中国電力、中電工TOBに630万株応募で特別利益、27年3月期純利益を350億円に上方修正
中国電力は中電工の自己株式公開買い付けに保有株の一部を応募し、成立時に連結で約50億円の特別利益を見込む。2027年3月期の連結純利益予想は350億円へ上方修正する一方、営業利益は430億円に引き下げる。純利益は前期の685億3900万円を下回る。売上高は1兆6300億円。中電工株の一部売却後も保有を続け、資本効率の向上とグループ連携の継続を目指す。

開示の要点
- 連結特別利益
- 約50億円
- 個別特別利益
- 約280億円
- 通期純利益
- 350億円
- 応募株数
- 630万株
- 公開買付価格
- 1株4,614円
- 買付期間
- 2026年11月2日〜12月1日
中電工株を一部売却、保有は継続
中国電力は、中電工が実施する自己株式の公開買い付けに保有株の一部を応募する。売却後も中電工株を保有し、資本関係の最適化による資本効率の向上を図る。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募前の保有 | 2,189万3,392株、所有割合41.34% |
| 売却予定 | 630万株 |
| 応募後の保有予定 | 1,559万3,392株、所有割合33.42% |
| 売却総額の予定 | 290億6,800万円 |
| 決済開始日 | 2026年12月23日 |
公開買付期間は2026年11月2日から12月1日まで。応募株式の総数が中電工の買付予定数を上回る場合は按分比例となり、中国電力が応募した株式の一部を売却できない可能性がある。全株を手放すのではなく、持ち分を残しながら資本効率を高める判断だ。
純利益は上方修正、営業利益は下方修正
2027年3月期の連結業績予想は、売上高を引き上げる一方、営業利益と経常利益を引き下げた。親会社株主に帰属する当期純利益は上方修正したが、前期実績を下回る見通しだ。
| 連結(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 前回比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,900 | 16,300 | 14,423.02 | +9.4% |
| 営業利益 | 520 | 430 | 902.16 | -17.3% |
| 経常利益 | 400 | 380 | 802.25 | -5.0% |
| 当期純利益 | 310 | 350 | 685.39 | +12.9% |
| 個別(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 前回比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 13,900 | 14,600 | 12,667.88 | +5.0% |
| 営業利益 | 370 | 140 | 661.60 | -62.2% |
| 経常利益 | 360 | 160 | 674.91 | -55.6% |
| 当期純利益 | 280 | 430 | 598.28 | +53.6% |
連結では前回予想に比べ売上高が1,400億円増える一方、営業利益は90億円、経常利益は20億円減る。純利益は40億円上方修正するものの、前期比では335億3,900万円減る。個別も純利益は前回予想を上回るが、営業利益・経常利益は前期実績を大きく下回る見通しとなった。
販売電力量の増加を見込む一方、燃料費が重荷
業績予想の修正には、販売電力量の増加や託送料金の見直しによる改善と、燃料費などを巡る悪化要因が織り込まれた。会社は、連結経常利益が前回予想を下回る一方、有価証券の売却益により純利益は上回ると説明している。
- 販売電力量: 個別の総販売電力量は621億キロワット時を想定し、前回予想の604億キロワット時から増加する。前期実績は568.1億キロワット時だった。
- 利益を押し下げる要因: 燃料価格の高騰などに伴う燃料費等調整の期ずれ差損が拡大し、需給収支も悪化する見込み。
- 利益を押し上げる要因: 託送料金の見直しによる収支改善を見込むほか、有価証券の売却益を純利益予想に反映した。
本業の利益と純利益の動きが分かれる見通しで、純利益の上方修正だけでは収益環境の改善を判断しにくい。燃料価格や需給の変化が、今後の利益を左右する要素となる。
特別利益は売却成立が前提、連携は維持
応募株式の全てを売却できた場合、中国電力は2027年3月期に関係会社株式売却益を計上する見込みだ。見込み額は個別決算と連結決算で異なる。
- 計上見込み: 個別決算で約280億円、連結決算で約50億円の特別利益。
- 計上の条件: 公開買い付けが成立し、応募した630万株の全てを売却できること。応募超過時は按分比例となり、全株を売却できない可能性がある。
- 売却後の方針: 中電工株の保有を続け、中国電力グループとの連携を維持する。
同社は、資本関係を見直しつつ、中電工の経営の独立性・自律性を確保したうえで、系統用蓄電池やデータセンターなどの分野で連携を深める考えだ。売却益の計上は一時的な利益要因であり、営業・経常利益の下方修正とは分けて見る必要がある。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
994.3円
最新終値(2026/10/30)
994.3円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
中国電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社中国電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で9位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.2%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- −17.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 中国電力+15.8%
- 電気・ガス(業界平均)+12.2%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は12社合計で売上高+13.7%・営業利益−39.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは北海道電力(営業利益+27.1%)。




タグ#中国電力#中電工#公開買付け#特別利益#業績予想修正#電力#系統用蓄電池#データセンター
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今回の発表は、株式売却益が純利益を押し上げる一方、営業利益・経常利益は前回予想を下回るという二面性が焦点だ。投資家は純利益の上方修正だけでなく、燃料費の期ずれ差損や需給収支の悪化が本業の利益に与える影響を確認したい。一時的な売却益と継続的な収益力を分けて評価することが重要となる。
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