Jパワー、2027年3月期第2四半期決算、営業益52%増も純利益は減少

Jパワーの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比21.0%増、営業利益は52.4%増と大きく伸びた一方、親会社株主に帰属する中間純利益は12.5%減でした。電力販売価格の上昇やタイでの販売電力量増加が営業利益を押し上げましたが、前年にあった米国火力発電事業の持分譲渡益の反動で、経常利益は減少しました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,915億円 | +21.0% | 1.4兆円 | 50% |
| 営業利益 | 817億円 | +52.4% | 1,250億円 | 65% |
| 純利益 | 552億円 | -12.5% | 810億円 | 68% |
| 営業利益率 | 11.8% | |||
この決算のポイント
- 1海外事業の売上高は販売電力量の増加で前年同期比53.7%増、セグメント利益は米国の反動で56.6%減。
- 2発電事業は電力販売価格の上昇と修繕費減少が寄与し、セグメント利益が前年同期比93.7%増。
- 3中間配当は1株50円を維持し、年間配当予想は前期比5円増の105円。
- 4通期予想は据え置き。営業利益予想に対する中間期の進捗率は65.4%。
- 5投資活動によるキャッシュ・フローは太陽光発電所の建設や海外出資で1,365億円の支出。
業績のポイント
Jパワー(電源開発)の中間期は、売上高が前年同期比21.0%増、営業利益が52.4%増となる一方、親会社株主に帰属する中間純利益は12.5%減でした。営業利益は電力販売価格の上昇などを受けて増えましたが、営業外の持分法投資利益が大きく減り、経常利益は14.8%減となりました。
営業利益の増加を売上高と営業費用の変化に分けると、次の通りです。
電力販売価格の上昇が増収を支えた一方、燃料費など営業費用も増加しました。営業利益が伸びても、前年に計上した米国火力発電事業の持分譲渡に伴う持分法投資利益がなくなったことや、為替差損の発生が経常利益を押し下げています。本業の増益と純利益の減少が同居する決算で、営業面と営業外収益を分けて見る必要があります。
- 前年中間期536億円
- 営業収益増+1,200億円
- 営業費用増-920億円
- 当中間期817億円
セグメント別動向
発電事業は売上高が前年同期比14.8%増、セグメント利益は93.7%増でした。電力販売価格の上昇に加え、修繕費の減少が利益を押し上げています。販売電力量全体は減ったものの、火力の利用率上昇で火力販売が増え、水力の出水率低下による減少を補いました。
海外事業は売上高が53.7%増えました。タイで販売電力量が増え、海外事業全体の販売電力量は41.4%増となりましたが、米国火力発電事業の持分譲渡益の反動でセグメント利益は減少しました。増収だけでなく、前年にあった一時的な利益の影響も踏まえて評価する必要があります。
- 送変電事業: 売上高は前年同期比0.1%減。固定資産除却費や支払利息の増加でセグメント利益は減少しました。
- 電力周辺関連事業: 売上高は12.9%増。円安が石炭販売数量の減少を補いましたが、豪州炭鉱権益保有子会社の営業利益減少で利益は13.1%減でした。
- その他の事業: 売上高は22.3%減でしたが、セグメント利益は81.9%増となりました。
セグメント利益の増減率は、発電事業とその他の事業が伸びる一方、海外事業と送変電事業が大きく落ち込む構図です。海外は販売量が伸びても、前年の持分譲渡益の反動が利益を左右しました。
- 発電+93.7%
- 送変電-56.2%
- 電力周辺-13.1%
- 海外-56.6%
- その他+81.9%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 発電事業 | 4,704億円 | 68% | 483億円 | 10.3% |
| 送変電事業 | 244億円 | 4% | 22億円 | 8.8% |
| 電力周辺関連事業 | 227億円 | 3% | 47億円 | 20.5% |
| 海外事業 | 1,685億円 | 24% | 262億円 | 15.6% |
| その他の事業 | 55億円 | 1% | 3億円 | 5.5% |
研究開発・成長投資
中間期は海外の発電事業を中心に投資を進めました。資産の増加には米国チャージャー太陽光発電所の建設進捗に加え、ラオスの水力発電事業とタイのガスコージェネレーション事業2件への出資が反映されています。
ラオスでは2026年4月、Gulf Development Public Company Limitedと共同支配企業Pak Lay Power Co., Ltdを設立し、メコン川の流れを活用する流れ込み式水力発電プロジェクトに参画しました。河川環境への影響を抑える設計・運用を取り入れ、東南アジアの電力安定供給や環境負荷の低減、カーボンニュートラルへの貢献を目指します。
投資活動によるキャッシュ・フローの支出拡大は、こうした設備建設や海外事業への出資が背景です。海外の成長機会と再生可能エネルギーを取り込みながら、投資回収や資金調達をどう進めるかが今後の焦点になります。
リスクと課題
本業の利益が伸びた一方、燃料費や為替、海外事業の投資利益の変動が業績を大きく左右しました。通期予想は据え置かれていますが、会社も実際の業績はさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしています。
- 燃料費の上昇: 営業費用は前年同期比17.8%増えました。燃料価格や調達条件の変化が続けば、電力販売価格の上昇による増収が利益に結び付きにくくなる可能性があります。
- 為替変動: 中間期は為替差損を計上し、海外資産や負債にも円安の影響がありました。為替の変化は損益や資産・負債の評価に影響します。
- 水力発電の出水量: 水力の出水率は前年同期の92%から90%に低下しました。天候や水況によって再生可能エネルギーの販売電力量が変動します。
- 海外事業の利益変動: 海外事業は販売量が増えた一方、前年の米国火力発電事業の持分譲渡に伴う利益の反動でセグメント利益が減少しました。一時的な利益の有無を含め、事業ごとの収益力を見極める必要があります。
- 投資と負債の増加: 太陽光発電所建設や海外出資を進める中で、有利子負債は前期末から増えました。投資案件の進捗と将来の収益化が資金負担に見合うかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
4,075円
最新終値(2026/10/30)
4,075円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
Jパワーをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社Jパワーは電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で10位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.2%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- −17.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- Jパワー+39.1%
- 電気・ガス(業界平均)+12.2%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は12社合計で売上高+13.7%・営業利益−39.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは北海道電力(営業利益+27.1%)。




タグ#Jパワー#決算#決算分析#四半期決算#電力会社#海外事業#配当増額#水力発電#再生可能エネルギー
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営業利益の伸びは電力販売価格の上昇や修繕費減少が支えていますが、純利益は前年の米国事業に関する利益の反動で減少しました。したがって、今回の増益をそのまま継続的な利益成長とみなすのではなく、営業外損益を切り分けて見ることが重要です。
ラオスの水力発電や米国の太陽光発電など、成長投資は将来の収益源と脱炭素の両面を狙う内容です。投資拡大に伴い負債も増えており、今後は案件の稼働時期や利益貢献、投資回収の進み方に注目したいところです。
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掲載企業

電源開発株式会社
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