東北電力、2027年3月期の売上高3兆4700億円を予想、年間配当42円に増額
東北電力は2027年3月期通期の連結業績予想を初めて公表し、売上高3兆4,700億円、営業利益2,100億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,200億円を見込む。いずれも前期実績を上回る。年間配当は前回予想の40円から42円へ引き上げ、前期実績の40円も上回る。電気料金の見直しや市場環境を織り込み、未定だった業績見通しを提示した。

開示の要点
- 売上高
- 3兆4,700億円
- 営業利益
- 2,100億円
- 当期純利益
- 1,200億円
- 年間配当
- 1株42円
- 期末配当
- 1株22円
2027年3月期、業績予想を初公表
東北電力は、これまで未定としていた2027年3月期の連結業績予想を公表した。売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてで、前期実績を上回る見通しを示した。
| 連結業績 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 未定 | 34,700 | 23,724.2 |
| 営業利益(億円) | 未定 | 2,100 | 1,603.8 |
| 経常利益(億円) | 未定 | 1,700 | 1,264.07 |
| 当期純利益(億円) | 未定 | 1,200 | 849.75 |
| 1株当たり利益(円) | 未定 | 239.80 | 169.85 |
同社は2026年4月30日に業績予想を未定としていた。今回の予想は、一定の前提に基づくもので、会社は実際の業績がさまざまな要因で大きく異なる可能性があるとしている。
料金見直しや販売電力量の増加を反映
売上高は、前期の2兆3,724.2億円から3兆4,700億円となる見通し。東北電力は、間接オークションに伴う自己約定を含むエリア外取引の増加などを主な要因に挙げた。
- 料金制度: 東北電力ネットワークで、レベニューキャップ制度に基づく「託送供給等に係る収入の見通し」の変更が承認されたことを受け、電気料金の見直しを決定した。
- 販売電力量: 小売は640億kWh程度、卸売は278億kWh程度を想定。合計は918億kWh程度で、前期実績の789億kWhを上回る。
- 市場・燃料環境: 中東情勢を踏まえた燃料価格の動向なども、予想の前提に織り込んだ。
利益面では、燃料費調整制度のタイムラグや支払利息の増加がある一方、前年度末の時価評価影響の振り戻しや、市場・販売環境の変化に伴う収支改善を見込む。前期実績と比べ、営業利益は1,603.8億円から2,100億円、経常利益は1,264.07億円から1,700億円となる予想だ。
燃料価格や為替など、予想の前提と感応度
会社は燃料価格や為替、原子力設備利用率について前提を示した。いずれも前期実績から変化しており、予想を読むうえで確認したい条件となる。
| 主要諸元 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|
| 原油CIF価格(ドル/バーレル) | 109程度 | 71.4 |
| 為替レート(円/ドル) | 157程度 | 151 |
| 原子力設備利用率(%) | 24.5程度 | 22.9 |
| 変動要因 | 収支変動影響額(億円) |
|---|---|
| 原油CIF価格、1ドル/バーレル | 15程度 |
| 為替レート、1円/ドル | 31程度 |
| 原子力設備利用率、1% | 32程度 |
収支変動影響額は、各要因が記載の単位だけ変動した場合の通期影響額として示されたもの。燃料価格や為替の前提が動けば収支も変わり得るため、今後の市場環境と実績の推移が予想の確度をみるポイントとなる。
年間配当は42円、前回予想から2円増額
期末配当予想を1株20円から22円に引き上げ、年間配当予想を42円とした。前期実績の年間40円と比べても増配となる。
| 1株当たり配当(円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 第2四半期末 | 20 | 20 | 20 |
| 期末 | 20 | 22 | 20 |
| 年間合計 | 40 | 42 | 40 |
東北電力は安定配当を基本とし、2025年3月期以降は財務基盤の回復とのバランスを考慮して、DOE(株主資本配当率)2%を目安に配当を判断する方針。業績予想を公表し、一定の利益を確保できる見通しとなったことに加え、会計上の一時的な時価評価の影響を除いた前年度末株主資本に対するDOE2%の水準も勘案して、期末配当を増額した。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
1,288.5円
最新終値(2026/10/30)
1,288.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
東北電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社東北電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で5位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.2%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- −17.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 東北電力+22.0%
- 電気・ガス(業界平均)+12.2%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は12社合計で売上高+13.7%・営業利益−39.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは北海道電力(営業利益+27.1%)。




タグ#東北電力#業績予想#配当予想#電力#託送料金#燃料価格#DOE
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今回の焦点は、未定だった業績見通しの公表と、利益見通しを踏まえた期末配当の増額だ。前期実績を上回る予想を示した一方、原油CIF価格は前期の71.4ドルから109ドル程度、為替は151円から157円程度を前提としており、燃料・為替環境の変化は収支に影響し得る。予想の達成度と配当方針の継続性を、今後の実績や会社の説明で確かめたい。
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