フジミ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益41%増でAI向け需要を取り込む
フジミの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、先端半導体向け製品の販売が伸び、売上高は前年同期比19.1%増、営業利益は41.5%増となりました。AI向け半導体の旺盛な需要を背景に、親会社株主に帰属する四半期純利益も81.0%増と大きく伸長。通期予想は据え置き、年間配当は前期比2円増の77円を見込みます。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 195億円 | +19.1% | 748億円 | 26% |
| 営業利益 | 46億円 | +41.5% | 145億円 | 32% |
| 純利益 | 34億円 | +81.0% | 104億円 | 32% |
| 営業利益率 | 23.6% | |||
この決算のポイント
- 1先端半導体向けCMP製品などが伸び、売上高は前年同期比19.1%増の195億円
- 2営業利益は41.5%増の46億円、営業利益率も前年同期から3.7ポイント上昇
- 3アジア売上高は先端ロジック向けなどが好調で前年同期比37.7%増
- 4通期予想は変更なし、年間配当は前期の75円から77円へ増配の見込み
- 5地政学リスクや関税、物流費の上昇など、半導体市場を巡る不透明さは残る
業績のポイント
フジミ(フジミインコーポレーテッド)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比19.1%増、営業利益が41.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が81.0%増となりました。先端半導体向け需要が増益を牽引し、営業利益率は前年同期の約19.9%から約23.6%に上昇しました。
- 売上高: 195億2,000万円。先端CMP製品やシリコンウェハー向け製品の販売増で、前年同期から31億2,600万円増。
- 営業利益: 46億700万円。売上高の伸びを受け、前年同期から13億5,000万円増。
- 経常利益: 48億3,100万円で前年同期比75.7%増。前年同期に計上した為替差損がなくなり、当期は為替差益を計上しました。
- 純利益: 33億7,100万円で前年同期比81.0%増。
会社は、AI向け先端半導体デバイスの強い需要が市場を支えたと説明しています。一方、PC・スマートフォン・車載向けでは汎用メモリの供給不足や価格高騰が見られました。営業利益の伸びが売上高の伸びを上回った点は、主力製品の販売増が収益を押し上げたことを示します。
セグメント別動向
地域別ではアジアの伸びが最も大きく、欧州は減収減益でした。日本は主力製品の販売増で堅調、北米は売上高が前年を下回った一方、利益は増加しました。
- 日本: 売上高は110億5,100万円で前年同期比18.0%増、セグメント利益は38億4,100万円で40.8%増。CMP製品とシリコンウェハー向け製品が伸びました。
- 北米: 売上高は18億6,500万円で2.9%減、セグメント利益は1億1,600万円で44.7%増。CMP製品の販売は堅調でしたが、前期までの関税見合い分を会計上減額処理したことが売上高に影響しました。利益には為替の影響もありました。
- アジア: 売上高は60億1,000万円で37.7%増、セグメント利益は16億7,400万円で43.8%増。先端ロジックデバイス向けCMP製品やハードディスク基板向け製品が伸びました。
- 欧州: 売上高は5億9,300万円で20.6%減、セグメント利益は5,200万円で29.4%減。CMP製品とシリコンウェハー向け製品の販売減が響きました。
用途別では、CMP製品の売上高が106億600万円で前年同期比28.3%増となり、成長をけん引しました。ハードディスク基板向け製品も顧客の稼働が好調で45.9%増。一方、シリコンウェハー向けポリシング材は前年同期比1.1%増にとどまりましたが、前四半期比では8.6%増となっています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 111億円 | 57% | 38億円 | 34.8% |
| 北米 | 19億円 | 10% | 1億円 | 6.2% |
| アジア | 60億円 | 31% | 17億円 | 27.9% |
| 欧州 | 6億円 | 3% | 52百万円 | 8.8% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から4億5,400万円減の1,208億4,800万円、自己資本比率は前期末の69.1%から70.4%に上昇しました。現金及び預金の減少が資産を押し下げた一方、純資産は増えています。
