四国電力、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業利益27%減

四国電力の2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.9%増の4,191億円となった一方、営業利益は27.2%減の482億円、純利益は18.1%減の406億円でした。卸販売の増加や販売単価の上昇で増収を確保しましたが、購入電力料や人件費などの費用増が利益を押し下げました。売上増をコスト増が上回る決算となり、会社は通期予想を修正しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,191億円 | +8.9% | 9,050億円 | 46% |
| 営業利益 | 483億円 | -27.2% | 445億円 | 108% |
| 純利益 | 407億円 | -18.1% | 375億円 | 108% |
| 営業利益率 | 11.5% | |||
この決算のポイント
- 1卸販売収入が前年同期比57.9%増え、小売販売収入の減少を補って増収を確保
- 2購入電力料は前年同期比30.8%増、人件費は44.3%増となり営業利益を圧迫
- 3総販売電力量は前年同期比4.5%増、卸販売の増加が小売の落ち込みを上回る
- 4年間配当予想は50円から55円へ増額し、前期実績に対して10%増
- 5通期営業利益予想は445億円、前期比34.4%減。業績予想は直近公表値から修正
業績のポイント
四国電力(正式表記:四国電力)は、2027年3月期中間期に増収減益となりました。売上高は前年同期比8.9%増の4,191億円、営業利益は27.2%減の482億円、親会社株主に帰属する中間純利益は18.1%減の406億円です。営業利益率は前年同期の約17.2%から11.5%に低下しました。
| 営業利益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期の営業利益 | 663 |
| 営業収益の増加 | +342 |
| 営業費用の増加 | -523 |
| 当中間期の営業利益 | 482 |
収入増を費用増が上回り、営業利益は181億円減りました。中でも購入電力料の増加が費用を押し上げており、卸販売の拡大だけでは利益の回復につながりませんでした。売上の伸びだけでなく、電力の調達コストをどれだけ抑えられるかが収益改善の焦点です。
- 前年同期663億円
- 営業収益増+342億円
- 営業費用増-523億円
- 当中間期482億円
セグメント別動向
電気事業では、販売電力量の構成が変化しました。総販売電力量は前年同期比4.5%増えましたが、小売販売は減少し、卸販売の伸びが全体を押し上げています。
| 電力販売量(百万kWh) | 前年同期 | 当中間期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 小売販売 | 11,620 | 10,810 | -7.0% |
| 卸販売 | 6,159 | 7,761 | +26.0% |
| 総販売電力量 | 17,779 | 18,571 | +4.5% |
電気事業は、営業収益が前年同期比8.3%増の3,701億円でした。小売販売電力量は契約電力の減少や、前年夏の高気温の反動で落ち込んだ一方、相対販売や卸電力取引所での販売が増加し、卸販売収入が伸びました。
その他事業の営業収益は前年同期比13.9%増の489億円でした。中間決算短信では事業別の営業利益は示されていないため、売上の伸びが利益にどの程度寄与したかは確認できません。発電では伊方発電所3号機が前年同期と同様にフル稼働し、原子力発電電力量はほぼ横ばいでした。
- 小売販売-7.0%
- 卸販売+26.0%
- 総販売量+4.5%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 電気事業 | 3,701億円 | 88% | - | - |
| その他事業 | 490億円 | 12% | - | - |
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は1兆7,645億円で、2026年3月末から302億円増えました。自己資本比率は27.4%から28.8%に上昇し、純資産も3月末から331億円増の5,106億円となっています。
| 項目 | 2026年3月末・前期実績 | 2026年9月末・中間期 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 17,344 | 17,645 | +302 |
| 純資産(億円) | 4,775 | 5,106 | +331 |
| 自己資本比率 | 27.4% | 28.8% | +1.4ポイント |
| 年間配当予想(円) | 50 | 55 | +5 |
年間配当予想は55円で、前期実績の50円から5円増える見込みです。期末配当予想は27.5円としています。自己株式数は期末時点で前年3月末より増えていますが、短信には自社株買いの実施発表はありません。中間決算短信にはキャッシュフローの数値が掲載されていないため、営業キャッシュフローや投資支出を含む資金繰りの評価には限界があります。
リスクと課題
増収でも利益が減った背景には、電力の調達費用などの増加があります。短信が示す販売量や費用の動きを踏まえると、今後は調達コストや販売環境の変化が利益を左右する点に注意が必要です。
- 電力調達コスト: 購入電力料は前年同期比30.8%増加しました。卸販売を伸ばしても調達費用が膨らめば、利益の改善が限定される可能性があります。
- 小売販売の減少: 小売販売電力量は前年同期比7.0%減でした。契約電力の減少や前年の高気温の反動があり、需要の動向が販売収入に影響します。
- 発電設備の稼働: 原子力発電電力量は伊方発電所3号機のフル稼働を前提に前年並みでした。発電設備の稼働状況が変われば、電源構成や調達費用にも影響し得ます。
- 業績予想の不確実性: 会社は実際の業績がさまざまな要因で予想と大きく異なる可能性を明記しています。燃料価格や販売環境などの変化を注視する必要があります。
通期見通し
2027年3月期の通期予想は、売上高9,050億円、営業利益445億円、親会社株主に帰属する当期純利益375億円です。会社は直近に公表した予想から業績予想を修正しましたが、今回の短信本文には修正前の金額や修正理由の詳細は記載されていません。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 記載なし | 9,050 | +18.8% |
| 営業利益(億円) | 記載なし | 445 | -34.4% |
| 経常利益(億円) | 記載なし | 500 | -26.4% |
| 純利益(億円) | 記載なし | 375 | -26.2% |
上期は営業利益が前年同期を下回り、通期予想も前期比で減益を見込んでいます。売上高の増加見通しに対して利益の回復を見込まない計画であり、下期の販売動向と電力調達費用の変化が、予想達成度を見る上で重要です。修正の具体的な背景は、会社が案内する「業績予想の修正に関するお知らせ」で確認する必要があります。
事業範囲の変更
四半期決算では、連結範囲と持分法適用会社に関する変更もありました。第1四半期から四電T&Dサービスを連結子会社に加え、Mithra Solar Holding Ltdを持分法適用会社に追加しています。
- 四電T&Dサービス: 第1四半期連結会計期間から連結子会社に追加されました。
- Mithra Solar Holding Ltd: 出資に伴い、第1四半期連結会計期間から持分法適用会社に加わりました。
電力関連サービスと太陽光関連への関与が連結情報に反映され始めています。ただし、短信には出資額や両社が中間期の利益に与えた影響額は示されていないため、現段階では業績への寄与を数字で評価するのは難しい状況です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
2,070円
最新終値(2026/10/30)
2,070円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
四国電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社四国電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で13位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.2%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- −17.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 四国電力+50.2%
- 電気・ガス(業界平均)+12.2%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は12社合計で売上高+13.7%・営業利益−39.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは北海道電力(営業利益+27.1%)。




タグ#四国電力#決算#決算分析#四半期決算#電力会社#営業利益減益#卸販売#配当予想
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売上高の伸びだけを見ると堅調ですが、利益面では購入電力料や人件費などの増加が重く、収益の質に課題が残る決算です。卸販売の拡大が小売販売の減少を補っているものの、調達コストが高止まりすれば、販売量の増加が利益に結びつきにくい構造が続きます。
年間配当予想を引き上げた点は株主還元を重視する姿勢を示します。一方、通期予想は前期比で大幅減益を見込み、今回の修正理由の詳細は短信だけでは分かりません。修正資料で会社の前提を確認しつつ、下期の電力調達費用と小売需要の推移を追いたいところです。
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四国電力株式会社
東証 9507
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