カッパ、2027年3月期第1四半期決算、営業赤字に転落し原材料高が重荷
カッパの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.4%減の177億51百万円となり、営業損益は3億22百万円の黒字から7億7百万円の赤字に転落しました。原材料価格の上昇で売上総利益率が2.2ポイント低下したうえ、販売管理費も増え、純損益も7億65百万円の赤字です。既存店の集客施策を続ける一方、通期予想は据え置きました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 178億円 | -2.4% | 798億円 | 22% |
| 営業利益 | -707百万円 | — | 14億円 | -52% |
| 純利益 | -765百万円 | — | 9億円 | -82% |
| 営業利益率 | -4.0% | |||
この決算のポイント
- 1回転寿司事業は売上高が前年同期比2.0%減、セグメント損益は黒字から赤字に転じた
- 2デリカ事業は売上高が前年同期比4.2%減、新規取引の獲得には至らず損失が拡大
- 3通期売上高予想は798億40百万円で、前年実績比9.1%増の計画を維持
- 4自己資本比率は前期末の35.2%から33.2%に低下、今期配当予想は未定
- 5ベトナム子会社を連結範囲に追加し、今期中に現地1号店の出店を計画
業績のポイント
カッパ(カッパ・クリエイト)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比2.4%減の177億51百万円、営業損益が7億7百万円の赤字、親会社株主に帰属する四半期純損益が7億65百万円の赤字でした。前年同期は営業利益3億22百万円、純利益3億31百万円で、黒字から赤字に転落しました。
- 売上総利益率: 原材料価格の高騰などを受け、前年同期から2.2ポイント低下しました。
- 販売費及び一般管理費: 96億53百万円と、前年同期の92億42百万円から増加しました。
- 経常損益: 前年同期の3億63百万円の黒字から、6億81百万円の赤字に転じました。
- 特別損失: 減損損失50百万円と店舗閉鎖損失引当金繰入額10百万円など、合計61百万円を計上しました。
売上高の減少に加え、売上原価が増え、販売管理費も膨らんだことが営業赤字の主因です。物価高による節約志向に対応して、税込90円の商品やランチセット、増量フェアなどを展開しましたが、値ごろ感を打ち出す施策と利益率の確保を両立できるかが課題です。前年同期との比較では、売上の小幅な減少以上に利益面の悪化が目立ちます。
セグメント別動向
主力の回転寿司事業、デリカ事業ともに減収となり、いずれもセグメント損失を計上しました。売上高の前年同期比ではデリカ事業の減少幅が大きく、回転寿司事業も黒字から赤字に転じています。
| セグメント | 売上高の前年比 | 売上高の増減額(百万円) | 損益の前年同期との変化 |
|---|---|---|---|
| 回転寿司事業 | -2.0% | -297 | 利益334百万円から損失647百万円へ |
| デリカ事業 | -4.2% | -142 | 損失28百万円から損失76百万円へ |
回転寿司事業は売上高145億33百万円で、前年同期比2.0%減でした。大切り商品などの価格訴求フェアや、税込90円の商品、ランチセットの再開で集客を図った一方、原材料価格の高騰で売上総利益率が低下し、セグメント損失647百万円となりました。店舗運営の改善やAIを使った人員配置の効率化も進めています。
デリカ事業は売上高32億17百万円で、前年同期比4.2%減、セグメント損失76百万円でした。新規取引の獲得には至らなかったものの、既存得意先への売上は伸び、商談機会や提案力の向上に取り組んでいます。回転寿司店でのデザート採用など、グループ内の連携を新たな売上につなげられるかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 回転寿司事業 | 145億円 | 82% | -647百万円 | -4.5% |
| デリカ事業 | 32億円 | 18% | -76百万円 | -2.4% |
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期売上高は前期比9.1%増の798億40百万円、営業利益は前期比156.6%増の13億66百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億36百万円を見込んでいます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績との比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 79,840 | 79,840 | +9.1% |
| 営業利益(百万円) | 1,366 | 1,366 | +156.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 936 | 936 | 前期は赤字 |