| 項目 | 2026年3月末・前期実績 | 2026年6月末・当期 | 増減・補足 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 121,302 | 120,848 | 454減 |
| 純資産(百万円) | 84,715 | 85,973 | 1,258増 |
| 自己資本比率 | 69.1% | 70.4% | 1.3ポイント上昇 |
| 現金及び預金(百万円) | 31,346 | 27,071 | 4,275減 |
- 配当: 2027年3月期は中間38.50円、期末38.50円、年間77円を予想。前期の年間75円から2円増となる見込みです。
- キャッシュフロー: 第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていません。現金及び預金は前期末から減少しました。
- 自社株買い: 今回の決算短信に新たな自社株買いの発表はありません。
純資産の増加には利益剰余金や為替換算調整勘定の増加などが寄与しました。自己資本比率が上昇し財務の安定性は保たれていますが、設備関係未払金の減少などもあり現金残高は減っています。配当予想は据え置かれた業績見通しとともに、増配を継続する会社方針を示しています。
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を変更していません。通期売上高は748億円、営業利益は145億円、親会社株主に帰属する当期純利益は104億円を見込み、いずれも前年実績を上回る計画です。
| 指標 | 前回予想(5月公表) | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 74,800 | 74,800 | +7.8% |
| 営業利益(百万円) | 14,500 | 14,500 | +4.9% |
| 経常利益(百万円) | 14,500 | 14,500 | +2.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 10,400 | 10,400 | +14.8% |
第2四半期累計の会社予想は、売上高362億円、営業利益74億5,000万円、純利益55億円です。第1四半期は好調な滑り出しとなりましたが、会社は業績予想の前提を変更しておらず、上方修正もありません。AI向け需要が続くかに加え、汎用半導体の需給や関税・為替の影響を見極める必要があります。
リスクと課題
半導体市場はAI向けの需要が堅調な一方、用途や地域によって動きに差があり、外部環境にも不透明さが残ります。会社が挙げる市場環境と決算に表れた事業上の変化を踏まえると、次の点が注目されます。
- 地政学リスク: ロシア・ウクライナ情勢や中東の軍事衝突が続き、エネルギー価格や物流コストの上昇、石油化学製品の供給不足につながる可能性があります。
- 関税・貿易政策: 米国の関税措置を巡る不透明さが続いています。北米では関税見合い分の会計処理が売上高に影響しており、今後の政策変更にも注意が必要です。
- 半導体需要の偏り: AI向け先端デバイスが市場を押し上げる一方、PC・スマートフォン・車載向けでは汎用メモリの供給不足や価格高騰が発生しています。AI向け投資の減速や他用途の回復遅れは販売に影響し得ます。
- 地域ごとの販売動向: アジアが大きく伸びる一方、欧州はCMP製品とシリコンウェハー向け製品が減少しました。特定地域や製品の需要変化が、全社の成長ペースを左右します。
第1四半期は主力製品の販売が伸びましたが、会社は通期予想を据え置いています。好調なAI関連需要が今後も利益成長につながるか、次の四半期以降の製品別・地域別の販売動向が焦点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
3,580円
最新終値(2026/10/23)
3,105円-13.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#フジミ#決算#決算分析#四半期決算#半導体材料#CMP製品#AI半導体#増収増益#配当
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コメント
AI向け先端半導体の需要をCMP製品の販売増に結び付け、売上高以上のペースで営業利益を伸ばした点は評価できます。特にアジアの成長が目立ち、地域別の勢いが業績を押し上げました。
一方、今回の利益の伸びには前年同期の為替差損がなくなった影響も含まれます。今後は為替要因を除いた本業の利益成長が続くか、またAI向け需要の強さを通期の業績予想に反映するタイミングが注目点です。
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掲載企業
株式会社フジミインコーポレーテッド
東証 5384
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