総合リース6社・2027年3月期Q1比較、利益の明暗を分けた一過性益と本業の強さ
6社の決算では、増益企業と減益企業が分かれました。オリックスはキオクシア関連益で純利益が急伸し、東京センチュリーも航空機・船舶の売却が利益を押し上げました。一方、三菱HCキャピタルは前年の特殊要因が消え、大幅減益に。利益の伸びは本業だけでは測れない決算です。なお、FPGは9月期の第3四半期で、他社の第1四半期とは期間が異なります。
今期の総括
一過性益が増益の見え方を左右
業界全体の動き
- 一過性の利益が業績を左右しました。オリックスはキオクシア関連の評価益などが純利益を押し上げました。みずほリースも負ののれんが利益に寄与しています。
- 保有資産の売却が追い風です。東京センチュリーは航空機・船舶の売却益で、トランスポート部門の利益が大きく伸びました。
- 前年の特殊要因の反動も出ました。三菱HCキャピタルは前年の決算期変更に伴う利益228億円がなくなり、営業利益が42.9%減りました。
- 増収と増益は必ずしも連動しません。みずほリースは売上高が4.4%減る一方、営業利益は39.0%増。利益率の高い事業や特殊要因が差を生みました。
- なお、FPGは2026年9月期の第3四半期累計です。他社の2027年3月期第1四半期とは、期間も決算モデルも異なります。単純比較には注意が必要です。
売上高ランキング
営業利益ランキング
勝者と敗者
増収増益のバランスで目立ったのは東京センチュリーです。売上高は11.7%増、営業利益は31.1%増、純利益は59.1%増でした。航空機や船舶の売却が大きく寄与し、海外事業も円安の追い風を受けました。
ただし、利益の伸びすべてが継続収益ではありません。純利益の伸び率では、キオクシア関連益を得たオリックスが161.8%増で首位です。営業利益も11.7%増えましたが、純利益の急増には評価益や子会社売却益が含まれます。増益の中身に大きな差があります。
最も苦戦したのは三菱HCキャピタルです。営業利益は42.9%減、純利益は44.8%減でした。前年にあった228億円の決算期変更効果が剥落し、資産売却益も減少しました。会社は通期予想を据え置いていますが、下期の利益回復が焦点です。
FPGは売上高が43.3%減りましたが、営業利益の減少は8.6%にとどまりました。リースファンド事業の出資金販売が過去最高となり、売上総利益の落ち込みを抑えています。売上高だけでは実態を捉えにくい例です。
- 好調
- 東京センチュリー
- 苦戦
- 三菱HCキャピタル


注目の動き・戦略比較
- オリックスは通期の純利益予想を5,300億円へ上方修正しました。調整後利益も重視する方針で、一過性益と本業の稼ぐ力を分けて見る必要があります。
- 東京センチュリーは航空機リース子会社ACGの一部株式を伊藤忠商事へ譲渡する方針です。資本効率を高めつつ、成長投資の資金を確保する狙いがあります。
- みずほリースは売上高が4.4%減る一方、営業利益は39.0%増えました。負ののれんの寄与に加え、リース・割賦事業の収益改善も見られます。通期営業利益予想は400億円です。
- 芙蓉リースは売上高16.6%増、営業利益29.3%増でした。営業利益率も前年の8.8%から9.8%へ上昇。ただし契約実行高は10.1%減で、今後の案件積み上げが課題です。
- 三菱HCキャピタルは前年の反動が重く出ました。一方、海外カスタマー事業では貸倒費用の減少など回復材料もあります。
- FPGは国内不動産商品の販売が税制改正報道の影響で64.0%減りました。一方、リースファンド事業の売上総利益は29.3%増え、事業構成の変化が進んでいます。
営業利益率ランキング
業界共通のリスク
- 資産売却益や評価益の反動。売却案件の時期で四半期利益がぶれやすく、前年との単純比較には注意が必要です。
- 金利上昇と調達コスト。貸出・リースの利回りへ転嫁できなければ、利益率を圧迫します。
- 景気悪化と信用コスト。顧客企業の資金繰りが弱まれば、貸倒費用の増加につながります。
- 税制・規制の変更。FPGの不動産小口化商品のように、制度変更の報道だけでも需要が動く場合があります。
- 為替や海外市場の変動。円安は海外収益を押し上げる一方、調達費用や資産価値にも影響します。
- 案件獲得をめぐる競争。航空機、物流、再生可能エネルギーなど成長分野では、投資価格や採算の見極めが重要です。
順位変化と構造トレンド
売上高ではオリックスが8,766億円で首位、三菱HCキャピタルが5,391億円で続きます。芙蓉リースは2,011億円で、前年同期比16.6%増でした。提供された比較サマリーには芙蓉リースの単位誤りがあるため、ここでは詳細欄の数値を採用しています。
営業利益率はFPGが34.3%で最も高く、オリックスの15.3%を上回りました。ただし、FPGはファンド商品の販売を含み、他社とは収益モデルが異なります。利益率の高さだけで優劣は決められません。
各社の数字には売却益や評価益、前年の特殊要因が混在します。今後は、調整後利益や契約実行高、セグメント別利益を追い、継続収益の伸びを確かめることが大切です。
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
就活生・転職希望者へ
リース会社の仕事は、資金を貸すだけではありません。航空機や不動産などの資産を選び、顧客の事業課題に合わせて運用する力が求められます。
東京センチュリーやオリックスの動きからは、海外案件や資産売却、投資判断の重要性が見えます。みずほリースや芙蓉リースでは、事業ごとの採算管理も鍵です。財務に加え、業界知識や営業、リスク管理を組み合わせたい人に、幅広いキャリアの機会があります。
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