北陸電力、27年3月期純利益予想を280億円に上方修正、前期実績は大幅に下回る
北陸電力は2026年10月29日、2027年3月期の連結業績予想を上方修正した。営業収益は8,500億円、営業利益は420億円、純利益は280億円とする。前回予想からはいずれも増額する一方、前期実績に対しては各利益項目が下回る。全利益項目を上方修正したものの、利益水準は前期に届かない。総販売電力量の増加や市場価格変動などを織り込んだ。

開示の要点
- 営業収益
- 8,500億円
- 営業利益
- 420億円
- 経常利益
- 400億円
- 純利益
- 280億円
- 販売電力量
- 330億kWh程度
全項目を増額、利益は前期実績を下回る
北陸電力は2027年3月期の通期予想を引き上げた。営業収益は前回予想比900億円増の8,500億円、営業利益は20億円増の420億円とする。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(億円) | 7,600 | 8,500 | 7,865.52 |
| 営業利益(億円) | 400 | 420 | 874.59 |
| 経常利益(億円) | 350 | 400 | 850.13 |
| 親会社株主に帰属する純利益(億円) | 250 | 280 | 544.66 |
| 1株当たり純利益(円) | 119.67 | 134.02 | 260.74 |
資料に記載された前回予想比の増減率は、営業収益が11.8%、営業利益が5.0%、経常利益が14.3%、純利益が12.0%。一方、前期実績と比べると営業収益は上回るが、営業利益、経常利益、純利益はいずれも下回る。前回予想からの上方修正だけでなく、利益水準が前期から大きく低下する点も押さえておきたい。
販売電力量の増加や市場価格変動を反映
修正理由には、燃料費調整のタイムラグ差による悪化と、総販売電力量の増加や市場価格変動などによる好転の両方を挙げた。会社はこれらを織り込み、営業収益から純利益まで各項目を上方修正した。
- 業績を押し下げる要因: 燃料費調整のタイムラグ差による悪化を織り込んだ。
- 業績を押し上げる要因: 総販売電力量の増加や市場価格変動などによる好転を反映した。
上方修正の背景は、単一の要因ではなく、コスト面の悪化と販売・市場環境の好転が併存する構図だ。利益の修正幅は営業収益の増額幅より小さく、売上規模の拡大がそのまま利益の大幅な改善につながる予想ではない。
販売電力量の前提は310億から330億kWh程度に
業績予想の主要前提では、総販売電力量を前回の310億kWh程度から330億kWh程度へ引き上げた。燃料価格や為替の前提も見直しており、予想には複数の変動要素が織り込まれている。
| 前提 | 今回予想 | 前回予想 |
|---|---|---|
| 総販売電力量(億kWh) | 330程度 | 310程度 |
| 前期比 | 100%程度 | 93%程度 |
| 為替レート(円/ドル) | 160程度 | 155程度 |
| 原油CIF(ドル/バーレル) | 110程度 | 100程度 |
| 石炭CIF(ドル/トン) | 150程度 | 150程度 |
| LNG CIF(ドル/トン) | 820程度 | 700程度 |
総販売電力量の前提は前期比で100%程度とし、前回の93%程度から引き上げた。為替や原油、LNGの価格前提も前回予想より高く、会社は燃料費調整のタイムラグ差による悪化も見込む。販売量の増加だけでなく、こうした前提の変化も予想を読む際のポイントとなる。
前期の利益水準との差を踏まえた見方が必要
今回の修正は前回予想からの改善を示す一方、前期実績との比較では利益の回復がなお途上にあることを示している。営業収益が前期実績を上回る予想でも、営業利益と純利益は前期実績を大きく下回るため、売上規模だけで業績の強さを判断しにくい。
今回予想は、資料発表日時点で入手可能な情報に基づく。会社は、実際の業績が予想値と異なる場合があるとしている。今後は販売電力量や市場価格、燃料価格の動向が、修正後の利益予想に沿って推移するかが焦点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/29)
1,081.5円
最新終値(2026/10/29)
1,081.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
北陸電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社北陸電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で12位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +16.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- −22.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 2社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 北陸電力+25.9%
- 電気・ガス(業界平均)+16.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+6.4%・営業利益+11.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは2社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは中部電力(売上高+7.7%)。




タグ#北陸電力#業績予想修正#電力#2027年3月期#営業利益#燃料価格#販売電力量
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
前回予想比では全利益項目が上方修正されたが、前期実績との比較では営業利益・経常利益・純利益がいずれも下回る。注目点は、増収予想の背景に販売電力量の引き上げがある一方、燃料費調整のタイムラグ差による悪化も見込まれていることだ。上方修正の幅だけでなく、前期からの利益水準の変化と前提条件の推移を合わせて見る必要がある。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
関連記事
地方電力・卸電力の最新記事
- 決算解説東北電力2027年3月期 第1四半期東北電力、2027年3月期第1四半期決算、売上高46.7%増も営業利益6.6%減
- 決算解説四国電力2027年3月期 第1四半期四国電力、2027年3月期第1四半期決算、増収増益で純利益29%増

- 決算解説北海道電力2027年3月期 第1四半期北海道電力、2027年3月期第1四半期決算、増収も営業利益44%減で通期予想据え置き

- 料金改定のお知らせ東北電力9月28日東北電力、26年11月より託送コスト反映で電気料金を値上げ。家庭は月485円増、連結300億円収支改善へ
- 料金改定届出四国電力9月29日四国電力、低圧小売電気料金を11月値上げ。家庭の月額請求額最大で約800円増となる託送費転嫁

- 大型設備投資工事費北海道電力10月9日北海道電力、泊原発防潮堤工事費に1,255億円計上 27年8月完工へ大規模改修へ




