株式会社パソナグループ の会社詳細
株式会社パソナグループ
パソナグループ
2026年5月期
2026年7月15日

パソナグループ、2026年5月期通期決算、営業赤字縮小で経常黒字化

決算
決算分析
通期決算
増収
赤字縮小
経常黒字
パソナグループ
人材サービス
万博効果
構造改革
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

3,085億円

-0.2%

通期予想

3,250億円

進捗率95%

営業利益

-1,149百万円

通期予想

15億円

進捗率-77%

純利益

-3,388百万円

通期予想

-1,000百万円

営業利益率

-0.4%

パソナグループの2026年5月期連結決算は、売上高が 308,496百万円(前期比 △0.2% )とほぼ横ばい。営業損失は 1,149百万円(前期 1,237百万円)に縮小し、経常利益は大阪・関西万博の協賛金収入などで 138百万円黒字転換 した。親会社株主に帰属する当期純損失は 3,388百万円(前期 8,658百万円)に改善。純損失が前期比約6割縮小し、構造改革と万博効果が利益を下支えした。

業績のポイント

パソナグループの2026年5月期は、BPOソリューションの大型受託案件ピークアウトや人材紹介事業のシステム刷新に伴う営業効率低下が響き、連結売上高は 308,496百万円 と前期比 0.2% の微減収となった。しかしながら、売上総利益率の改善やライフソリューションの好調、万博関連収入の拡大により、営業損失は前年の 1,237百万円 から 1,149百万円 へと縮小。経常利益は営業外収益に万博協賛金 542百万円 や万博物販収入 540百万円 を計上し、135百万円の黒字(前期は経常損失460百万円)を確保した。

税金等調整前当期純損失は 1,006百万円(前期 5,826百万円)と大幅に改善。特別損失では前期に 4,821百万円 を計上した万博出展関連費用が当期は 1,075百万円 に減少したことも寄与し、親会社株主に帰属する当期純損失は 3,388百万円(前期 8,658百万円)に縮小した。経常黒字を達成し、最終赤字も大幅縮小する形で、中期VISIONで掲げる収益構造改革の緒に就いた決算となった。

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

各セグメントの業績は以下のとおり。

セグメント売上高(百万円)前年比営業利益(百万円)前年比
BPO・エキスパートソリューション266,210△0.2%9,990+2.4%
キャリアソリューション14,033△3.3%4,244△15.9%
グローバルソリューション12,128+6.3%266△33.5%
ライフソリューション9,684+12.3%475黒字転換
地方創生・観光ソリューション8,296+17.1%△1,491赤字縮小

BPO・エキスパートソリューション は、パブリックセクターの大型受託案件終了でBPOが減収となった一方、専門分野の「ProShare」拡大など付加価値型サービスの伸長で売上総利益率が 1.4ポイント 改善し 22.7% に上昇。人材派遣も派遣料金単価の改定で微増収だが、成約率低下で派遣稼働者数は前期並みにとどまった。両事業を合わせた営業利益は前期比 2.4% 増の 9,990百万円 となり、粗利率向上が収益を下支えした。

キャリアソリューション は、期初の基幹システムリプレイスや人員入れ替えによる営業効率低下に加え、一部企業の採用抑制や求職者の慎重姿勢が響き、人材紹介の成約数が減少。再就職支援は企業の構造改革需要で堅調だったが、全体では減収減益に陥った。営業利益は 15.9% 減の 4,244百万円

グローバルソリューション は米国でBPOサービスが好調、台湾や東南アジアでの人材紹介・人事コンサルが拡大し、売上高は 6.3% 増。しかし各国での人材採用強化で人件費がかさみ、営業利益は 33.5% 減の 266百万円 にとどまった。

ライフソリューション は、都内の新規学童クラブ開設や家事代行の契約拡大、万博案件受託が奏功し、12.3% の増収を達成。原価率低減やコスト適正化により、営業損益は前期の 26百万円 の赤字から 475百万円 の黒字へ転換した。

地方創生・観光ソリューション は、淡路島「ニジゲンノモリ」で「鬼滅の刃」コラボがヒットし、インバウンドやリピーターを獲得。売上高は 17.1% 増の 8,296百万円 となり、赤字幅も 1,491百万円(前期 1,900百万円)に縮小した。新規宿泊施設の立ち上がり遅れやゲーム事業への投資は重荷だが、経験価値型観光の収益モデルが徐々に確立しつつある。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
BPO・エキスパートソリューション2,662億円86%100億円3.8%
キャリアソリューション140億円5%42億円30.2%
グローバルソリューション121億円4%3億円2.2%
ライフソリューション97億円3%5億円4.9%
地方創生・観光ソリューション83億円3%-1,491百万円-18.0%

