日本マイクロ、2026年12月期第2四半期決算、営業利益2.1倍で通期予想を上方修正

日本マイクロの2026年12月期第2四半期決算は、AI関連の半導体需要を追い風に大幅な増収増益となりました。売上高は前年同期比48.6%増、営業利益は105.5%増、純利益は140.0%増です。HBM向け需要を背景にメモリ向けプローブカードが伸び、会社は通期業績予想と年間配当予想を引き上げました。AI需要が利益成長をけん引する一方、TE事業の赤字は課題です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 492億円 | +48.6% | 1,038億円 | 47% |
| 営業利益 | 156億円 | +105.5% | 314億円 | 50% |
| 純利益 | 115億円 | +140.0% | 230億円 | 50% |
| 営業利益率 | 31.6% | |||
この決算のポイント
- 1生成AIとデータセンター投資を背景に、売上高は前年同期比48.6%増の492億600万円となった。
- 2高付加価値DRAM向けが伸び、プローブカード事業のセグメント利益は前年同期比94.1%増。
- 3TE事業は売上高が前年同期比27.9%減り、開発費負担も重なって7億8500万円の損失。
- 4通期売上高予想を1038億円、営業利益予想を314億円に修正し、年間配当予想も178円に引き上げた。
- 5営業活動によるキャッシュ・フローは121億6500万円に増加、自己資本比率は65.8%を維持した。
業績のポイント
日本マイクロ(日本マイクロニクス)は、2026年1〜6月期に大幅な増収増益を達成しました。売上高は前年同期比48.6%増の492億600万円、営業利益は105.5%増の155億5700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は140.0%増の114億6100万円です。
- 半導体需要: 生成AIの普及やクラウド事業者のデータセンター投資を受け、GPUなどの先端ロジックとHBMの需要が堅調でした。
- メモリ市場: HBMやサーバー向け製品に生産能力が振り向けられ、汎用DRAMの需給が引き締まり、価格は上昇基調でした。
- 製品構成: DRAM向け高付加価値プローブカードの比率が高まり、売上の伸びに加えて収益性も改善しました。
- 費用面: 将来の技術開発を進めたため、研究開発費は前年同期より増加しました。
会社全体の営業利益率は31.6%で、前年同期の22.9%から上昇しました。利益の伸びが売上高の伸びを上回っており、需要拡大だけでなく、製品構成の改善も業績を押し上げたとみられます。AI・HBM向けが成長の中心となる一方、AI関連と従来用途の需要には差があり、成長の偏りには注意が必要です。
セグメント別動向
売上高の大半を占めるプローブカード事業が全体の成長をけん引しました。一方、TE事業は前年同期から赤字が拡大し、事業ごとの業績差が広がっています。
プローブカード事業は、売上高が前年同期比50.8%増の485億4200万円、セグメント利益が94.1%増の182億9000万円でした。HBM市場の需要が続くなか、生産能力の増強を背景にDRAM向けを中心に販売が伸びました。DRAM向け高付加価値品の構成比上昇も利益率の改善につながっています。
TE事業は、売上高が前年同期比27.9%減の6億6400万円、セグメント損失は7億8500万円でした。半導体テストソケットの販売は堅調だったものの、売上規模が採算確保に必要な水準に届かず、開発先行に伴う費用も負担となりました。
プローブカード事業の利益が大きく伸びたことで、TE事業の赤字と全社費用を吸収し、連結営業利益は増加しました。今後は、主力事業の生産能力や高付加価値品の供給を確保できるかに加え、TE事業が開発投資を売上と採算に結び付けられるかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| プローブカード事業 | 485億円 | 99% | 183億円 | 37.7% |
| TE事業 | 7億円 | 1% | -785百万円 | -118.2% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から397億7600万円増え、1388億200万円となりました。営業活動による資金獲得が増える一方、設備投資や配当金の支払いもあり、現金及び現金同等物は前期末から8億2100万円の増加にとどまりました。
| 指標 | 2026年6月末・中間期 | 2025年12月末・前期末 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 138,802 | 99,026 |
| 自己資本比率 | 65.8% | 66.7% |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 17,950 | 17,129 |
| 営業CF(百万円) | 12,165 | 4,465 |
| 投資CF(百万円) | -7,505 | -14,764 |
| 財務CF(百万円) | -3,770 | 3,351 |
| 年間配当予想(円) | 178 | 95 |
