電力5社、2026年3月期通期、九州電力が独り勝ちの一方で東北電力は大幅減益の苦戦
電力5社が発表した2026年3月期決算は、燃料価格の変動に揺さぶられました。全体として燃料調整制度の縮小による減収が目立つ中、九州電力が唯一の最終増益を記録しました。原発の稼働状況や、燃料ヘッジの成否で業績の二極化が進む結果となっています。本レポートでは、投資や就活に役立つ各社の強みと課題を徹底比較します。
今期の総括
原発稼働と燃料価格が分けた明暗
業界全体の動き
当期は電力業界にとって大きな転換期となりました。
主な共通テーマは以下の4点です。
- 燃料価格の落ち着きによる減収:
原燃料の価格が下がったことで、料金調整額が減りました。その結果、全社がマイナスの売上影響を受けています。
- 原発稼働の明暗:
東北電力は女川2号機を再稼働しました。しかし他社では、審査費用の増加などが重荷となっています。
- 顧客を奪い合う激しい競争:
新電力などとの競争が進んでいます。九州電力や北海道電力で、小売販売量が大きく減りました。
- 財務改善と株主還元の強化:
業績に波がある中でも、増配を決める動きが目立ちます。四国電力や北海道電力が、大幅な増配を発表しました。
売上高ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
明暗がはっきりと分かれ、勝者と敗者が鮮明になりました。
九州電力は、純利益が前年比20.0%増の1,545億円を記録。
営業利益率も10%と、5社の中で首位に立っています。燃料安のメリットを、最も上手く取り込めました。
一方、最も苦戦したのが東北電力です。
純利益が前年比53.5%減の850億円と、半分以下になりました。女川原発が動いたものの、価格ヘッジの時価評価損が響きました。実力は回復中ですが、取引の時価評価損が足を引っ張りました。
- 好調
- 九州電力
- 苦戦
- 東北電力

営業利益ランキング
営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
人口減少や競争に備え、各社は異なる動きを見せています。
- 九州電力:非電力の強化:
本業の電気販売量が前年比9.3%減と落ち込んでいます。そのため、ICTや都市開発など、新しい収益源の確立を急いでいます。
- 電源開発:不採算資産の一掃:
古い火力発電などを減損処理し、財務を身軽にしました。米国資産の売却で現金を得るなど、大胆な構造改革を急ぎます。
- 四国・北海道電力:株主還元の強化:
ともに減益ですが、四国電力は年間55円(5円増)に増配しました。北海道電力も年間32円(12円増)と、還元で投資家を惹きつけます。
業界共通のリスク
電力5社は、自分たちではコントロールしにくいリスクを抱えています。
- 燃料価格の激しい変動:
中東情勢などがこじれると、再び燃料価格がはね上がります。ヘッジ取引による損失リスクもつきまといます。
- 原発をめぐる不確実性:
安全対策のコストは増え続けています。再稼働の遅れは、そのまま利益の押し下げ要因になります。
- 自由化によるシェアの流出:
大手同士や新電力との競争は終わりません。販売量が減り続ける中、料金以外の価値が求められます。
就活生・転職希望者へ
インフラとしての安定感だけでなく、変革の姿勢に注目しましょう。
これからは電力の販売だけでは生き残れません。九州電力のように、非電力事業で稼ぐスキルが求められます。変化を楽しめる人材が、今後の業界で活躍できるはずです。
タグ#東北電力#九州電力#四国電力#北海道電力#電源開発#インフラ業界#決算分析#電力自由化#原発再稼働#株主還元
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