財務状況と資本政策

総資産は前期末比 11.2% 減の 235,482百万円。受託案件の預り金減少により現金及び預金が 47,991百万円 減少した一方、地方創生関連の有形固定資産が 15,341百万円 増加した。負債は長期借入金 7,280百万円 増加などがあったが、預り金減少で全体では 17.2% 減の 102,552百万円 に縮小。自己資本比率は 53.9% に上昇(前期末 50.9%)し、財務の安全性は改善した。

営業キャッシュ・フローは 2,897百万円 の収入(前期 4,327百万円)。売上債権の減少や減価償却費が寄与したが、税引前損失や法人税等支払で減少。投資キャッシュ・フローは有形固定資産 18,071百万円、有価証券取得 24,000百万円 などで 27,285百万円 の支出。財務キャッシュ・フローは長期借入 12,300百万円 の調達で 101百万円 の収入。現金及び現金同等物の期末残高は 54,577百万円 となった。

配当は、親会社株主純損失にもかかわらず、累進配当方針に基づき普通配当 15円 に特別配当 60円 を加えた 年75円 を維持。前期から継続する5カ年の特別配当プログラムの一環で、2027年5月期も同額 75円 を予定している。

リスクと課題

主なリスク・課題として以下が挙げられる。

  • 公正取引委員会の調査:子会社パソナの派遣料金設定に関し調査を受けており、今後の展開やコンプライアンス強化が求められる。
  • 大型BPO案件の依存度:パブリックセクターの案件終了・ピークアウトが続けば、減収圧力となる。専門領域の拡大でカバーできるかが鍵。
  • 人材紹介事業の立て直し:システム刷新後の営業効率改善が急務。転職市場の動向に左右されやすい構造もリスク。
  • 海外事業の採算性:グローバルソリューションは各国で先行投資が続き、早期の収益貢献が必要。
  • 地方創生投資の回収:大型施設「THE PASONA natureverse retreat」など開業初期費用が2027年5月期の収益を圧迫する可能性。
  • 為替・景気変動:海外売上比率は10%未満だが、インバウンド観光や海外子会社への影響に留意。

通期見通し

2027年5月期の業績予想は以下のとおり。

項目2026年5月期実績2027年5月期予想増減率
売上高308,496百万円325,000百万円+5.3%
営業利益△1,149百万円1,500百万円黒字転換
経常利益138百万円1,500百万円+984.8%
親会社株主純利益△3,388百万円△1,000百万円赤字縮小

セグメント別では、HRソリューションがBPO専門領域拡大や派遣効率化により 4.5% 増収、営業利益 15,700百万円 を計画。キャリアソリューションも人財紹介の営業力回復で 6.9% 増収・10.7% 増益を見込む。地方創生・観光ソリューションは新施設効果で 26.6% 増収を見込むが、開業初期費用で営業赤字 1,500百万円 が続く見通し。全社コストの見直しも進め、管理部門の適正化で営業利益の黒字化を目指す。中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」の初年度として、全社コスト比率を2030年に3.5%以下に抑える目標を掲げ、収益体質の改善を加速させる。

戦略トピック

グローバル展開のM&A:連結子会社ビーウィズが、マレーシアのRadiant Communication Sdn. Bhd.(オムニチャネルCX・AIソリューション)の株式85%を 1,373百万円 で取得。自社クラウドPBX「Omnia LINK」の多言語対応強化と東南アジア市場開拓が狙い。のれんは 684百万円 を計上し、5年で償却予定。

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AIアナリストAI·2026年7月15日

パソナグループの2026年5月期は、本業の赤字が続く中でも、粗利率改善と万博特需で経常黒字を確保した点が評価できる。特にBPOの高付加価値化とライフソリューションの黒字転換は、収益構造改革の手応えを示している。

ただし、地方創生事業の投資フェーズが長期化しており、キャッシュ創出力とのバランスが課題。2027年5月期の営業利益1,500百万円予想は、コスト削減頼みの側面もあり、実現性には慎重な見方が必要。M&Aによるグローバル展開の成否も中期的な成長を左右するだろう。

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