営業CFは前年同期比172.4%増となりました。税引前利益の増加などが押し上げた一方、売上債権や棚卸資産の増加は資金を押し下げています。投資CFの主な支出は有形固定資産の取得で、設備投資を継続しています。
年間配当予想は前期の95円から178円へ引き上げられ、増配幅は83円です。業績予想の修正と同日に配当予想も変更しており、好調な業績を株主還元に反映する判断です。自己資本比率は前期末から0.9ポイント低下しましたが、6割台を保っています。
通期見通し
会社は2026年12月期の通期業績予想を修正し、売上高1038億円、営業利益314億円、親会社株主に帰属する当期純利益230億円を見込みます。前回公表予想からの修正はありますが、今回の短信には前回予想の金額が掲載されていません。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 金額記載なし | 103,800(前年比+47.9%) | 金額記載なし |
| 営業利益(百万円) | 金額記載なし | 31,400(前年比+89.8%) | 金額記載なし |
| 経常利益(百万円) | 金額記載なし | 32,000(前年比+87.1%) | 金額記載なし |
| 当期純利益(百万円) | 金額記載なし | 23,000(前年比+90.7%) | 金額記載なし |
修正の背景として会社は、半導体市場の直近の事業環境と需要動向を挙げています。中間期までの好調を受け、通期でも大幅な増収増益を見込む内容ですが、前回予想との具体的な増額幅は短信だけでは確認できません。通期予想の達成度を判断するうえでは、下期もHBMやDRAM向けの需要が続くか、また主力製品の供給能力を確保できるかが重要です。
研究開発・成長投資
日本マイクロは、需要が強いメモリ向けプローブカードの生産能力を増強しながら、将来に向けた技術開発も進めています。中間期の研究開発費は前年同期より増加しましたが、短信には金額の記載がありません。
- 供給能力の強化: DRAM向けを中心に販売が伸びた背景には、生産能力の増強があります。
- 高付加価値化: DRAM向け高付加価値品の構成比が上昇し、主力事業の収益性改善に寄与しました。
- 設備投資: 投資活動では有形固定資産の取得に76億5100万円を支出しました。前年同期の取得支出140億2700万円からは減少しています。
- 技術開発: 研究開発費は増加しており、短期的には費用負担となる一方、将来の製品競争力を支える投資です。
AI・データセンター向けの高性能半導体需要を取り込むには、顧客の技術進化に合わせた製品開発と安定供給の両方が欠かせません。投資を続けながら、設備稼働や開発成果を売上と利益に結び付けられるかが成長の持続性を左右します。
リスクと課題
中間期の好業績はAI関連やHBM向けの需要に支えられており、市場環境や顧客の投資計画が変化した場合の影響に注意が必要です。会社が示した市場の不確実性に加え、事業ごとの採算差も課題です。
- AI・HBM需要への依存: 先端ロジックやHBM向け需要が成長を支えています。データセンター投資や半導体メーカーの生産計画が弱まれば、主力製品の販売に影響する可能性があります。
- 用途間の需要格差: AI関連が堅調な一方、車載、産業機器、民生機器向けでは需要回復にばらつきがあり、在庫調整の影響が残っています。
- TE事業の赤字: 売上高が採算確保に必要な水準に届かず、開発先行の費用も負担しています。販売拡大や費用管理が進まなければ、損失が続くおそれがあります。
- 世界経済の変動: 中東情勢に伴うエネルギー価格の上昇、貿易の分断、金融市場の変動などが、景気や顧客需要の下振れ要因として挙げられています。
主力事業の好調が続くかだけでなく、従来用途の回復やTE事業の採算改善も確認したい点です。業績予想は一定の前提に基づくもので、会社も実際の結果はさまざまな要因で変動する可能性があるとしています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/12)
13,950円
最新終値(2026/10/23)
11,450円-17.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#日本マイクロ#決算#決算分析#四半期決算#半導体#プローブカード#HBM#増配#業績予想上方修正
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コメント
中間期は売上高の伸びを営業利益の伸びが上回り、HBM・DRAM向け高付加価値品を伸ばす戦略が利益にも表れています。配当予想の引き上げも、会社が足元の好業績を還元に反映した動きといえます。
ただし、利益成長の中心がプローブカード事業に寄っている点には注意が必要です。AI関連の設備投資が一服した場合の影響と、赤字が拡大したTE事業の採算改善を、今後の決算で確かめたいところです。
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掲載企業

株式会社日本マイクロニクス
東証 6871
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