032年以降
ACGは米国時間の2026年10月15日(日本時間の同16日)に、エアバスへのA320neoシリーズ75機の発注を決議し、同日に契約を締結した。受領時期は2032年から2035年で、発注から納入まで時間をかけて機材を受け取る計画だ。資料に記載された約1兆8560億円はカタログ価格であり、守秘義務を理由に実際の取得価額は開示していない。為替換算には2026年9月30日時点の1ドル157.33円を用いている。したがって、カタログ価格を実際の投資額とみなすことはできない。
今回の開示には、ACGの過去の発注機数や前期の発注額との比較はない。機材価格についても、前期比や航空機リース業界の平均価格は示されていない。ACGは1989年創業で、2026年6月末時点ではリース機体286機と管理機体25機の計311機を保有・管理し、発注済み機体なども含む機数は504機としている。75機は、この504機という発注分を含む規模とあわせて見る必要があるが、発注後の総機数を単純に足し上げた数値は資料に記載されていない。
燃費と環境性能を重視、ナローボディ機の需要を見込む
発注するA320neoシリーズは、エアバスの最新型ナローボディ機。東京センチュリーは、旺盛な旅客輸送需要や次世代機への入れ替え需要を背景に、航空会社のオペレーティングリース需要が高まると判断した。とくに短・中距離路線の増加を見込み、機体引き渡し時期以降もナローボディ機への需要が続くとみて発注に踏み切った。ACGの機体構成では、平均機齢が5.4年、ナローボディ機の割合が機体数ベースで94%。これらの数値について、航空機リース業界全体との比較値は開示資料にない。
会社説明によると、A320neoシリーズは前世代機に比べ、燃料消費量とCO2排出量を最大20%削減し、運航時の騒音を最大50%低減する。比較対象は前世代機で、削減率はいずれも「最大」の値であり、全機体・全運航で一律に達成されると示したものではない。
| 比較項目 | 開示された数値 | 比較の基準・補足 |
|---|---|---|
| A320neoの燃料消費量・CO2排出量 | 最大20%削減 | 前世代機比。業界平均との比較は非開示 |
| A320neoの運航時騒音 | 最大50%低減 | 前世代機比。業界平均との比較は非開示 |
| ACGのナローボディ機比率 | 94% | 機体数ベース。業界平均との比較は非開示 |
| ACGの平均機齢 | 5.4年 | 2026年6月末時点。業界平均との比較は非開示 |
高い燃費効率を持つ機材をそろえ、リース需要と資産効率の向上につなげる方針だ。
2027年3月期への影響は軽微、ACGの連結除外予定にも留意
東京センチュリーは、機体の納入が2032年以降となるため、今回の発注が2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微としている。これは発注時点での会社見通しであり、取得価額や将来のリース収益など、業績への具体的な金額は開示されていない。前期比の利益影響や航空機リース業界の標準的な収益性との比較も資料にはないため、発注機数やカタログ価格だけから短期の利益効果を推定することはできない。
一方、同社は別途、連結子会社TC Skyward Aviation U.S., Inc.(SKY-U)の発行済み株式の50.0%を伊藤忠商事に譲渡する契約を締結している。必要な各国の競争法上の許認可などを経て株式譲渡が実行されれば、SKY-Uとその100%子会社であるACGは連結子会社から外れ、持分法適用関連会社となる予定だ。今回の発注は連結子会社としてのACGによる決議だが、譲渡実行後の会計上の扱いや発注の収益寄与について、今回の資料は詳細を示していない。
このため投資家は、機体の段階的な受領による中長期のリース事業拡大だけでなく、ACGの連結範囲が変更される見込みも合わせて確認したい。株式譲渡の実行時期は本資料では確定しておらず、許認可などの手続きが前提となる。発注規模だけでなく、ACGの持分法会社化が業績の見え方を左右する点が重要だ。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/16)
2,614.5円
最新終値(2026/10/23)
2,489.5円-4.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東京センチュリー#航空機発注#Aviation Capital Group#エアバス#A320neo#航空機リース#ナローボディ機
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コメント
今回の発注は、短・中距離路線向け機材の需要を見込み、次世代機を将来のリース資産として確保する動きといえる。一方、75機の実際の取得価額や収益寄与は非開示で、納入も2032年以降と先になるため、短期業績への効果は限定的だ。さらにACGは株式譲渡後に連結対象から外れる予定で、今後は連結売上高の伸びだけでなく、持分法投資損益や譲渡手続きの進捗も確認したい。長期需要と連結範囲の変化を併せて見る案件である。
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