前回予想は5月8日公表の計画で、今回は変更ありません。短信には前期実績の金額が記載されていないため、比較欄は前年比で示しています。第1四半期が営業赤字だったことを踏まえると、残る期間に既存店の収益改善と原材料高への対応をどこまで進められるかが、通期計画達成のポイントです。
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は前期末比5億71百万円減の284億15百万円、自己資本比率は35.2%から33.2%に低下しました。純損失の計上を受け、純資産も前期末から7億84百万円減っています。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・実績 | 前期末・前期比 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 28,415 | -571 |
| 純資産(百万円) | 9,459 | -784 |
| 自己資本比率 | 33.2% | 35.2%から低下 |
| 年間配当(円) | 未定 | 前期実績0円 |
| キャッシュ・フロー計算書 | 第1四半期は未作成 | 比較情報なし |
現金及び預金は前期末から1億33百万円増えた一方、売掛金は4億56百万円減少しました。四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業活動による資金の増減は短信から確認できません。配当予想は未定で、自社株買いの発表もありません。利益回復を優先しながら、財務の安定性と株主還元の方針をどう示すかが今後の注目点です。
戦略トピック
カッパは既存店の競争力向上や店舗網の見直しに加え、海外事業を成長戦略に位置づけています。第1四半期にはベトナムの子会社を新たに連結範囲に加え、今期中の現地1号店出店を計画しています。
- 店舗網: 愛知県名古屋市に1店舗を出店し、第1四半期末の店舗数は300店舗となりました。駅前・繁華街や大型商業施設など、立地特性に応じた出店を進めます。
- ベトナム: カッパクリエイトベトナム有限会社を新規連結しました。現地の食文化に根ざした事業基盤づくりを進め、今期中に1号店を出す計画です。
- インドネシア: 既存店や前期に開いた新店が堅調で、1組当たりの顧客数を増やす販促に取り組んでいます。
- 韓国: 原材料価格や人件費の上昇を受け、メニューや価格設計の見直しとコスト最適化を進めています。
国内では既存店の収益力強化を最重要課題とし、海外では国ごとの採算改善や出店を進める方針です。ベトナム進出は新たな成長機会となる一方、足元では国内主力事業が赤字であり、海外展開と既存店の立て直しに必要な投資をどう両立するかが問われます。
リスクと課題
会社は、物価上昇や人手不足に伴うコスト増、節約志向の高まりなど、外食産業を取り巻く厳しい環境を挙げています。加えて、訴訟の帰結によっては将来の連結業績に影響する可能性があります。
- 原材料・エネルギー価格: 食材や消耗品、エネルギーの価格高騰が続けば、売上総利益率をさらに押し下げるおそれがあります。
- 人手不足と人件費: 人材確保や賃金上昇が続くと店舗運営費が増え、営業利益の回復を妨げる可能性があります。
- 節約志向と競争: 実質賃金の伸び悩みや多様な喫食手段の広がりで、来店客数や客単価の確保が難しくなるリスクがあります。
- 訴訟: はま寿司から5億11百万円の損害賠償などを求める訴訟が提起されています。会社は影響額を合理的に見積もれないとして、財務諸表に反映していません。
割引や価格訴求は集客に有効でも、原価や人件費の上昇を吸収できなければ利益改善につながりにくい面があります。売上の回復だけでなく、店舗ごとの採算や商品構成の改善、コスト管理の進捗を見ていく必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/10)
1,585円
最新終値(2026/10/23)
1,602円+1.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#カッパ#決算#決算分析#四半期決算#かっぱ寿司#外食産業#原材料価格高騰#海外展開#営業赤字
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コメント
売上高の減少率は小幅ですが、前年同期の黒字から営業赤字に転じた点は重く受け止める必要があります。価格を抑えた商品や増量フェアで来店を促すほど、原材料高を販売価格に転嫁しにくくなる構図も見えます。
通期予想は据え置かれましたが、第1四半期は赤字です。今後は集客策の効果だけでなく、既存店で利益率が回復しているか、費用増を抑えられているかが焦点です。ベトナム出店などの成長投資が、国内事業の収益改善とどう両立するかにも注目します。
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